【連載・前編】 「演劇集団キャラメルボックス」の舞台を観にサンシャイン劇場へ行って来た

東京ウォーカー

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サンシャインシティ文化会館4階にあるサンシャイン劇場(東京都豊島区)がことし30周年を迎え、8/6にリニューアルオープンした。大幅な改装は開業以来初。さっそく、演劇集団キャラメルボックスのこけら落とし公演「嵐になるまで待って」を観に、サンシャイン劇場へ行って来た! 作品の感想と、出演者インタビューの2回にわたってレポートする。

ことし2〜4月に行われた、改装前の最後の公演も同劇団が「きみがいた時間 ぼくのいく時間」を上演。キャラメルボックスの看板俳優・上川隆也が久しぶりに主演を務め大盛況だったらしい。「嵐になるまで待って」は特殊能力者に声を奪われた声優志願の少女ユーリ(渡邊安理)を中心に展開する、劇団唯一のサイコサスペンス作だ。

ネタばれしてしまうのでストーリーの詳細は割愛するが、作品の完成度はかなり高い。上演は4回目になるが、現在の時事ネタが織り込まれている点や、飽きさせない構成に改めて驚かされた。セットをほとんど変更することなく、観客の心を完全に握ったまま物語は進んでいく。開始直後から幕が閉じるまで、終始見入ってしまった。

特に引き付けられたのは手話のシーン(記者が昔手話を勉強していたからではない。実際、8割わからなかった…)。役者は声が使えない分身振りが大きく、表情は豊かになる。観客は、何かを伝えようと必死に全身を動かす役者に、目を凝らし想像力を全力で膨らませて、沈黙を埋めようとするのだ。そのシーンの脚本家は、いわば自分自身。セリフをその場その場で想像しながら物語を追うのはかなりスリリングだった。二人が怒鳴り合うように会話をしているのだが、強い雨と風の音が大きすぎて聞こえない。最大限に耳をすませて聞こうとしても、まったく聞こえない。そんなクライマックスシーンを観て、「嵐になるまで待って」と付けられたタイトルの意味が自分なりに少しわかったような気がした。

役者にも注目したい。西川浩幸など本家の役者が安定感を発揮しているのはもちろん、ゲスト出演している久松信美と土屋裕一も負けていない。重要な役どころということもあり、2人の個性的な演技といやらしいほどの存在感が印象的だった。

そして、今回特筆すべきは主演の渡邊安理だ。小説「あたしの嫌いな私の声」の作者・成井豊氏がみずから舞台化(脚本・演出)したのは93年。渡邊さんは中学生時代にこの作品を観て入団したという。成井氏に「ユーリを演じたい」と申し出て、ついに長年の夢を叶えた劇団の若手のホープだ。彼女に関しては、美辞麗句を並べても記者の真意を伝えられそうにないので、 “ユーリ以外の役は想像できなかった”と、あえて一言で表現したい。

今回は初主演舞台終了後で疲れているにもかかわらず、主演の渡邊と西川がインタビューに答えてくれたので、次回ご紹介しよう!【東京ウォーカー/荒木紳輔】

※インタビューを掲載する「Part2」は8/13(水)にアップします。

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