【その2】「ダンスでこの地球を知りたい!」 EXILE USAによるダンスプロジェクトが初の映画化! プロジェクトへの思いや今後の活動を聞いた!

関西ウォーカー

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※【その1】の続き

_今回は第2弾である絵本『ダンスアース2』も発売されますが、絵本という『静』のもので、ダンスや音楽という『動』のものを表現するのは難しそうですね。

USA:難しかったですね。でも、僕はどうしても絵本にしたかったんです。『映像』ってありふれているじゃないですか。『じゃあDVDでいいじゃん』ってけっこうツッコまれたんですけど(笑)。僕は、子供の意外性とか発想とか想像力を狭めたくなくて。それらを無限大にしておいたまま、なにかヒントを与えてあげたかったんですよね。『ピョンピョン』とか『ジャンプジャンプ』とか『ニョロニョロ』とか、そういう効果音を大人が読み聴かせることと、あとはちょっとした画で。それ以外はみんなそれぞれの自由だよっていう。想像力で好きに楽しんでほしいなと思って。

_視覚的にBEATを与えるということですね。

USA:そうですね。子供って本当に想像力の塊なんですよね。すごく柔軟で自由で。僕が出来ない動きとかでもあっさりやっちゃったりとか(笑)。ダンスの映像ってすごく溢れていますけど、与えられたものだけじゃなく、それらを受けたうえでもっと自由になって欲しいなって。自分の中だけにある発想や想像力を無くしてほしくないなと思います。

_現在では日本の小学校でも科目認定されるなど、子供たちはダンスに対して非常にフラットな意識ですよね。

USA:ねえ、本当にいい時代がきましたね(笑)。

_USAさんの活動を見ていると、まさに『体現』というのはこういうことなんだなと知りました。これまでの旅で、ご自身に著しく影響を与えた場所はどこですか?

USA:すべての土地でいろんな影響を受けたんですけど、やっぱりインドは強烈でしたね。一番イメージと違っていたっていうか。インドの最下層であるエリアにフリースクールを設立したので、ダンスを教えにいこうということで向かったんですが、実際に現地に行くまで『インドの最下層で暮らしている子供たち=不幸』という、勝手なイメージが自分の中にあったんですよね。『貧困で悲しい人たちをダンスで元気になってもらおう』なんていう…本当に思い込みの位置づけが頭の中にあって。今になって思うと、自分で『何言ってんのお前』って思うような。現地に行ったら完全にそんなイメージが払拭されたんですよ。当然、生きている環境は決して裕福とは言えない状況なんですよ。でも、すごくエネルギーに溢れていて、目とか本当にギラギラしていて。『どういう人生であれ、自分の一生を全力で生きてやる』という力がみなぎっているんです。僕が踊りを教えても、いつまでたってもバラバラなので『じゃあ自由に踊ってみて』て音楽を流してたら、陽が暮れるまで踊っていたり(笑)。そのパワーに圧倒されたというか、とにかく衝撃的でしたね。

_環境が自分を強くする、という。

USA:ほんとにそう。インドではバラナシという街を選んだんですけど、ヒンドゥー教の人たちはここで死んで灰になり、ガンジス川に流されるのが最も幸せな最期と考えられているんです。そのガンジス川のほとりでは四六時中、死体が火葬されているんですが…まるでキャンプファイヤーみたいに。自分のすぐ目の前で死体が燃やされているのを目の当たりにして、その光景が自分の魂にすごく訴えかけてきて。『自分もいつかああなる』『自分の家族や大事な人たちもいずれはああなる』っていう、生きていくうえで抗えようのないリアルを突きつけられたっていうか。それを受けて『今を強く生きるしかない』っていう気持ちになれましたね。僕が感じたこの気持ちっていうのは、バララシに生きている人たちにとっては当たり前のように抱えているものなんでしょうね。なぜ彼らがあんなにもエネルギーに満ちているのか、それで納得できた。

_確かに、現在の自分が生きている環境の中では、そのような死生観はあまり現実感がないですよね。

USA:そうなんですよね。みんな老後の生活の事は考えるじゃないですか(笑)。でも『どう死ぬか』ですとか『死』そのものに関してはあまりみんな見ないようにしているようなところはありますよね。特に日本ではそういうリアルが感じにくくなってるから、自分も含めて命の重さや大切さっていうのがどこかで希薄になっていたんじゃないかって気もしますね。

_これは『ダンスの旅』というより、ダンスというきっかけを持って、人生そのものを知るために『ダンスがUSAさんを動かした』んだなという気がしてきました。

USA:ほんとにそうですよね。10代の頃とかは本当に勉強が大っ嫌いだったんですけどね。今になって思うと『先生ごめんなさい』って思っちゃうくらい(笑)。でも今は知りたいことだらけで、世界史も日本史も、地理も科学も…。脳内ドーパミンが出まくってます(笑)。

でも今は『ダンス学校』っていうか、この旅を通していろいろな事が勉強できているので。僕が経験したことすべてが、自分の血となり骨となっているって実感がありますね。

_なるほど。今後の活動指針は見えていますか?

USA:まだまだ行きたい場所が世界中にたくさんあるんですけど、今年は日本の踊りやお祭りを巡ろうかなと考えています。実は、世界で一番踊りの種類が多いのって日本なんですよ。日本には八百万(やおろず)の神がいて、すべての物にはすべて神が宿っているという素晴らしい教えがあるんですけど、その神々のための踊りがあるんです。それって、日本人である僕たちもあまり知らないことですし、ましてや他の国の人はもっと知らないじゃないですか。なので、“日本は踊る国です!”ってことを、今度は日本から世界に発信していきたいって思ってます。

【取材・文=三好千夏】

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