京都の老舗酒造「松本酒造」と“北斎漫画の世界一のコレクター”浦上満氏が異色のコラボ!(その1)

関西ウォーカー

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9/10に、京都は伏見にある老舗酒造「松本酒造」にて、北斎漫画の世界一のコレクター、そして古美術商でもある浦上満氏による「北斎漫画」の展示解説、そして同じく氏の貴重なコレクションである古陶磁器を使った創作料理の食事会という、異色の芸術文化発信企画が開催された。

美術品とは、何を選ぶかによってその人の眼力だったり感性だったりが見えるわけです。(浦上)

「こんな酒蔵もあるんやで」という気軽さで、お酒という文化に興味を持っていただけたら。(松本)

-伏見の酒蔵「松本酒造」さんを舞台とした今回の「大婆娑羅会」について、開催の意図と経緯を。

浦上-今回のこの企画展は慶応大学で教授をしておられる岩渕潤子さんと、ナナツユメ実行委員会の西山さんという方が考えたもので、会場として使わせていただいている松本酒造さんには、西山さんがぜひ会場はこちらで!ということで長いことかけてお願いにあがったと、僕が伺ったところではそんな感じに聞いてまして(笑)。松本酒造さんの素晴らしい建物と敷地を使わせていただいて、なにか鋭気なことをやりたいという、そういう思いからスタートしまして。

-今回のためにお持ちになった美術品というのは。

浦上-今回は「北斎漫画」という、これは僕が18歳の時から集めているものなんです。一応、私は世界一のコレクターということになっているようですけど(笑)、その北斎漫画にまつわる短い講義といいますか、簡単なお話をさせていただいて、(卓上の風呂敷包みを指して)今日はこのような現物も持ってきておりますので実際に手にとって見ていただきたいと思っております。

-え、この風呂敷包み、中身は北斎漫画の現物だったんですね。いや、こちらの部屋に入ってきたときから気になっていたんですけど、まさか風呂敷包みの中身が葛飾北斎の現物とは思いませんでした…。お弁当か何かかと思ってましたよ…(笑)。無造作に置き過ぎじゃないですか先生(笑)。

浦上-中には現物が入ってますよ(笑)。で、そのようなショートレクチャーを終えてから、松本酒造さんの素晴らしい庭園を散策していただいて、別棟ではお料理が用意されていますので、それをみなさんでいただくという、そういう内容になっております。お料理を担当されているのが岩渕さんと、あとは今回は特別に麻布十番のレストランで料理をされている中山君も手を貸してくださってて。それで、ただみなさんで一緒に美味しい料理をいただくというだけではと思いまして、僕の生業は古美術商なんですが、今回のお料理をいただく器に、僕が持ってきました古陶磁器を実際に使っていただこうと。美味しい料理を食べながら、普段あまり目にすることのできない美術品を愛でていただき、新しい刺激といいますか、美術に関する知識を得て満足していただけたらと思います。

-普段は美術館などで厳重に保管されているような美術品でお食事をいただけるというのは、すごく斬新ですし贅沢なことだと思うんですが、収集家である浦上さんご本人にしたら、身を切られる思いというか、ちょっとハラハラするのではと(笑)。「出来るだけナイフやフォークは器にあてないでください!」「決して手元をおろそかにしないでください!」とか諸々の注意事項など言いたくなりませんか(笑)。

浦上-そうなんですよ!(笑)。それはもうまったくおっしゃる通りで(笑)。東京から器を大切に運んできて、もし粗相でもあったら「僕は何をやっとんのかいな」ってアホみたいに思っちゃいますけど(笑)、でも作品を提供する僕もそうなんですけど、それで実際にお食事をいただく方のほうがもっとハラハラしてらっしゃる方もいらっしゃるので(笑)。器に気を使うあまりに、お食事を味わう余裕がなかったりとかね(笑)。でも最近では本当に少なくなりましたけど、きちんとした割烹料理屋なんかでは、魯山人の器とか由緒ある作り手の作品を器に使用していたりしていますので。お茶の懐石なんかでもそうですよね。杯なんかでも、同じお酒でも器が違うと味まで違ってくるという、そういう不思議もありますので。ありませんか?好きな湯呑みでお茶を飲むと美味しいとか、そういった感覚。

-ありますね!私もお気に入りのマグカップをいくつか気分で使い分けたりしてますけど、中身が同じでもやっぱり使う私の気持ちひとつでかなり違ってきますね。

浦上-でしょ(笑)。思い入れが強ければ強いほどね。なので料理も良い器でいただくというのがすごく大切で、目も楽しみ、舌も楽しみ、二重に楽しめるというね。以前今回の予行演習みたいなものを麻布十番で開催しましてね。それがどうして、なかなか評判が良かったんですよ。その時に参加してくださっていたメンバーが今回も数人、わざわざ京都まで追っかけてきてくださっていて(笑)。

※(その2)に続く!→http://news.walkerplus.com/2011/1011/16/

【対談はこちらの2人!】

●松本保博(まつもとやすひろ)

京都・伏見にある1791年創業の松本酒造の代表。2008年、万暁院と正門が国の登録有形文化財に登録された

●浦上満(うらがみみつる)

幼少期より、古美術に親しみ、古美術界の老舗「繭山龍泉堂」での修業後、浦上蒼穹堂を創立。一方で、40年以上にわたり「北斎漫画」を収集する世界一のコレクターでもある

【取材・文=三好千夏】

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