舞台『モマの火星探検記』が装いを新たに大阪で公演! W主演の矢崎広・生駒里奈が作品の魅力を紹介

関西ウォーカー

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宇宙飛行士の毛利衛原作の舞台『モマの火星探検記』が2月7日(金)から大阪・サンケイホールブリーゼで公演が開始。人類史上初めて火星に到達した主人公『モマ』を演じた矢崎広、仲間とロケット作りをする少女『ユーリ』を演じた生駒里奈にお話を伺った。

舞台『モマの火星探検記』が大阪・サンケイホールブリーゼで公演が開始


『モマの火星探検記』は毛利衛原作、劇団「少年社中」主宰の毛利亘宏が脚色・演出の舞台劇。宇宙に2度行った毛利氏ならではの生命観、地球観、宇宙観をベースに人類史上初めて火星に到達した 主人公『モマ』が少年時代の自分に語りかけながら火星での冒険を振り返る物語と少年社中が過去に上演した仲間とロケット作りをする少女『ユーリ』が宇宙を夢見る物語「ハイレゾ」をミックスさせ、新たな物語として舞台化。2012年に初演、17年に再演が行われ、今回装いを新たに上演。2人の主人公『モマ』『ユーリ』は17年の上映に引き続き矢崎広、生駒里奈が務める。

主演の矢崎広と生駒里奈にお話を伺った


ーー2017年に引き続いての主演とのことですけど、発表された時の心境はいかがでしたか?

矢崎 僕は前回の2017年の『モマの火星探検記』はやっとの思いで産み落としたという感じで、ほんとギリギリでモマという人間が作られた。というのは稽古場で悩んで悩んで「これで良いのかな?」って試したことが『モマ』だったんです。今回そんな大変だった役を皆さまの声があってからこその再演。純粋に嬉しかったですけど、それじゃあ、あんなに自分なりに色々戦った作品を「2020年どうパワーアップさせようか」という課題があって「もうちょっと激しめに戦いたい、もっと綺麗な戦いを見せたい」という理想がありました。割と前回ががむしゃらな戦いだったので、そこを2020年の自分に期待したというところですね。

ーー今回は俯瞰した視線から演じることができるということですか?

矢崎 はい。あと自分の表現にもっとしてみたいなという感じで、前回は割と演出の毛利亘宏さんのモマのイメージが自分の中でも強くて、「あれをやってみたい」という思いが強かったんですけど、今回は自分のものを作ってみようと思っています。

生駒 再演のお話しを聞いた時はちょうど(乃木坂46を)卒業して、再スタート。また1からという時期でした。思い出深い大好きな作品でしたし、もう一度ユーリになりたい、演じてみたいと思っていたので、とても素晴らしい機会を与えてくださったなというのが聞いた時の素直な気持ちです。

ーーユーリになりたいというのは?

生駒 すごく楽しかったですし、もっと追求していきたい役、物語だったので。まだ2017年当時の私は技術が追いついてない、たどり着いていない、足りていない部分があって、いつかまた絶対やりたいと思っていました。こんな早くにできるとは思わなかったですけど、お話を聞いた時にはやる以外の選択肢はないなと思いました。

ーー今回の公演でパワーアップしたところというのは具体的にどのようなところなのでしょうか?

矢崎 自分の口からは一概に言えないんですけど、まず確実に「違うな」というところは新しいキャストが入っているところです。あと、前回キャストの中でも配役が変わっていたりするのでそこは純粋に違うものとして楽しめるところですかね。そして心強いキャストが集まったのでパワーアップしていると思います。あとは同じ役を続投してる組もそれぞれにテーマや課題を抱えて今回挑んでいます。そういう人たちが集まっているので、作品に挑戦し続けていることでパワーアップしていると思います。

ーー配役が変われば舞台の出来も変わってくるのでしょうか?

矢崎 やっぱり人が変われば違いますね。そこが「前回と同じことはしないように」ということを忘れようと思ったきっかけです。「前回と同じようにしないしよう」というのは全くダメなのではなくて通らなきゃいけなければ通ればいいという感じです。乗り越えなけれなばならないことは乗り越えるし、前回よかったものはそのまま残すといったような。

生駒 この2年半で自分も年を重ねた分、「はじめまして」というセリフがあるんですが、そのセリフの感じ方を変えられるようになりました。それは観たお客様にエッセンスが増えてるからこそ、その言葉でもパワーアップしたなって感じてもらえるのが、今回の見どころかなと思っています。

2017年以来の続投について語る2人


ーー劇中のお気に入りのシーン、セリフを教えてください

矢崎 僕は「全部繋がってる」という言葉が好きで今回さらに「だから生きるんだ」という言葉にすごく感銘を受けました。あと最近すごく思うのはモマは火星に着いて、火星の風の音を聞くシーンがあるんですけど、そこでモマが「この音を聞いたのは僕らが初めてだ。だから僕らがやって来るまでこの音は存在しないのも同然だった、聞いてくれるもののいない音なんて音じゃない」というセリフがあるんですけど、役者もそうだよなって思うことがあって。

ーー観てくれる人がいないと、存在していないということでしょうか?

