酒女倶楽部の日本酒レポート16本目 〜「蒼空」(京都府・藤岡酒造)〜

関西ウォーカー

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あけましておめでとうございます。今年もよろしくおねがいしま酒!

さて、本年1本目のお酒、ご紹介しますね。これです。「蒼空」(藤岡酒造 http://www.sookuu.net/index.html)。なぜ新年一発目にこのお酒なのか。わたしは、このお酒を「希望の酒」だと思っているからです。銘柄を見てくださいませ。蒼空=あおい空。「すっきりと澄みわたった青空のように、飲んだ人がやさしくなれるような、そんなお酒をつくりたい」。その思いがたっぷり詰まった1本が、蒼空なのです。

この蔵を知ったのは、酒女倶楽部で親しくしている、とある酒女から教えてもらったのがそもそもです。「物語のある蔵があるよ」。その言葉にひかれ、蔵の門を初めてくぐったのは、一昨年のことでした。古い蔵に、新しい醸造設備。きき酒できるカウンターバーもあり、とにかくおされ〜。ひと目で気に入りました。でも、わたしが心からステキだと思ったのは、蔵の外観やバーではないんです。蔵の五代目社長の「こころざし」です。実は藤岡酒造さん、一度、廃業の危機に直面したことがあります。もう蔵を閉じるよ、というとき、社長の亡きおじいさんが作ったお酒がまだ残っていて、それを五代目が飲んだそうです。そのときの鮮烈で衝撃的なおいしさが、五代目の心を動かしました。「このお酒をつくりたい」。そこから蔵を再興し、蒼空という銘柄を立ち上げ、いまにいたるというわけです。

昨年、蔵をたずねたとき、社長に「おじいさんの味に近づけましたか?」と聞いたことがあります。すると社長は「まだまだです。先は長いですよ」と笑っておっしゃいました。まだまだ、ですって!いまの蒼空だって、立派に十分美味い!わたしの中では、5本の指に入るほどのお酒です。なのに、おじいさんがつくったあの最後の一杯は、もっともっとおいしかったなんて! わたし、そのとき決めたんです。社長がおじいさんの味に到達できるまで、ずっとずっと蒼空を飲み続けよう。ええ、どこまでも付き合いますとも!そんなわけで、お正月のお酒は蒼空、と決めているのです。このお酒は、本当に「青空のようなお酒」としかいえないくらい、爽快な味がするんです。でも決して軽くはない。旨みも香りもしっかりしています。それが、どこまでも洗練されている、という表現が合ってるかな。飲むと、本当に幸せになれます。

今年もみなさんとともに、おいしいお酒をたくさん楽しめますように。そんな幸せを願いながら、今夜も杯を傾けたいと思います。みなさん、本年もよろしくお付き合いのほどおねがいしま酒。かんぱい!

甘さ度★★★★☆ 辛さ度★☆☆☆☆ 女性度★★★★☆ 男性度★★☆☆☆

◆合う料理:卵焼き、チーズ、京都のお漬け物◆このお酒を芸能人に例えると…朝からさわやかさを届けてくれる、宮古島の空のような女優さん、ということで「夏菜」さん!

※甘さ辛さ度、女性男性度、合う料理は、すべて高野の独断と偏見です。

【文・写真=酒女倶楽部・高野朋美】

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