【関西街なか秘境ファイル:第1回】知られざる地下神殿に潜入!大阪寝屋川流域・地下治水施設の役割と魅力
関西ウォーカー
工場萌え、廃墟、珍スポット大好きな関西ウォーカー編集部の座親が、関西の知られざるオモシロスポットを紹介する。第1回は、大阪寝屋川流域にある地下神殿に特別に入場できる機会があったので潜入レポートをお届け!
大阪市東部を含む12市にまたがる「寝屋川流域」は、その大部分が低平地であり、地盤が低く、水が流れにくい。また、急激に都市化がすすんだことにより保水機能は低下し、厳しい治水環境にある。こうした環境のなか、水害から街を守り安全で快適なまちづくりを行うため、地下空間を利用したさまざまな治水対策が取り組まれていることをご存知だろうか。今回特別に、地下の治水施設に特別に入らせてもらうことができた。知られざる大阪地下空間の役割に、カメラマン小林哲朗氏による写真で、そのビジュアルの魅力とともに触れてみたい。
密集市街地では河川の幅を広げたり新たに河川を開削することは難しいので、道路等の公共施設の地下空間を有効利用し、新たな放流施設である地下河川や一時的に洪水を貯留する調節池が建設されている。今回入らせてもらった守口市の「西郷通調節池」(建設中)も、そうした地下治水施設のひとつ。旧守口高校の跡地につくられている貯蓄容量約4万㎥の流域調節池だ。日常の風景が広がる住宅街にある現場の入口から降り立った地下空間には、延々とコンクリートの骨組みが広がり、さながら地下神殿のよう。調節池のすぐ近くには、国道の地下にある「守口市下水幹線」からこの調節池へと雨水を取り込むトンネル状の取水施設の掘進現場があり、直径約1.4mのシールドの中で作業員の方たちがトロッコで資材を運搬し、工事をすすめている。2013年中には約520m先の下水幹線へ到達し工事が完成する予定で、地下調節池は2015年度からの共用を目標に進められている。
続いて見学させてもらったのは、大阪市城東区の「平野川分水路排水機場」。こちらは地下空間ではないが、洪水時に平野川分水路と第二寝屋川の合流点に設置した水門を閉ざして平野川分水路の水位が上がるのを遮断するとともに、巨大な3つのポンプを発動させ、洪水を強制的に排水し水位を低下させるというスゴい設備だ。
最後に入らせてもらったのは、寝屋川北部地下河川を建設中の「北島立坑」。寝屋川北部地下河川は、寝屋川市から大阪市都島区に至る道路の下に建設される巨大な地下空間で、すでに完成している区間では大雨の時の雨水を一時的に貯留して浸水被害を軽減している。こちらの現場ではなんとシールドマシン(掘削機)を目の当たりに。地下深くを掘り進む、メカモグラのような巨大シールドマシンは、文句なしにかっこいい。
地下治水施設の中に身を置くと、その巨大さに飲み込まれそうになる。普段目にすることはないが、最近多いゲリラ豪雨の際など水害の被害からわたしたちを守ってくれている地下治水施設。機会があれば見学会などに参加し、その役割を知るとともに圧倒的な巨大さを体感してみては。
【取材・文=関西ウォーカー 座親万梨枝 写真=小林哲朗 協力=大阪府寝屋川水系改修工営所】
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