矢崎 そうですね。僕ら役者というもの自体そうなんですけど、自分を観てくれる人だったり作品を観てくれる人がいないと、僕らは役者として存在できないんです。だから作品を成立させられないんだなと最近感じていて、そのセリフがすごいリンクしてやっぱりお客さんありきで作品が完成するんだなって思うセリフの一つです。

ーーそのお気に入りのシーンはこの2年の間に変わったりしましたか?

矢崎 前回感じていたこととは全く演じる僕らも違うように感じていて、セリフが響くようになってます。やはり2回目ということもありますし、2年半という月日もありますね。それは公私含めて。

『モマの火星探検記』メインビジュアル


ーーこの2年半お互いどのように成長したのでしょうか?

矢崎 自分としては芝居に対して気付けることが前回よりも、どんと増えてるなと思います。気付けることというのは専門的になってしまうのですけど「役者とは幾つ気付けたか」というところだと僕は教えられてきていて、その気付けるところが増えました。

ーーそれは演出の意図とかということでしょうか?

矢崎 演出意図とかもそうですし、見せ方もそうですし表現にするにはどうしたらいいかとか、そうしたいけど見えてない、だからどうしたらいいかということに気付けたりしました。

ーー完成までのプロセスが気付けているということですか?

矢崎 それもですし、単純に人ってこういう時どうするかなっていうことに気付ける。芝居で表現するときにどうするかなと、材料が増えている、発見するという感じですかね。

生駒 私も同じくそう思います。台本のこのページで脚本家がこういう思いを書きましたというっていうのを文章から汲み取る能力がつきました。前回と比べてその意図を拾える能力が培われてるなと思いますし、だからこその悩みが増えました。芝居に対する「ああいうことをしたい、こういうことをしたい」とどうやったらそういう見せ方になるのかなという良い悩みです。多くのことが見えるようになったからこそ「おはようございます」っていう一言の表現でもどうやってやるか、脚本家や演出家の意図に近づきたいけど、自分はどういう風にやるのか、お客さんが見たらこうしたら面白いんじゃないかというもののバリエーションが増えたりしました。

矢崎 生駒さんの言ってることを言い換えるなら、読解ができれば、伝えたい心がわかって、だけどこの心を表現するのに例えば5つくらいパターンがあってどれにしようかなっという悩みが増えたということだと思います。

ーーその選択肢をどうやって選ぶのでしょうか?

矢崎 それは役者自身の問題や、演出家、脚本家との話し合いになりますけど、例えば『好き』という表現をしていくのか、寄り添うだけで好きと見せるのか、逆に離れてそっぽを向くことで好きって見せるのか。『好き』という表現は多分無限にあるんですけどその中でどれをチョイスしたら『ユーリ』に近いのかなということの悩みです。

ーー自分の役と似ている部分はありますか?

矢崎 2017年の頃は思わなかったんですけど、2020年になったらモマと似ている部分がたくさんあるかもしれないと思うようになりました。境遇であったりとか。例えば、役者を目指すことって宇宙を目指すとんでもないことだと思うんです。飛び込んでみたは良いものを、この業界で悩んでいたりだとか、表現に悩んでみたり、言葉にしたいけど言葉にできないというところのいろんな悩みがわかる自分がいるので僕とモマは似ている部分が多いのかなって。具体的には悩みやすい性格であったり、とりあえず全力でぶつかってみるところだと思います。

ーーそれは何時頃からそう思い始めました?

矢崎 今回稽古をしてからですね。前回も周りから言われてたんだけど、自分では納得できてなくて「俺こんなにモマみたいに単純じゃないし」「こんなやつじゃないんだけどな」という思いがありました。

生駒 矢崎さんを横から見てると似てるなと思うんですけどね(笑)。私もユーリと似てると言われるんですけど、ユーリみたいに「あきらめない」とか言わないし、すぐあきらめてしまうので似てないと思ってました。けど、今回、きっと持っているものはユーリと似ていてるのだと思うようになりました。

ーー持っているものというと?

生駒 生まれた時にお母さんからもらったものというのでしょうか。難しいんですけど感覚的なものです。例えば、今私が感動したことをユーリがした時に同じタイミングで同じように嬉しいなとか思うんだろうなというのが似ているってことです。私は稽古後の本番を迎えてから思い始めましたね。

『モマの火星探検記』は2月7日(金)より公演


ーー最後に大阪のファンに向けて

矢崎 僕自身大阪でするのが楽しみで、大阪の人たちとどういう宇宙を作れるのかなというところが今からすごく楽しみでワクワク楽しみにしています。その楽しみに向かうためにも全力で向かって、ぶつかっていくので『モマの火星探検記』を見ていろんなことを考えてもらえるように頑張りますのでぜひ劇場に来てもらえたらと思います。

生駒 前回来てくださった方もですけど今回初めて舞台というものを見る方にも必ず何か心に響いて何か夢を掴んで持ちかえっていただける作品なのでぜひ楽しみにしてもらいたいです。(了)

桜井賢太郎

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