WEB連載【GEAR'S VOICE Vol.03】 ノンバーバルパフォーマンス「ギア-GEAR-」映像演出監督 吉光清隆インタビュー@三条パクチー
関西ウォーカー
京都で絶賛公演中のノンバーバルパフォーマンス「ギア-GEAR-」の連載コラム第3回目(毎週木曜日更新)。今回も制作スタッフの大名(だいみょう)が、「ギア」映像演出監督の吉光清隆さんにインタビューを慣行。
「今回はギアの劇場からほど近いタイ料理やさん『三条パクチー』さんに吉光さんと一にお邪魔をしております。吉光さんはギアの映像演出、特にプロジェクションマッピングという舞台セットなどの被写体の形状に合わせた映像投影手法を用いている映像作家さんです。今日はプロジェクションマッピングの魅力について伺ってみます」
大名:今日お邪魔しております『三条パクチー』さんを選ばれた理由は?
吉光:異国の雰囲気が気に入っています。もちろん料理もおいしいですし。なによりギアの劇場から近いですしね!
大名:プロジェクションマッピングを始められたきっかけは?
吉光:もともとは映画を作りたくて、芸大で映画の勉強をしていましたが、僕たちが学生の時代に映像分野のデジタル化が進んで、パソコン1台で作品が作れてしまうくらいになってました。それまではグループで映画のような作品を作るのが通例でしたが、技術の進歩と共に、個人で作品を作るスタイルが普及して、僕もいつしか、映画監督から、映像作家へと目標が変わりました。その後、映像製作会社で勤めていましたが、クライアントの反応しか見えない仕事が続き、もっとお客さまとの距離感の近い仕事がしたくなり、会社から独立しました。そのころからTVやインターネットなど、どこでも見る事ができてしまうメディアに対して疑問を持ち始めて、もっと直にお客さまの反応が見れるよう、ライブ感のある作品作りを目指して、特定の場所で特定のお客さましか見る事のできない、プロジェクションマッピングを用いた作品作りをするようになりました。
大名:プロジェクションマッピングの魅力と吉光さんの作品の作り方は?
吉光:作品を展示する場所でしか感じる事のできない、温度や匂いなど、五感を使って鑑賞をしてもらう。映像だけでは表現しきれない感覚を、場所や、そこで出逢った人々も含めて複合的に作品が造り上げられる。ものに寄り添うような形で作品をつくり、そこには場所や人や物と映像との対話があり、その対話の中から出てくる何かを広げてみたり、何かが出てくるのを待ってみたり。自己主張はせず、引き出すような作り方ですかねー? 自分のまだ知らぬ何かと出逢えることが楽しいです。映像投影によって、普段見せる事の無い新しい見え方を作り、対象を改めて見直すきっかけになったり、普段のその場所も更に魅力的に見えるようになればと思いながら制作しています。
大名:「ギア」以外でも今年の春に「東山花灯路」という京都のライトアップイベントでも、知恩院さんの三門をプロジェクションマッピングする現場でご一緒しましたが、日本的な建築物へ投影される場合は、どんな事へ配慮されてますか?
吉光:その建物自体が「和」そのものなので、映像表現では日本的な表現は避けて作ります。その上でも日本的なものが出てくるのが、場の力ですね。場所の力と一緒になって、良いものができたらいいなと思ってます。
大名:吉光さん自身がすごく「和」を感じさせるお人柄ですね。そんな吉光さんの映像演出が「ギア」の中にも随所にちりばめられていますが、今後のプロジェクションマッピングで試してみたいことは?
吉光:より3Dな表現を足していきたいです。今は舞台セットを平面的にとらえて映像演出していますが、それを3Dで表現する事で、セットの中のレンガが取れていくとか、やってみたいですね。「ギア」はロングラン公演という性質上、演出内容に変化を持たせなければいけないと考えてます。作品バージョンの変化と共に、いつ見ても目新しい作品でありたいです。お客さまが飽きないように、一旦作品として完成することがあっても、ずっと完成することはないと思います。進化して行く「ギア」を、どうぞお楽しみください。
※※次回は「ギア」ドール役の兵頭祐香さんにインタビュー予定です。どうぞお楽しみに!※※
【速報『ギア-GEAR-』 Ver.2.00 9月より上演予定!!】
12年4月から上演してきた『ギア-GEAR-』が遂に、9月より「Ver.2.00」にバージョンアップ! 「Ver.2.00」ではバトントワリングに変わり、新たにジャグリングが参戦! 9月公演の日程やチケット発売日など、詳細情報は順次公開予定。どうぞお楽しみに!
※バトントワリングが出演する「Ver.1.00」は一旦7月公演で休演。ぜひお見逃しなく!※
【展覧会情報】
吉光清隆さんが参加しているプロジェクト「ノオトオン」の展覧会が近日開催。プロジェクトに参加している豊田奈千甫さんは「ギア」の作曲担当、黒田武志さんは宣伝美術を担当。是非こちらの展覧会もチェック!
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