“夢みたいな映画”『海燕ホテル・ブルー』の若松孝二監督、沖縄で井浦新、大西信満と登壇
東京ウォーカー(全国版)
那覇市・桜坂劇場で、6月9日に『海燕ホテル・ブルー』の舞台あいさつが行われ、若松孝二監督と出演の井浦新、大西信満が登壇した。
『海燕ホテル・ブルー』は、直木賞作家の船戸与一氏の原作を映画化した作品。仲間の裏切りによって強盗に失敗し服役した男が、復讐を誓って7年後に出所。裏切り者を追ってたどりついたバーで出会った、1人の謎の美女によって男の運命が翻弄されていく。交錯する男と女の情念が、夢とも現実ともつかない独特のタッチで表現されており、『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』『キャタピラー』といった骨太な作品と比べると、若松監督作品としてはかなりの異色作となっている。
若松監督は開口一番、「今日は変な映画、夢みたいな映画を観て下さってありがとう」とあいさつ。「60年代に撮っていた頃を思い出して作った作品で、原作者の船ちゃん(船戸)が『何でも自由にやっちゃって』と言ってくれたから、いろいろとおもしろく、好きに遊んでみました」とコメントし、船戸との親交の深さをうかがわせた。若松監督の言う通り、今回の作品は謎の美女が突然老女に変わったり、バーの客が突如、原発問題をカメラ目線で訴えたりするなど、幻想的かつ独特な雰囲気の場面が多く見られる。
続いて、若松監督作品の常連の井浦が「夢を見ていたような不思議な感覚になっているかと思いますが、僕も完成した映画を初めて観た時は、そういう気持ちになりました」と笑顔でひとこと。観客からアドリブと思われるシーンについて質問され、「撮影中は、監督のアイディアがどんどん湧いてきて、台本があってないような状態で、ものすごく自由な現場でした。幸運なことに、今まで若松監督の作品で共演した役者達がそろっていたことで、瞬発力と濃厚な一体感が生まれました。アドリブもたくさんあったと思う」と話した。
この作品でクセのある警官役を演じた若松組には欠かせない俳優、大西信満は、「愚かな警官役を演じて好感度を下げてしまったのでは…」と自嘲ぎみにあいさつ。「不快に思った方も多いと思いますが、監督の演出に忠実に演じたまでです」と続けると、若松監督は「警官がアホに見えるのがいいよねぇ」と、大西の心配をよそに笑顔で話し、場内をどっと沸かせた。
最後に、翌日公開されたもう1つの作品『11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち』に話がおよぶと、作品に出演している沖縄出身の若手俳優、満島真之介が客席から突然現れ、ステージ上で「ハイサイ!(こんにちは)」と元気よくあいさつ。このサプライズに客席からは大きな歓声が起こった。
今年の秋以降に、最新作『千年の愉楽』の公開を控えている若松監督。「また桜坂劇場で上映できれば、その時には豪華俳優陣を引き連れて来沖したい」と意欲をのぞかせていた。【東京ウォーカー】
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