宮沢和史インタビュー1 日本や沖縄に対する思いを語る
東京ウォーカー(全国版)
5月27日~6月2日にかけて、宮沢和史がプロデュースする沖縄市・与儀にある「みやんちSTUDIO&COFFEE」にて、ブラジル料理を楽しむ食のイベントが開催された。期間中の3日間は宮沢さんが登場し、トーク&ライブを披露した。本イベントのため来沖中の宮沢和史さんを直撃し、音楽や沖縄への思い、自身の活動について語ってもらった。
――今回のイベント開催の理由を教えてください。
宮沢:普段この店のメニューは「からそば」と、僕が旅して出会ったアマゾンの果物やブラジルのコーヒーなどを出していて、沖縄の食材を使った物と僕が旅で出会った物の融合みたいなことをしているのですが、3か月に1回くらいは特別なことをやろうと思いました。夜の営業も一度やってみてお酒も楽しんでもらおう、それと僕が愛してやまないブラジルの料理を、ブラジル人が食べても納得するくらいのクオリティーで、沖縄の方たちに食べていただきたいと思いました。そして僕の弾き語りも聞いてもらおうということで始めました。
――今回のテーマに選んだブラジルの魅力とは?
宮沢:歌がたくさんあり、いつも音楽が鳴り響いていて沖縄によく似ています。例えば沖縄の那覇の町なかで三線を弾いていても誰もうるさいとは言わないですよね。ブラジルも同じで、大きな音でサンバが流れていても誰もうるさいとは言わないし、それが当たり前の空気がある。町と音楽が一つになっている、共存している感じが魅力だと思います。
――今回のようなカフェのイベントのほかにも、最近では三線の棹に使われる黒木(くるち)を育てる「くるちの杜100年プロジェクト」の立ち上げや、新聞の連載記事を書かれたりと、音楽以外でも精力的な活動をされていますね。
宮沢:どの活動もみんな音楽なんですよ。くるちの杜プロジェクトに関しては、もし「島唄」を発表したことにより、三線がかっこいいと思っていただき広まるきっかけになっているのだとしたら、材料も僕らが減らしてしまっているという言い方もできる。それなら増やそうということで始めたんです。100年後も、いい民謡がこの島に鳴り響くためにくるちがなきゃいけないと思って始めた活動なんです。この店も、いろんな人が交流して何か新しいものが生まれればいいなという思いでやっています。やっている事はすべてが音楽なんです。
――震災後は、歌うことにためらいがあったと伺いましたが、また歌おうと思われたきっかけはあったのでしょうか?
宮沢:ほんとに「もう歌なんていいや」と思っちゃたんです。歌を聞いたってお腹がいっぱいになるわけじゃないし、寒いのに震えが止まるわけじゃない。ましてや失った家族が帰ってくるわけじゃない、そんな風に思ってしまった時期でした。そんな中、沖縄国際映画祭に呼んでいただき、ライブをやってほしいと依頼を受けました。最初はお断りしたんです。でも1、2曲でいいのでと言われ、それではということで引き受けて、「島唄」を歌ったんです。あの当時は、震災直後でしたから、沖縄の方たちもとっても東日本の事を思っていました。沖縄は、県民の4人に1人が死んだ沖縄戦というものを体験し、大きい悲しみを知っている島ですから、きっと人の痛みが分かる島なんだな―と思いながら「島唄」を合唱していたら、人間って歌うと自分の冷めた体も火照ってきて熱くなってくるんですよね。やっぱり歌ってすごいなーって思ったんです。歌はお腹いっぱいにはならないけれど、でも人を熱くさせたりすることはできるんだと思いました。それで気持ちが切り替えられたんです。呼ばれたらどこでだって歌おうという気持ちになりました。何度か東北へも行きましたよ。
震災以降、「沖縄のことはもちろんですが、自分の生まれた日本にもっと目を向け学びたい。足元を見つめなおしたい」と語る宮沢さんからは、日本を愛する心が感じられた。インタビュー2では、6月19日に発売されるニューアルバムについて語ってもらった。【東京ウォーカー】
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