サラリーマンも必読!プロ野球スコアラーの仕事に見る“ビジネス定説”
東京ウォーカー(全国版)
プロ野球の“スコアラー”の目から阪神タイガースの野球を1冊の書籍にまとめた書籍「虎の007」(1500円)が2月3日に発売された。著者の三宅氏は岡山県出身で、阪神タイガースで25年の長きにわたりスコアラーを務めた人物。同書が初めての著書本となる。
岡山県立倉敷工業高校時代、1959年に春夏甲子園出場した三宅氏は、3度の甲子園出場で実力を示し、1960年に大阪タイガース(現阪神タイガース)にスカウトされて、プロ入り。だが、プロ4年目に試合中の事故で右ひざじん帯を断裂。翌年、現役引退となった。
その後、1980年に阪神のコーチに就任し、2年後にはスコアラーというポジションに就く。後年は各スコアラーをまとめるチーフも務め、退団後も星野仙一氏に乞われ、北京五輪に出場する「星野ジャパン」のスコアラーという大役も果たした。綿密な情報集積とその分析・解析力には定評があり、タイガースオリジナルのデータシステムの構築にも尽力する。
今年から監督に就任した和田豊に宛てた手紙から入る同書で、三宅氏はスコアラーとしての人生とともに、阪神の歴代監督が展開してきた野球の裏側を描いている。「プロ野球」や「阪神ファン」でなくては楽しめないかというと、決してそうではない。題材を野球にしながらも、人生や仕事の上で役立つヒントが満載なのだ。“3年周期で監督が交代する”ということでは、会社の上層部の方針がコロコロと変わることでの社員の戸惑いと重なるし、“スコアブックはインパクトのある言葉でシンプルに分かりやすく”という点は、ビジネスの上でのプレゼン資料に応用できる…といった具合。
それ以外にも、スコアラーという仕事が野球ファンでもなかなか見えてこないということもあり、三宅氏は仕事の細部にまで描くことにこだわった。スコアラーの座る席はバックネット裏7列目の通路側、試合中は席を立てないためナイターの時は昼過ぎから水分を摂らない、など野球ファンならずとも興味深い事例が並んでいる。水分を摂らないことが痛風の一因になったというマイナスの事例を自虐的に描くのも愛嬌だ。
章立ては第一章の「拝啓 和田豊様」にはじまり、「スコアラーという仕事」「プロ野球のデータ競争激化」「野球人生、波瀾万丈なり」「阪神を変えた3人の名将」「思い出のスコアシート」「日の丸スコアラーの北京五輪」の7つ。エンターテインメントの枠にとどまらず、ビジネス書としても活用できる良書だ。【東京ウォーカー】
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