Cocco初主演映画『KOTOKO』の塚本晋也監督、沖縄での初上映に感激もひとしお
東京ウォーカー(全国版)
Cocco主演で早くも話題になっている『KOTOKO』の完成披露試写会が、4月18日、沖縄県那覇市の桜坂劇場で行われ、舞台あいさつに塚本晋也監督が登壇した。
『KOTOKO』は、東京の片隅で幼い息子を1人で育てる女性が、繊細がゆえに愛するということに迷い傷つき、予測できない毎日から息子を必死に守ろうとする姿を描いた作品。沖縄出身のシンガーソングライター・Coccoが映画初主演を務めた。
Coccoのデビュー当時からの大ファンという塚本監督は、彼女の生まれ故郷である沖縄での初上映に感激もひとしお。感想をたずねられると、少し緊張した面持ちで「感無量です。ここまで来るのにはロングストーリーがありました」と、Coccoとの“なれそめ”を語り始めた。
デビュー間もないCoccoに鮮烈な印象を受け、『バレット・バレエ』にCoccoをイメージした少女を登場させたのが1998年。2004年公開の『ヴィタール』で、さらにCoccoを意識したキャラクターを作り上げた脚本を送ると、Coccoからオリジナル曲の提供があり、それが主題歌の「blue bird」となった。当時を回想し、「それから何年も経ちましたが、ようやく主演映画を撮ることができ、やっとここまでたどり着きました」と感慨深げな表情を見せた塚本監督だったが、すぐさま「(長い道のりに)もう息も絶え絶えです!」と茶目っ気たっぷりに話し、会場の笑いを誘った。
その後、2人は昨年の東日本大震災救援企画の「Cocco Inspired movies」プロジェクトで再会。その際にCoccoから映画作りの提案があったといい、「このチャンスを逃す手はない!と一気に映画作りを進めました。テーマを決めずに、とにかくCoccoさんの世界をのぞき見る映画にしたいと思って、インタビューをたくさんしましたね」と、興奮気味に話して当時を振り返った。また、実際に1児の母でもあるCoccoについても、「映画を通して、母としてのCoccoさんの世界を見るという冒険が始まった。女優としても天才的。演技をしたことがなくても、演じるということを感覚でわかっている。歌も芝居も表現をするという面では同じ」と大絶賛していた。
舞台あいさつ後の質疑応答では、「気合が入りすぎて、鼻息だけが荒いです。ギャグも出ません」と、これまでの勢いがウソのような発言をしていた監督だったが、「Coccoのような才能豊かな人を主演に迎えての感想は?」との問いに、「とにかく一生懸命ついて行ったという感じ。才能がある人というのは人を熱中させるんだとあらためて思いました」と、しみじみ語った。
また、監督自身が演じた“田中”というキャラクターについても、「いつもは、僕の映画には必ず僕が出ると決めているんですが、今回はまったく決めていなかった。僕とCoccoさんでは不釣り合いだろうと。でもCoccoさんが『やれ』と言ってくれた。やるからにはそこに重大な意味があると思って演じました」と、Coccoに後押しされての出演だったことを明かした。
さらに、作品中で一番好きなシーンはと聞かれると、「Coccoが出てるので全部好きなんですが」と照れ笑いを浮かべながら、ラスト近くのダンスシーンをあげ、「このシーンを何年も何年も撮りたかった。撮らなければ一生を終れないというくらい。だからこのシーンを撮れた時は本当に嬉しかったです」と話す晴れ晴れとした表情が印象的だった。
最後にファンへのメッセージを求められ、「ツイッターでどんどんつぶやいてください」とニッコリ。続けて「沖縄生まれのCoccoさんが、こんな不安な世の中で試行錯誤しながら生きる女性を全身全霊で演じています。多くの方にその姿を見て頂きたい」と締めくくると、会場からは大きな拍手が送られた。【東京ウォーカー】
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