沖縄文化が生んだ“パーティーダンサー”粒マスタード安次嶺を直撃
東京ウォーカー(全国版)
新郎新婦の友人や同僚が集まり、ダンスや歌といった“余興”を行うのが当たり前となっている沖縄の披露宴。そんな晴れの門出に引っぱりだこの男がいる。2010年からパーティーダンサーとして活動している粒マスタード安次嶺(あしみね)だ。
友人の披露宴で披露した“1粒目”のパフォーマンスを、動画サービス「YouTube」にアップしたところ、じわじわと人気に火が点き、今では30万に迫るPV数を記録。80年~90年代にヒットした洋楽に合わせ、赤いキャミソールに黒いパンツという出で立ちでパフォーマンスを披露する“沖縄最強の素人”の彼を直撃した。
──まず、“パーティーダンサー・粒マスタード安次嶺”誕生のきっかけを教えてください。
友達の結婚披露宴で「何かやってくれないか?」と言われて踊ったのがきっかけですね。その時の様子を「YouTube」にアップしたら反響があって、今に至ります(笑)。以前「NEW TOWNER」というバンドでMCをやってて、その時からこんな感じで動いてたんですけど、結構メンバーからは「静かな曲の時はあんま動かないで!」とか「メリハリつけて」って言われてて。それが1人になって“爆発”した感じです(笑)。
──いつも赤いキャミソールに黒いパンツという出で立ちですが、衣装にこだわりはあるんですか?
いやあ。強いて言うなら“レディース”みたいな。でも“レディース過ぎない”っていう感じかなあ…ピチピチでラインは出したいっていう。元々女装が趣味とかではないですけど(笑)。
──じゃあ、ヒゲとオールバックにもこだわりはないと?(笑)
一番最初にこんな感じでやったんで、だったらまたこれでやろう!っていう感じで。いつも「イラストレーターの割りに(ヒゲ描くの)ヘタだね。雑だね」って言われますけど。でもあの…これまた強いて言うならば、(イメージは)アントニオ・バンデラス。ラテン系、ああいうところですね。ああいう男になりたいみたいな。カッコイイ。セクシーで。
──ダンスはすごくセクシーですよね!
あ! ホントですか? ありがとうございます! ホントに“男の人から色っぽいって言われたい”と思ってやってるんですよ。最初は意識してなかったんですけど、やっていくにつれて“もっとセクシーにやりたいなあ”って目覚めてきましたね。
──ダンスの振り付けって決まっているんですか? 即興?
基本的に決まってます。曲はみんなが聞いたことがあるものを使うようにしてて、曲選びから3週間はかけてますね。踊りはその時によってアドリブで変えたりしますけど、最近チョットやり過ぎてる感があるので。「たぶんもっとYouTubeの映像と同じダンスが見たいと思う」っていうのを友達に言われて、あーそうなんだ!ってなって。だから最近は入れ過ぎずやってます(笑)。
──粒マスタード安次嶺としては月どのくらい活動しているんですか?
月に4件くらいですかね。一番多いのが披露宴で、その次が披露宴の2次会。あとはイベントとかパーティーですね。社員旅行の宴会にも呼ばれたことがあって、その時は社長さんに深々とあいさつするダンスを盛り込みました(笑)。最近は県外の営業も増えてきてます。
──では、本業のイラストレーターの「Shu Ashimine」としてお話を聞かせてください。イラストはPOPでかわいい作品が多い印象ですけど、影響を受けた作品ってありますか?
ディズニー作品にはすごく影響を受けました。小さい頃はディズニー作品をよく観てましたね。「ライオン・キング」とか「アラジン」…。あと「バグズ・ライフ」が好きですね。オシャレで面白くてカッコイイ。あと、ドラゴンボールをめちゃめちゃ描いてました(笑)。
──イラストが仕事になったきっかけと、イラストレーターとしての最初のお仕事は何だったんですか?
バンドの解散後に本格的にイラストレーターを目指しました。友達のCUE(デザイナー)ちゃんとDOKUTOKU460(アートディレクター)さんの3人で展示会に作品を出展したのがイラストレーターとしての最初の仕事ですね。
──初仕事が展示会ってすごいですね。最近ではどういった作品を作っているんですか?
最近はありがたいことに結婚式のウェルカムボードが多いですね。あとは個人で部屋に飾りたいとか、誕生日プレゼントに友人に贈りたいといった依頼をよく受けます。今は個展で展示する作品を描いてます。
──イラストレーター、パフォーマーと2つの顔をお持ちですがバランスは取れていると思いますか?
それぞれまったく別の仕事だと考えているので、バランスは取れてると思います。「粒マスタード安次嶺を入り口に、イラストも見てもらえれば」という思いでやっているので(笑)。
──粒マスタード安次嶺は「Shu Ashimine」の“踊る広告塔”といったところですかね(笑)。
そうですね(笑)。“粒マスタード安次嶺”の時も一生懸命やってますけど、やっぱり本業のイラストを見てほしいですね。
──イラストレーターとしての目標を教えてください。
自分のギャラリーを持ちたいですね~。嬉しいことに、来年1月に憧れのニューヨークのギャラリーで開催されるグループ展に出展することが決まりまして。今、その作品も制作しています。
──では最後に、初の個展に向けての意気込みをお願いします。
失敗しないように頑張ります。「僕、頑張って描いたんで、ぜひ見てください」って感じです。見にきてくれたみなさんが何かを感じてくれたらいいと思います。できれば褒めていただけると嬉しいです。褒められて伸びるタイプなんで(笑)。
パーティーダンサーとして活動する一方、本名のShu Ashimine名義でイラストレーターとしても活躍している彼。そんな彼の初めての個展「Coten #1」が、12月25日(日)まで「GLOBAL GALLERY」(沖縄県沖縄市)で開催中だ。粒マスタード安次嶺の時とは違う一面が見られるまたとない機会。ぜひ足を運んでみてはいかがだろう。【東京ウォーカー】
●粒マスタード安次嶺:2002年から2009年までバンド「NEW TOWNER」のMCを担当。2008年からイラストレーターとして活動をスタートさせ、2010年からパーティーダンサー“粒マスタード安次嶺”として絶賛活動中。本名の「Shu Ashimine」名義でイラストレーターとしても活動している。
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