三線シンガー・ソングライター、伊禮俊一にインタビュー!「自分の歌が誰かの支えになれば」
東京ウォーカー(全国版)
人口1500人ほどの小さな島、沖縄県伊是名島で生まれ育った、シンガー・ソングライターの伊禮俊一。沖縄の古典楽器・三線とポップスを融合させた音楽で、2007年にシングル「夏鮮想歌」でデビュー。2010年に沖縄限定でリリースされたシングル「先生」は、恩師への感謝を綴った心温まる歌詞が話題となり、発売から1カ月で2000枚以上を売り上げる大ヒットとなった。
故郷への想いを三線に乗せて歌う伊禮が、音楽を始めたきっかけや5月に発売されたセカンドアルバム『風の彼方』についてたっぷりと語った。
――音楽を始めたきっかけは?
中学2年生の時、先輩に連れられて「伊是名尚円太鼓」の練習を見に行ったんです。その時に今の会長に太鼓を叩いてみないかと声を掛けてもらって。最初は照れくささもあって、気乗りしないような感じで練習に参加していたんです(笑)。でも、実際叩いてみるとすごく楽しかったですね。初めてステージに立って演奏した時、みんなにエネルギーを届けるというか、そのステージの感動が自分の中で快感になっていきました。
――初めて曲を作ったのはいつ頃ですか?
中学2年生の終わり頃、音楽の先生から卒業式の歌を作らないか、という提案があったんです。それがきっかけで曲を作り始めました。
――自分が作った曲をみんなが歌った時はどう感じましたか?
うれしかったですね。先生が曲をアレンジして、バンドの演奏に併せてみんなが歌ってくれて。自分で作った曲ですけど、学校のみんなで完成させたという感じですね。卒業生の思い出になった曲なので、すごく達成感がありました。
――三線を取り入れた楽曲を作り始めたのはいつ頃ですか?
今回のアルバムの最後に「愛する島」という曲が入っているんですけど、これは17歳の時に作った曲。当時、ネーネーズの「黄金の花」を聴いて、三線と洋楽器ってこんなに合うものなんだと感動しました。それから三線を取り入れた曲作りをしたのが今の活動の原点になっていると思います。三線の新しい可能性を追求するというか、そういうものを作っていけたらいいなと。
――デビューされてからご自身に変化はありましたか?
デビュー後、声を強化しようと思っていろいろ試したら急に声が出なくなってしまって。
――それはスランプだったということ?
もう本当に(歌を)辞めようかと思ったぐらい(笑)。ステージがあっても声が前に出なくて。その頃は1週間に1回程度ステージをこなしていたんですが、人前で歌うことが怖いけど歌わなきゃいけないという状況でした。声が出ない悔しさからお客さんの前で泣いてしまったこともありました。
――スランプはどう乗り越えたんですか?
当時はもっと大きな声で太く、安定した感じで(声を)出したいと思って練習していて。だけどそれが自分の体とは合わなかった。今考えてみると、お腹を使っての発声ができていなかったんだと思います。
――今回リリースされたアルバム『風の彼方』のコンセプトは?
今回のアルバムは、とにかく人のためになっていくような音楽になってくれたらいいなと思っています。悩みにぶつかった自分の経験も歌詞に反映されているので、同じ状況にいる人に勇気を与えられたらいいですね。
――島への想いが詰まった前回のアルバムに比べると、今回は恋心を歌っている曲が多いと感じたんですが。
うーん、なぜ多くなったのかなぁ(笑)。自分の心境の変化もあったと思いますけど…。自分の表現したいものが身近なものに変化していったんでしょうね。人って恋とか愛とかが心の中を大きく占めていると思うので、そういう感情は表現していきたいと自分の中にあったかと思います。
――8月2日(木)には東京でのワンマンライブなども控えていらっしゃいますが、意気込みをお願いします。
今回のライブは「島風のおくりもの」というタイトルを付けさせてもらいました。自分が生まれ育ってきた島の空気感を皆さんに伝えられるライブにしたいですね。
湧き上がる真っ直ぐな気持ちを表現した伊禮の曲は、生まれ島や人への感謝の気持ちが溢れ、軽快なリズムの中にもどこか懐かしい雰囲気が感じられる。彼が生み出す沖縄の温かな風を感じたい人は、ぜひライブ会場まで足を運んでほしい。【東京ウォーカー】
この記事の画像一覧(全5枚)
キーワード
テーマWalker
テーマ別特集をチェック
季節特集
季節を感じる人気のスポットやイベントを紹介
全国約900件の花火大会を掲載。2025年の開催日、中止・延期情報や人気ランキングなどをお届け!
ゴールデンウィーク期間中に開催する全国のイベントを大紹介!エリアや日付、カテゴリ別で探せる!
おでかけ特集
今注目のスポットや話題のアクティビティ情報をお届け
キャンプ場、グランピングからBBQ、アスレチックまで!非日常体験を存分に堪能できるアウトドアスポットを紹介