「米朝一門 夏祭り」開催記念! 米朝一門 期待の噺家3人インタビュー 連載3 桂 左ん吉

関西ウォーカー

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人間国宝・桂米朝師匠の米寿記念として、8/1(水)からサンケイホールブリーゼで開催される「米朝一門 夏祭り」。創刊18周年を迎える情報誌「関西ウォーカー」が、このおめでたいイベントに絡み、落語家さんと記念コラボ、6/27(水)に初の“落語UST”を配信した。(アーカイブはhttp://www.ustream.tv/recorded/23596937)

出演してくれたのは米朝一門期待の噺家三人衆、桂佐ん吉、桂吉の丞、桂二乗の面々。番組終了後も盛り上がったマジメ&おもしろトークを、「米朝一門 夏祭り」の出演順に3回に渡って1人ずつ紹介、3人の素顔に迫る!

第三回目は、8/9(木)13:00 「米朝とやなぎ句会と落語会」で「東の旅・七度狐」を口演する桂 佐ん吉。

桂 佐ん吉 1983年12/23、大阪市生まれ。2001年9月、故・桂 吉朝に入門。平成23年度文化庁芸術祭賞新人賞受賞。趣味は野球観戦、将棋。特技はけん玉(初段)、一輪車、百人一首。

※「東の旅」とは、「発声や滑舌、間とか基本を覚えるために、ボクらは最初に教えられます。拍子をとって見台を叩く、叩く時に息を吸う、とかね。東の旅では「七度狐」だけを一つの演目としてやることも多いです」。喜六と清ハが、大阪から伊勢へとにぎやかに旅をする珍道中を描く噺だ。『発端』『煮売屋』『七度狐』と続く物語を、「米朝一門夏祭り」では1日、2日、9日にトップバッターを務める吉の丞、二乗、佐ん吉が口演する。

Q:桂 吉朝さんのお弟子さんになった時は、高校生だったとか?

「そうです。“枝雀寄席”で落語を好きになって、中学3年生で初めて吉朝を知り、その笑いのセンスにワクワクして、この人の弟子になろうと決めました。高校在学中に名前をもらって、卒業後から弟子入りして。絶対にスターになるで、と思てましたね。今、28歳ですけど、落語家歴は11年です。一人立ちするまでは、米朝師匠のところに住まわせてもらい、ご飯も食べさせてもろてました。落語家ってね、けっこう大きな家族みたいなんですよ。違う門下でも、この世界に入ったら仲間みたいな。全員で、お前もっと頑張れよ、とか助けあったりするんですよ」

Q:ネタはいくつぐらい持っていますか? 覚えるのが大変では?

「ボクは多分、40ぐらいですね。でも、数じゃないです。いかに自分のものにするか、それが一番難しい。落語は物語なんで、何回か聞いてると、ある程度の筋は覚えます。一言一句じゃないですから。『よぉ覚えられますね』って、お客さんにも時々言われるんですけど、覚えるのはさほど大変じゃないです。どんな仕事でも覚えるのは同じで、そこから自分の味とか、覚えてからが大変なんですよ。どんだけ自分のものにして、おもしろいものにするかがね」

Q:吉の丞さんや二乗さんのように、外で歩きながらネタをくるとか?

「ボク、外でくるんは苦手ですね。やるにはやりますけど…。家もあんまりしてないけど(笑)。よほどやらなあかん時は家でやりますけど、外でやると気が散るんです。外で歩いてて、ぱしゃ~ぱしゃ~って風呂入ってる音とかしたら、どんなべっぴんが入ってんねやろうと思って、気が散る(笑)」

Q:ご自身で勉強会をたくさん開かれてますね。

「勉強会はいろいろやってます。ボク、会のことについて考えるのが好きなんです。例えば今度NU茶屋町の横の神社で行う『神社でちょっと佐ん吉の落語を聞く会』なんかは、値段設定を変えているんです。普通の落語会だと例えば安くて5席で1500円、高くて5000円ですが、これは1席ずつ切り売りしてみようと。3席だけなんですが、1席聞いたら500円、2席聞いたら900円、3席通して聞いたら1200円と。歌舞伎の幕間みたいに1席だけふらっと来て、いっぺん聞いてみよかなっていうお客さんいてはったりね。ボクは、落語会をテーマに分けて開催してるんですよ。

天満繁昌亭でやってる『まいべすと落語会』、この会は自分が一番この人のこの落語がおもしろいって思うものを、ゲスト2人にお願いしてボクが2席しゃべって完全なおもしろい内容の落語会を作りますというコンセプトで、繁昌亭で2000円でやってます。で、もうひとつは『佐ん吉大一番』。年1回独演会って自分からつけんのはおこがましいと思ったんでこのタイトルでやってます。自分の自身の3席を力試しというか、お客さんに見ていただく。だから勉強会は年間計画でやってます。

ボクら、落語会がなくて、落語に飢えてたというか、しゃべりたい!っていう時期があったんですよ。だからある意味良かった。今、仕事あるわって気楽にしてたら、アリとキリギリスで死んでしまいますからね。歌舞伎とかも行きますよ。落語ネタで歌舞伎になってるのもありますし。音楽聴きに行っても何でも勉強になる。落語する上で、やっぱり経験が大事やし、何見てもネタになります。吉朝は若手のころからうまくて落研のスターやったらしいんですけど、どうしたらそうなれるんかなとずっと思ってます。ボク、10年後はもう20何年になるんやから、考えたらえらい大御所ですよね。年期だけで言うたらやけど。どうなってるか心配。怠けてられないです、必死でやらんと。昔は10年目やと中堅やったんですけど、今、ピラミッドで上がどんどんあがっていってるんで、まだ10年目でも若手ですけどね」

Q:小さな場所と大きなホール、どちらの空間が好きですか?

「絶対小さい方がいい。肉声で届く範囲の方が。やり方が違うんです、ホールと小さい小屋では。ただ、ホールでやったら、ええ時は笑いがどん!って来ますから。その圧が気持ちいい。サンケイホールは特別ですよ。甲子園に出る、みたいな感じです。前のサンケイホールではボクはしゃべったことないですけどね。でも、お客さんには、小さいとこでも大きいとこでも、どっちかでおもしろくなかったから言うて、あきらめて欲しくないですね。何回かチャンスほしいです」

Q:関西で好きなスポットは?

「谷町六丁目の「アララギ」。カレー屋さんなんですけど、お酒もありの。そこで3カ月にいっぺんくらい、落語会やってるんです。ちょっとスパイシーな感じで。家庭料理とインドの間、みたいな感じ。ほんで芸術志向が強くて、そこで版画とかの個展をやったり。映画の上映会とか、けっこうな頻度でいろんなイベントされてますよ」

高校時代から落語一筋、多彩な勉強会を企画しながら日々精進している桂 佐ん吉。連載4回目(8/1水配信)は、「米朝一門夏祭り」の開催初日。各公演の見どころを紹介するので、お楽しみに!

【取材・文】ドルフィン・コミュニケーション(はーこ)

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