「飯田商店｣との絶妙な融合を見せた｢鶏喰～TRICK～｣の癒しの限定麺

神奈川の人気ラーメン店が「ラーメンWalker神奈川2020」の読者のために、月に1店ずつラリー形式で限定ラーメンを作る｢限定麺ラリー｣。2020年2月の開催は｢鶏喰～TRICK～｣。1月に開催した｢らぁ麺 飯田商店｣とのコラボということで、開催前から大きな話題となっていたが、行列覚悟でさっそく行ってきた！

豚のまろやかさと鶏の優しさが前面に出た極上のスープ

かつて横浜にあった｢麺や 維新｣をオマージュして作るのは、ラーメン業界に入る前に食べて衝撃を受けたという醤油。着丼して目の前に現れた限定麺は、豚と鶏のチャーシューに、ワンタン、卵、そして九条ネギと、いわゆる｢特製｣のような豪華さ。そして透き通ったスープと、見ただけでおいしいのが伝わってくる。まずは、スープをひと口。オマージュする｢麺や 維新｣を彷彿とさせる、ふんわりと素材の旨味が感じらる柔らかい舌触りの仕上がりに。そして｢麺や 維新｣で感じられる魚ではなく、豚のまろやかな旨味を、丸鶏の優しい旨味が支えているかのようなスープに、動物系を意識した西垣店主の意図が見えるのがおもしろい。魚が動物系の味わいを引き出しているような味で、しかも動物系でも、｢鶏喰～TRICK～｣の象徴である鶏よりも最初のひと口目は豚のまろやかさが口の中に広がるのも、なかなか味わえない一品。そして醤油も、レギュラーのラーメンではキレを生かした醤油だが、この限定麺では、スープの旨味を引き立てるふくよかな醤油に。これは｢鶏喰～TRICK～｣の常連さんもビックリなはず。

また、「らぁ麺 飯田商店｣の飯田店主謹製の麺は、まさに｢麺や 維新｣らしい、しなやかな平打ち。スープとの相性もバッチリだ。まろやかなスープに、小麦の甘味も感じる飯田店主の自家製麺が合わさり、なんとも言えない優しい一杯になっている。

そして、ツルンとした食感の2個のワンタン、レギュラーにはない豚チャーシューに、柔らかな鶏シャーシュー、黄身が濃い味玉など、トッピングも妥協なしでどれも食べ応え抜群。「麺や 維新」へのリスペクトと感謝、そして飯田店主とのコラボから生まれた西垣店主の渾身の一杯はまさに‟絶品"という言葉が一番だ。

この日は、開店1時間前の朝10時ごろには限定杯数に達するなど、読者の注目の高さがうかがいしれ、そして朝早くから並んでいるお客さんに、お店から温かいお茶も振る舞われた。味が素晴らしいのはもちろん、ラーメンのおいしさはその店の持つ雰囲気や接客なども加味されるもの。｢鶏喰～TRICK～｣に来るといつも笑顔で接客をする西垣店主をはじめとしたスタッフや、店の雰囲気が抜群。そういうところも多くの人に愛されている証拠であろう。

｢鶏喰～TRICK～｣のラーメンWalker神奈川2020限定麺は20年2月23日(祝)までとあとわずか。まだ食べていない人は本誌を持参してこの貴重な一杯を味わいに行こう！

【実施日】2020年2月19日～23日(祝)

【鶏喰～TRICK～】住所：神奈川県横浜市吉野町4-20　電話：045-341-0509　時間:11:00～14:00、18:00～21:00、土曜、日曜11:00～15:00(各LO)※スープがなくなり次第終了　休み：月曜　席数：10席(カウンター6、テーブル4) ※禁煙　駐車場：なし　アクセス：横浜市営地下鉄吉野町駅3出口より徒歩1分

※限定麺を食べるには必ず｢ラーメンWalker神奈川2020｣が必要です(1人1冊、電子版不可)。

【ラーメンWalker神奈川2020限定麺ラリー参加店舗】2019年11月｢らーめん森や｡｣、12月｢横濱丿貫｣、2020年1月｢らぁ麺 飯田商店｣、2月｢鶏喰～TRICK～｣、3月｢中村麺三郎商店｣、4月｢地球の中華そば｣、5月｢RAMEN渦雷｣、6月｢支那蕎麦屋 藤花｣、7月｢川の先の上｣、8月｢田上家」

【取材・文＝瀧本充広】

瀧本充広