自動車業界の救世主!? ガソリンで燃費30km/lを実現する“第3のエコカー”とは?
東京ウォーカー(全国版)
震災の影響を受け、新車販売が落ち込む自動車業界に救世主が現れるかもしれない。ガソリン車でありながら燃費が30km/lという、ハイブリッド(HV)車と同等の驚異的な燃費を誇る“第3のエコカー”の登場が、いよいよ近づいてきたのだ。
環境意識や節約志向の高まりにより、最近の新車販売の主流はコンパクトカーや、HV車をはじめとするエコカーだ。新車販売ランキング(日本自動車販売協会連合会調べ)を見ても、HV・ガソリンの2タイプを擁するホンダ「フィット」と、HV車のトヨタ「プリウス」が、一昨年から上位を独占している。エコカーというと、これらHV車に、まだ次世代車の感がある電気自動車(EV)が続く形だが、ここにきて、“第3のエコカー”が加わってきそうだ。
“第3のエコカー”とは、HV車と同等の燃費で走る超低燃費ガソリン車のこと。6月にマツダの新型「デミオ」が、また、9月にダイハツの軽自動車「イース」の市場投入が予想され、その登場を皮切りに新たな燃費競争が口火を切りそうなのだ。
「HV車を求める消費者にとって、これまでガソリン車は比較対象として見られないような状況でした。しかし、“第3のエコカー”が投入されれば、ガソリン車がHV車と並ぶ選択肢のひとつになるのではないでしょうか」と予想するのは、自動車ジャーナリストのサトータケシさん。
こうした第3のエコカーが誕生している背景には、エンジンをはじめとした技術革新がある。たとえば、新型デミオは、マツダの新技術「SKYACTIV TECHNOLOGY(スカイアクティブテクノロジー)」を初めて採用。「エンジン技術で定評のあるマツダが新開発した『SKYACTIV-G』エンジンは、ここ何年間変わることのなかった、エンジンの圧縮比を世界最高レベルにまで向上し、燃費を格段に改善させることが可能になりました」とサトーさんは説明する。
この第3のエコカーの最大の魅力は、燃費もさることながら、HV車と比べて初期費用が低く押さえられることだろう。「たとえば、『フィット』で比べた場合、モーターを積まなければならない分、ガソリン車と比べてHV車の方が、30万円ほど価格が高い。この初期費用の差を燃費で取り戻そうと思ったら10~20年乗り続けることが必要です。そう考えると、ガソリン車と同等の価格が予想される第3のエコカーが、HV車の有力なライバルとなるはずです」とサトーさんは語る。
また、ガソリン車の燃費向上こそがCO2削減への活路という調査結果もある。JDパワーの予測をベースにした試算によれば、2020年の新車販売構成比率はHV・EVが7.3%、ガソリン車は57.5%となっている。そして、仮にそのすべてのガソリン車が第3のエコカーになった場合、HV・EVのCO2削減効果は約5.4%に留まるのに対して、ガソリン車からは約30%の削減効果が期待できるのだ。
先の大震災の影響による混沌としたエネルギー事情、または、爆発的に増え続ける新興国の自動車需要を鑑みても、ガソリンを燃料とする第3のエコカー普及は必須といえる。今後各社から続々と登場する第3のエコカーが、私たちの車社会、ひいては地球規模の環境問題にどのような変革をもたらすのか期待したい。【東京ウォーカー】
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