WEB連載【GEAR'S VOICE Vol.04】 ノンバーバルパフォーマンス「ギア-GEAR-」ドール役 兵頭祐香@OgawaCoffee The Cafe河原町三条店
関西ウォーカー
京都で絶賛公演中のノンバーバルパフォーマンス「ギア-GEAR-」の連載コラム第4回目(毎週木曜日更新)。今回も制作スタッフの大名(だいみょう)が、「ギア」ドール役の兵頭祐香さんにインタビューしました。
「7月15日、おかげさまでギア公演は通算200回公演を達成する事ができました。そんな節目の今回のインタビューは、ギアの初演から舞台に立っているドール役の兵頭さんに、祇園祭真っ最中の京都の街にてインタビューを行いました」
大名:今日は『Ogawa Coffee The Cafe 河原町三条店』さんにお邪魔しております。選ばれたきっかけは?
兵頭:このお店には凄腕のバリスタさんがいらっしゃって、美味しい珈琲を飲ませてくれるんです。ギア出演前に気合いを入れる時に、良くこのお店に来てます。
大名:女優「兵頭祐香」さんが誕生した経緯をお聞かせください。
兵頭:女優になったのは、高校生のときに河瀬直美監督の映画『沙羅双樹』に出演させてもらった事がきっかけで、それまではバレエの舞台に立つ事は有っても、女優としてお仕事をした事はありませんでした。そして、その初めて出演した映画で、カンヌ映画祭へ連れて行ってもらった事がとても自分には衝撃的でした。映画祭の時期のカンヌの街はキラキラと輝いていて、そんな中、私は数え切れないたくさんの観客の前でレッドカーペットを歩かせて頂いて、それはもう夢のような体験でした。3000人が待つ会場のスクリーンに中継される自分の姿を眺めながら「あぁ、もう一度ここを歩きたい」と思ったんです。その瞬間から私は「女優を続ける」と決めました。
大名:それ以前の兵頭さんは、どんな少女だったんですか?
兵頭:バレエの道を歩んでいました。まだ幼い頃に、家の近所で遊んでいて、ガラス張りのバレエ教室を見つけて、その世界に吸い込まれるように、ガラス窓の前に釘付けになってしまいました。何度も何度も両親にせがんで、やっとバレエを習わせてもらう事になったのですが、習いはじめるとそこは、考えていた以上にハードな世界でした。世間でのバレエのイメージは華やかな世界を連想されがちですが、実は実力重視の競争社会で、私自身もいろんなつらい経験をしました。それでも、自分でやりたいと決めた事だから、との思いで、高校に入ってからもずっとバレエを続けていました。小さな頃から、一つの事、自分の決めた事、やりたい事に打ち込むタイプだったんだと思います。
大名:なるほど、兵頭さんの力強さの理由が少し解ったように思います。映画のご出演以降はどのように歩んで来られたんでしょうか?
兵頭:ドラマやCMのお仕事をいくつかさせてもらいました。たくさんオーディションも受けましたが、なかなか受かることができず、女優業の厳しさを目の当たりにしました。そんな想いに直面したころに、オリジナルテンポというカンパニーのノンバーバルパフォーマンスショーを見て「これ、やりたい」って思いました。と同時に、「カンヌへもう一度いきたい」だけでなく「世界で活躍したい」という目標ができました。オリジナルテンポへ参加し、海外公演への出演実績を重ねつつ、ギアへも同じ想いで参加する事になりました。
大名:方針としてノンバーバルパフォーマンスを選ばれた理由は?
兵頭:ノンバーバル=世界を舞台に活躍できると思ったんです。理由と言うよりも、私の歩んできた過程そのものがノンバーバルパフォーマンスなのかもしれません。習っていたバレエにしろ、ピアノにしろ。そして、河瀬監督の映画にしても、台詞が主体のストーリー展開ではない作品作りをされるんです。河瀬監督は役者の生の反応をとても大切にします。カメラが回っている最中にもいろんな指示が飛んできて、私はおどおどしてしまう事もありました。でも監督は、そんなおどおどした私の反応をとても大切にしてくれるんです。つまり役者としてではなく、兵頭祐香自身でいる事が大事だったんです。ノンバーバルパフォーマンスでは更にライブ感が強調される、そのライブ感に魅せられているのかもしれません。そして世界を目指せる、特にギアの共演者には世界チャンピオンもいる訳ですから。
大名:世界チャンピオンのみなさんと共演されてのご感想は?
兵頭:皆さん「良い人だな」と感じました。もっと奢るようなところがあるかと思ってたんですが、やはり人としてできているからこそ、世界チャンピオンになれた人たちで、人として学ぶ部分がたくさんあります。バレエの世界でもそれは同じでした。プリマは技術がうまいだけでは務まりません。人として、共演者がプリマに想いを馳せることができなければ、良い作品にはならないんです。私自身、バレエの世界の中で、人として学ぶべき事をたくさん学んだように思います。そして、人として成長したいと思う目線でギアの共演者をみると、ホントに良い人たちがそろっています。
大名:最後にギア公演で目指している目標を教えてください。
兵頭:初演以降、常にお客様目線で内容を改善してきました。それは演出や所作、役者が息を合わせることであったりしますが、作品としての完成度を高める一方、演目として完全な完成をしてしまったら、このパフォーマンスは、ギアは止まってしまうと思うんです。そうではなくて、作品を通してお客様と気持ちを一緒にする事を狙って行きたいと考えてます。共演しているパフォーマーのみんなはパフォーマンスを極めることが重要な世界にいる人たちだと思うんです。ですので、ギアではドール役がお客様と気持ちを一緒にするための役目を果したい。ギアという演目の中で、私は他の共演者との生のライブ感のある反応をするように心がけています。その私の反応をきっかけとして、私が感じたことを、お客様に感じ取って頂きたい。ロングラン公演の中で、お客様は日々変化し、進化し続けると思います。『諸行無常』その変化に対応して私自身も変わり続けたいと思います。
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