若松孝二監督、井浦新らに映画への情熱を沖縄で直撃インタビュー! (その1)
東京ウォーカー(全国版)
数々の名作と伝説を遺した文豪・三島由紀夫。1970年11月25日、防衛庁内で行った渾身の演説ののちに割腹自殺を遂げた。その姿に迫った映画『11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち』が6月10日に那覇市・桜坂劇場にて公開された。
映画のPRのために沖縄を訪れた若松孝二監督と三島役の井浦新、森田必勝(まさかつ)役の満島真之介、そして、倉持清役の大西信満の4人に映画への思いやこだわりを聞いた。
――映画『11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち』を製作するきっかけを教えてください。
若松「以前は『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』で、今回は“楯の会”(三島が設立した民兵組織)で描かれているような闘争を後世に残したいと思いました」
――以前から三島由紀夫の映画を撮ろうと思っていたのですか?
若松「いや、思わなかったよ。ただ、『実録・連合赤軍~』を製作している時に、私利私欲なく国のために闘う若者たちは右も左も同じだと感じた。現在の若者たちは女にモテたいとかバカなことばかり考えているから、“楯の会”のような主義主張をきちんとやった当時の若者たちの姿を伝えたいと思った」
――三島由紀夫役に井浦新さんを指名された理由は?
若松「誰がなんと言おうが、三島由紀夫を演じきれるのは井浦君しかいないと思ったから」
――監督に指名された井浦さんは、どのようなお気持ちでしたか?
井浦「監督に『三島はお前に任せたぞ』と言われ、嬉しさよりは正直驚きの方がありました。でも『お前しかいないから』という言葉で、自分の中で強い意志がちゃんと生まれました。僕の中にあった三島由紀夫像がすごく邪魔になったけど、監督の『新が考えるお前の三島由紀夫を見せてくれ』という言葉が、背中を強く押してくれた。それで、外見でどう見せるかではなく、三島さんの純粋さに心をのせて芝居をしました」
――監督から演技に対して何か“要求”はありましたか?
井浦「『実録・連合赤軍~』では、監督は役者全員に檄(げき)を飛ばしていましたが、今回の映画では、僕が監督に(演技を)投げて、監督はそれを受けてくれて。大きな演出ではなくて、必要なときにち密な演出をしていただきました」
――早撮りの上に、スパルタで有名な若松組と聞きますが?
若松「早いですよ、この映画も2週間程度で撮りました。スタッフも役者も没頭できるから早く撮れる」
井浦「スパルタと受け止めるのはその人次第。僕や大西君はスパルタとは思わない。でも集中力がないとついていけない。監督は役者の初期衝動を大切にされている。役者の心が一番のっているところで撮影をするので、常に集中しないとついていけない。ついていけない人からするとそう見えるかもしれないですね」
――若松監督作品によく出演されている大西さんはいかがですか?
大西「監督や若松組に対してイメージが先行していると思います。映画に限らず、会社などでもよく分からない慣習に無駄な時間がかかったりしますが、若松監督の映画は徹底的に“よい映画を撮る”という本質に特化しているから、早くて息をつく暇もない濃密な時間で撮影が進む。今回も体温の高い作品が出来上がったと思います」
※その2に続く
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