5人の俳優で3つの役をくるくると演じわける不思議な舞台

九州ウォーカー

X(旧Twitter)で
シェア
Facebookで
シェア

関西を拠点に活躍する劇団MONOで、独特の威風を放つ個性派俳優・水沼健(たけし)。彼が、作・演出を担当する演劇ユニット「壁ノ花団」が、九州初上陸を果たす。

「これまで大阪では、MONOとしても、壁ノ花団としても、たくさんの公演を行ってきているから、観客も、ある程度、どのような芝居かは見当がつくし、劇団の作風に、観客自体が慣れていると思うんですよ。でも、福岡は、街の規模も、演劇に対する情熱も、街としての完結性というのも、ほかにない特殊性があるので、自分の作品がどのように受け入れられるのかが非常に楽しみですね。ホント、演劇人からみてもとても魅力的な土地です」。

と、主宰の水沼は、今回の公演に向けての想いを話す。今年の春に上演した「フォーエバーヤング」を、早くも再演するわけだが、壁ノ花団にとってエポック的な作品であり、実験的な試みでもあった。

「演劇って、物語にあるのではなく、俳優がセリフを語るということにあるのではないか、という考えから、新しい方向性を見出したかったんです。1人の俳優が、1人の役柄のセリフをすべて請け負うのではなく、役とセリフとを分離させて、それぞれ独立したものとして、次々と俳優たちにランダムにリレーしていくことで、物語全体を、より客観視できるようになるとともに、現在・過去・未来の時間的ズレが生じ、枠にとらわれない表現ができると思ったわけです」

 物語の登場人物は、「王様」「王妃」「村人」の3人。その3役を、男性ばかり5人で演じる。だれもが特定の役はなく、5人が、くるくると役を代わりながら、ストーリーは静かに進んでいく。

「初演では、3つの役を3人でやっているので、配役は思ったほど入れ替わらず、動きにも限界がありました。だから、5人にしたことで、いろいろと広がっていくでしょうね。でも、果たしてそれが、どう影響していくか、不安はいっぱいですけど(笑)」

 話を聞いた限りでは、観る側も、少し構えてみたほうがいいのかと思いきや、「関西の劇団ですから、そんなガチガチの芝居じゃないですよ。ユーモラスでどこか滑稽な芝居です」とのことで、ちょっぴり安心(?)。上演時間も70分足らずと、一般的な芝居としては、やや短く、気軽に楽しめそうだ。

わかりやすくシンプルな設定だからこそ浮き上がる、セリフと、それを語る役者たちの時間的、空間的ズレの妙。福岡では、なかなか味わうことのできない演劇体験を、ぜひ堪能あれ。

【福岡ウォーカー】

この記事の画像一覧(全1枚)

キーワード

カテゴリ:
地域名:

テーマWalker

テーマ別特集をチェック

季節特集

季節を感じる人気のスポットやイベントを紹介

いちご狩り特集

いちご狩り特集

全国約500件のいちご狩りが楽しめるスポットを紹介。「予約なしOK」「今週末行ける」など検索機能も充実

花火特集

花火特集2025

全国約900件の花火大会を掲載。2025年の開催日、中止・延期情報や人気ランキングなどをお届け!

CHECK!全国の花火大会ランキング

CHECK!2025年全国で開催予定の花火大会

おでかけ特集

今注目のスポットや話題のアクティビティ情報をお届け

アウトドア特集

アウトドア特集

キャンプ場、グランピングからBBQ、アスレチックまで!非日常体験を存分に堪能できるアウトドアスポットを紹介

ページ上部へ戻る