酒女倶楽部の日本酒レポート24本目 〜「七本槍(滋賀県)」〜
関西ウォーカー
梅雨ですね〜。雨ですね〜。「雨、きらい…」という方、いらっしゃると思いますが、わたし、雨、けっこう好きです。だって、雨が降らないとお米ができないし、お水もたまらないし、つまり、日本酒ができないし。洗濯物が乾かないのはちょっとストレスですが、そんなときは、日本酒をかたむけながら「雨前ふれふれ〜♪」と飲めや歌えやしています。酔い子、今日も元気です!
そんな「梅雨も上機嫌な酔い子=わたし」が、自身を持ってご紹介するのが、これ。「七本槍」。冨田酒造 http://www.7yari.co.jpという蔵元が作っている、酒女たちも大好きな日本酒です。この蔵元、歴史がすごい!なんと創業460年。江戸時代よりもっと前、戦国時代ごろから日本酒をつくっているということになります。そんな蔵が醸す日本酒、おいしくないわけがございません。七本槍は、どちらかといえばしっかりした「コク系」の日本酒。端麗辛口ではありません。そして今回わたしが飲んだ純米吟醸は、じんわり広がるコクが去ったあとは、雪のようにあと味が消えていく。なんといさぎよいお酒なのでしょう!「立つ鳥、跡を濁さず」的な、粋なお酒なのです。これってつまり、次に食べる料理や飲み物の味を妨げないってこと。お口においしさを提供したあとは、「ささ、次の方」と席を譲ってくれるわけです。ああ…なんてきっぱりしているのでしょう。抱きつきたくなります。使っているお米は、玉栄という滋賀のお米。やわらかな味わいが出るお米なのだそうです。この蔵元さんのステキなところは、自然をとっても大切にしながら酒造りしていらっしゃるところ。無農薬米で作ったお酒も飲んだことがありますが、なんでしょうね、あのやさしい味わい。無農薬とそうでない米では、そんなに味が違うものなの?と最初は思っていたんですが、違いますね。蔵元さんも「無農薬米のほうが作りやすい」とおっしゃっていました。
ところで、私、この日本酒を、ぜひとも「歴女」のみなさまにおすすめしたい!なぜなら、銘柄名にもなっている「七本槍」は、かつて秀吉の天下統一のために戦った「賤ヶ岳の七本槍」と呼ばれる7人の武将から来ているんです。あの有名な加藤清正もその一人。彼らを思いながら飲む一杯は、どんなにかすばらしいでしょうね。歴史の物語を想像しながらだと、お酒の楽しみ方がぐんと広がるのです。歴女の方々とも、ぜひ一献かたむけたいわ♪
甘さ度★★☆☆☆ 辛さ度★★★☆☆ 女性度★★☆☆☆ 男性度★★★☆☆ ◆合う料理:焼き魚、おつまみこんぶ、けんちん汁 ◆このお酒を芸能人に例えると…きれいなだけのタレントさかな〜と思いきや、奥深さと思慮深さを持ち、さっそうとした余韻さえ残してくれる「押切もえ」さん! ※甘さ辛さ度、女性男性度、合う料理は、すべて高野の独断と偏見です。
【文・写真=酒女倶楽部・高野朋美】
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