注目の劇作家・桑原裕子が最新作誕生秘話を語る!
東京ウォーカー
劇団KAKUTAの本公演「秘を以て成立とす」が約1年半ぶりに上演中。ミュージカル「ピーターパン」の演出・潤色や映画・テレビ・ラジオなどでも活動の幅を広げている桑原裕子の最新長編作だ。本作品について見どころを桑原に語ってもらった。
「今回はタイトルにあるとおり、“秘密”がテーマです。日常的な舞台の中に、登場人物たちに隠された秘密の布石が序盤からたくさんちりばめられています。その秘密を知った時、これまでの布石が繋がり、ある種のカタルシスを感じていただけるのではないかと思います。ですが一番のテーマは秘密そのものじゃありません。『秘を以て一体何を成立させてるのか?』というところが、今作品一番の見どころですね」。
秘密や謎をにおわせるストーリーだが、作品を書くきっかけは意外なものだった。「直接的なトピックは一切出てきませんが、2年前の震災の影響を受けて考えた話です。あの震災から二年たった今、まだ日本全国では再生に向け地道な復興が進んでいる最中です。が、『元通りになる』というのはとても時間のかかることだなあ、ということが、私たちも実感としてわかってきました。まだまだ解決していない問題も多く、安易に『前向きに頑張ろう!』なんて言えない、現実的な重みを感じています。でも、『だからとて後ろ向きでいつづけるわけにもいかない』というのも事実で、私たちはその現実の重みを背負いながらも、頑張れと呼びかけあって歩き続けなければなりません。そんな今のことを震災とは別の、もっとミニマムな家族という社会の中で描くことができたらと思いました」という。
毎回、演技派ゲストを集めることでも話題のKAKUTA。今回の客演陣についても聞いてみた。「客演陣は前からいつか出ていただきたい、と思う方々を贅沢にお迎えしました。吉見一豊さんは演劇集団円、藤本喜久子さんは元無名塾という新劇出身の演技派のお二人。東京タンバリンの瓜生一成さんは小劇場界の人気俳優であり、清水宏さんは、もはやどこにもジャンル分けできないような国内外で活躍する俳優・パフォーマーです。全員素晴らしい俳優陣ながら、個性も出自もバラバラですから、これはまるで異種格闘技戦のようだと、生かし切るのが難しいんじゃないかと、お迎えするのには覚悟が入りました」とかなり思い切った様子。が、そこは桑原マジックの見せ所。「いっそ、そのでこぼこなミックスを楽しみ、KAKUTAの劇団員たちも含め、がっぷり絡み合うような舞台を作れればと思いました」。
KAKUTAらしさを残しつつも、いつもよりさらにブラッシュアップした最新作は10日(日)まで。【東京ウォーカー】
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