今こそ知らなかった世界を!印象派の“推し”が見つかる一冊って?
東京ウォーカー(全国版)
コロナウイルスの感染防止のため外出がしづらくなり、長い春休みになった人も多い今、読書を通じ、知らなかった世界について触れてみてはいかがだろうか?今回、おすすめしたい一冊が、印象派をテーマにした須谷明のコミック「5分でわかれ!印象派」(KADOKAWA)だ。

美術にあまり興味がない人でも、なんとなく聞いたことがあるであろう“印象派”。19世紀のフランスで始まった芸術運動で、当時のアートシーンに革命を起こし、後の現代絵画にも大きな影響を残した…というと小難しいように思われるかもしれないが、この一冊を少し読むだけでその印象はガラリと変わる。
例えば印象派の代表的な画家であるモネとルノワール。「睡蓮」や「イレーヌ嬢」など、ともに数々の名画を残した巨匠だが、本作で描かれるモネはワガママ放題で育ったおぼっちゃんで、売れてなくてもパリ最高の仕立屋に服を注文(しかもお金を払わない!)。駅の情景を描く際には、汽車を止めたり乗客を立ち退かせたり…とやりたい放題なのだ。一方のルノワールは庶民階級出身の苦労人で、そのモネに振り回されるお人好しぶりがなんとも愛おしい。
こうした巨匠たちの“濃い”エピソードを紡いでいくことで当時のアートシーン、印象派がなぜ革新的だったのかなどが解き明かされるのだが、やはり著者が特にひかれているのは画家自身の人物像。マネは天然スキャンダル王、ドガは常軌を逸した偏屈者、セザンヌはコミュ障など、一筋縄ではいかないキャラクターばかりなのだ。膨大な資料を読み込んだ著者は画家の人となりや関係性がうかがえるエピソードを多く描いており、「いつの間にか画家が好きになる」というのが特徴となっている。
教科書的に学ぶよりも、“推し”ができる方がのめりこめるのは必然。絵画やアートに触れてみる入口として、一読してみてはいかがだろうか。




中村竜也
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