【その2】7/10(水)発売のニューアルバム「BREAK MY SILENCE」で力強く本音を歌う高橋優に迫る!
関西ウォーカー
※【その1】の続き
_「CANDY」はご自身のいじめ体験が元になっているんですか?
高橋「はい。前までは恥ずかしくて嫌だったけど。今は後ろめたさもなければ引け目もない。書いていた時はフラットな気持ちでしたね。とはいえ、暴露ソングみたいになったらよくないと思ったので、このアルバムの中で一番きれいなメロディーラインにしたかったんですよ。楽曲として成立させるっていうことがまずあって。後はストーリー風にしたくて。何かしら思ってほしいなと。「なるほど、したたかに生きていこう」とか。「無難にいじめは良くないな」っていうのでもいいですけど。ぼく個人的には、これは“したたかさ”っていうのがテーマになってるんです。“強さ”ではなく、したたかさ。辛い体験をバネに、あれはどういうことだったんだろう?って考える人の方が強くなれるし、優しく
なれると思うんです。そうであってほしい。やりかえすとか、自ら命を絶つとか、そういうドロップアウトの道を探してしまうのは、僕は“したたかさ”ではないと思うんですよ。それは現状打破には何もなってない。その経験を踏まえた上で、じゃあ自分はどう生きていこうって、次のステップを踏める方がいじめてるやつや裏切ったやつよりよっぽどしたたかだと思うんです」
_各楽曲に関して何かチャレンジしたことは?
高橋「やったことないことをいっぱいやってみようっていうのはありましたね。たとえば、「人見知りベイベー」は3コードしか使ってない曲で。それは今までのアルバムでは間違いなくやったことがなくて。ちょっと渋い曲調でコミカルな歌詞にして歌ったら面白いんじゃないかなと思ったんですよ。「スペアキー」もベースとドラムとアコースティックギターだけっていう、あえて楽器は3つしか使わないやり方にチャレンジしてみました。「蝉」はドラムとエレキギターだけにしてみました」
_「泣ぐ子はいねが」は秋田弁の訛りが土着的なグルーヴを生んでいます。方言なので意味がわからないところはちょっと洋楽聞いてるような感じで(笑)。
高橋「何を歌っているのかはわからないですよね? そこも面白さのひとつにしてもらえたら。同じ日本の中の言葉なのに、意外と秋田弁とんがってるみたいな(笑)」
_「同じ空の下」は曲調やボーカルも含めて突き抜けた気持ち良さがありますね。
高橋「割とアルバム全体が個人のものを主張してる感じになってるので、俯瞰するものが欲しかったというか。「同じ空の下」と「涙の温度」は、もっと普遍的なことを歌ってますね。だからアルバム全体を総括するためにこの2曲は最後に入れました」
_とにかく今作は世の中に一石を投じるアルバムなのではないかと思います。
高橋「そういう(社会)現象みたいなことが起こってくれたらすごい嬉しいですよ。でも、単にざわざわさせてやろうみたいな気持ちは無いです。ただ、自分の歌を聴いてくれる人、これから聴こうとしてくれる人のことは前以上に意識してると思います。どういうふうに興味を持ってくれるんだろうって。ひとりひとりとのつながりみたいなものを大事にしたいので、自分はこういうものを作っているんですけど、よければ聴いてくれませんかっていいたいし、聴いてもらった後に、どう思いました?っていうところまで僕は歩みよりたいと思っているんですよ。そういう人間関係みたいなものを僕はいっぱい築いていきたいです」
【取材・文=エイミー野中】
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