10/10（水）～12/6（木）マティスの最高傑作が約30年ぶりに京都に！83作家の全89点が展示！「大エルミタージュ美術館展」が京都に！

東京・名古屋と巡回してきて、遂に京都へやって来た「大エルミタージュ美術館展」。この展覧会は、所蔵作品が300万点を越える世界有数の「エルミタージュ美術館」から、西欧のすばらしい画家たちの名画全89点が勢ぞろいする、まさにサブタイトルにもなっている〝世紀の顔・西欧絵画の400年〟の歴史をたどる絵画の旅ともいうべきものなのです。てなわけで、昨年、この展覧会のためにロシア・サンクトペテルブルグのエルミタージュ美術館に行って現地取材までしてきた編集部・金山が、10/10から京都市美術館ではじまるこの展覧会を、一足お先にレポートをお届けします！

まず、この展覧会の大きな特徴は、5世紀にわたる西欧絵画を歴史ごとに見られるというところ。ひとつひとつの絵画の素晴らしさはもちろん、16世紀から20世紀初頭にかけて、400年に渡る絵画の移り変わりも共に楽しめるのはかなり面白い！16世紀ルネサンスの時代の絵画は、艶やかなヴェネチア派の豊かな世界が広がり、17世紀ではダイナミックな表現が増え、16世紀の宗教画から「虹のある風景」ペーテル・パウル・ルーベンスのような親しみやすいジャンルの風景が増えてます。ロココと新古典派の18世紀では、市民社会が形成され始めた革命の時代を表す大きな転換期を迎えた欧州の世相を映した絵画が数多く見られ、19世紀には近代絵画における基盤ができ、20世紀初頭ではマティスとピカソ、2人の巨匠を中心に、前衛芸術の衝撃を感じられる。この流れをこれだけの名画を見ながら感じられるなんて、ほんとに贅沢な展覧会！自画自賛（？）してしまいます。

そして、今回の目玉は、20世紀初頭の作で、約30年ぶりに京都にやって来たマティスの最高傑作「赤い部屋（赤のハーモニー）」。絵が描かれた当初は、〝青のハーモニー〟として青色や緑色が主体だったのを、上から赤い絵の具で塗りつぶして〝赤のハーモニー〟とした作品です。実際に、絵の前に立つと分かっていただけると思いますが、圧倒的奈色鮮やかな色彩が目の前に広がり、まさにハーモニーのように心がるんるんとなります。絵の表現が下手で申し訳ない…。何はなくともぜひ、皆様も絵の前に立ってみてください！そして、下手な表現の私をぎゃふんと言わせてください。笑

目玉の次は、独断と偏見による私の好きな作品をいくつかご紹介。18世紀から、ジョシュア・レノルズの「ウェヌスの帯を解くピクド」です。18世紀のイギリスを代表する肖像画家・レノルズの作品なのですが、モデルをウェヌス（ヴィーナス）に置き換えた、当時流行の「見立て絵」で、クピドに帯を解かせる色っぽい作品になっています。このウェヌスの色気は、一度見たら忘れられないはず！肌の質感も本当にキレイで、絵画にこんな色気出されたら人間の私達はどうするの！ってな作品になんです。それでも、何回でも見てしまう。それがウェヌスの魔性さなのかもしれませぬ…。

次のおすすめは、ウジェーヌ・ドラクロワの「馬に鞍をおくアラブ人」。1832年にモロッコに旅行して以来、異国情緒溢れる作品を残しているドラクロワなのですが、このオリエンタルな主題と、艶やかな色彩が記憶に残る作品です。今にも馬のいななきが聞こえてきそうな素晴らしい作品なので、こちらもぜひ見て欲しい！

と、こんな風に紹介していくとキリがないほど、絶対見て欲しい作品ばかりなので、ここで展覧会の楽しみ、おみやタイム！！女子にはたまらない〝おみや〟が、ロシアのエルミタージュ美術館からということで、ロシアの国民的キャラクターチェブラーシカの超可愛いグッズ。画家に扮したチェブラーシカのチャーム（600円）や、ポストカードセット（4枚入り・600円）など、これは買いでしょ！なグッズが盛りだくさんです。絵画のポストカードなどもあるので、そちらも要チェック！ちなみに本展覧会の「大エルミタージュ展覧会」のテーマソング杏ちゃんが歌う「愛をあなたに」も販売中なので、こちらもぜひ♪

さて、長々と語ったレポートですが、もう百聞に一見にしかずとは、まさにこの展覧会にある言葉。これだけの名画が集まる、この機会を見逃さず、京都市美術館に足を運んでみてくださいね!!

【取材・文＝関西ウォーカー編集部金山友香】