番組30分すべてiPhoneで撮影! その仕上がりは?
東京ウォーカー(全国版)
KKB鹿児島放送で放送中の深夜番組「Kingspe~キンスペ~」では、4月20日(金)の放送で、通常のテレビ用のビデオカメラではなく、「iPhone」の動画機能を使って30分の番組ができるかの実験を試みる。
「Kingspe~キンスペ~」はことしの10月で放送15年を迎える長寿ローカル番組。地元の情報を扱う情報バラエティーではあるが、金曜日の深夜0:20というコアな放送枠を活かして、いわゆる鹿児島の“旬”のモノではなく、“早過ぎるトレンド”であったり、時期遅れのモノを違った角度で取り上げたりと、いい意味で“クセ”のあるのが特徴だ。「街角探検隊」「パチンコ対決」「秘湯探訪」など人気コーナーも多い。番組のメーンMCは福田大二朗アナウンサー、そして、リポーターとして中西可奈アナウンサーと梶尾みどりアナウンサーが出演している。
4月20日の放送では、最近オシャレな洋服店や飲食店が増えているという霧島市国分のオススメグルメやスポットを「iPhone」の動画撮影を駆使してリポートしていく。カフェと雑貨の店「バウハウスカフェ」をはじめ、ベトナム料理の店「ミスサイゴン」、カフェレストラン「blé café」、お好み焼き店「おじぎ家」、イタリアレストラン「ぃやっぱぃ音の符」という5店舗のロケ取材を2台のiPhoneで撮影。1台のiPhoneはレポート用、もう1台のiPhoneで、本当にiPhoneだけでロケをしているのかを証明するため、その様子を撮影するという徹底ぶりだ。
同番組ディレクターの原之園幸太郎さんは「スマートフォンがはやっていますが、皆さん、動画の機能をあまり使っていない、というのが企画の原点でした」と、きっかけを紹介。実際に企画を実行に移すことになり、アップル・ジャパンに交渉。その企画の面白さに乗ってもらえて、2台の貸し出し許可が下りた。「アップルのご担当者の方も『ここまで徹底した番組は初めてじゃないか』って言っていました」と、企画の独自性を評価された。
今回、正味20分弱の素材として、実際にiPhoneで撮影した総時間は約10時間。撮影開始早々、iPhoneの動画機能での弱点にブチ当たる。レポート番組では肝となる“ズーム”ができず、屋外撮影では“逆光補正”ができない、という点。そのため逆光機能は立ち位置を工夫して、ズーム機能は体を使って、何とかカバー。その“不便さ”を原之園さんは逆手に取り、「通常のテレビカメラとは違ってすべてが“オート”なので、素早い動きをすると若干遅れて正常値になったりするので、そこが逆に面白かった。仕上がりはフイルムっぽい感じで、ハンバーガーなどもそのせいでおいしそうに見えたり。そういう発見が面白かった」と、撮影を楽しんだそう。
また、通常テレビ取材は断っている店舗も、iPhoneでのロケという企画の面白さから取材許可が下りたり、大きなカメラではなく携帯電話なので店舗の方のリラックスした表情が撮れたのも、iPhone撮影ならではだったようだ。さらに、通常のテレビ用カメラでは料理を真上から撮ることは不可能に近いが、iPhoneだったため、楽々と真上から撮影ができた点も、ディレクターとして発見だったそう。
普段iPhoneを使っているということで、今回リポーターに抜てきされた梶尾アナは「構えることなく、友人同士で話しているような感覚でリポートができました。テレビよりも人の目線に近い感じですね。仕上がりを見たらホームビデオのようで、『これからはロケ撮影iPhoneでいいんじゃないの?』と、冗談を言うスタッフまでいました(笑)」と、そのクオリティーの高さに驚きの言葉を口にした。
その企画力と発想の斬新さ、そして、番組ディレクターの熱い言葉に番組の勢いを感じずにはいられない。ローカル番組は、まだまだ元気だ。【東京ウォーカー】
この記事の画像一覧(全11枚)
キーワード
テーマWalker
テーマ別特集をチェック
季節特集
季節を感じる人気のスポットやイベントを紹介
おでかけ特集
今注目のスポットや話題のアクティビティ情報をお届け
キャンプ場、グランピングからBBQ、アスレチックまで!非日常体験を存分に堪能できるアウトドアスポットを紹介