酒女倶楽部の日本酒レポート26本目 〜「希望の鐘(宮城県)」〜
関西ウォーカー
お盆が終わりましたね〜。みなさん、ご実家で、帰省先で、そしてご自宅で、どんなお酒を飲まれましたか?お酒は昔から「心をほどく飲み物」として、人の集まるところで飲み継がれてきたもの。体にも心にもいいものなのですよ(「あんたみたいに飲み過ぎなければね」という声がどこからか聞こえてきそう…>0<)。
さて、お盆が過ぎ、少しだるさを感じているあなたに一杯差し上げたいのが、今回ご紹介する「希望の鐘 山廃純米酒(川敬商店 http://www.k2.dion.ne.jp/~koganesa/)」。東日本大震災の津波で被害を受けた女川というところで買った日本酒です。なぜこれを夏ばて気味の季節にご紹介するか。そりゃもう、飲めば「よっしゃ!」という気持ちになるからなのですよ!
このお酒は、決してなよなよしたお味ではなく、どちらかといえばたくましい感じのテイストです。アルコールはガツンとくるし、ほどよい酸味がある。ただ、口に入れてちょっとすると、とろんとしたまろやかさがふっと顔を出します。宮城のお酒はしっかりしたお味のものが多いと感じていますが、この1本も、なかなかどうして、男っぽいなあと感じました。
実は、このお酒の本当の銘柄は「黄金澤」。おそらく、女川の「きぼうのかね商店街」で売られているので、希望の鐘というラベルになっているのだと思います。
この夏、縁あって女川を訪れました。かつて町があったところは、津波で全滅。横転したビルがあちこちに残っていました。津波のおそろしさを体験したことのない私にとって、2年経ったいまも、その光景はショッキングなものでした。でも、女川の人たちは明るい!明るくしなきゃやっていられないのかもしれませんが、笑顔がいい!そして私に「こっちもあっちもいま買わなきゃ損だよ」と、宮城の銘酒を3本売った販売力がすばらしい!!そんな底力のようなものを、お酒にも感じます。
わたしは東北の日本酒が好きです。地震が起こる前から好きでした。いまなお東北のみなさんは大変だと思いますが、酒飲みのわたしにできる唯一のこと。それは、おいしい日本酒を買い続けることだと思っています。これぞ酔い子の社会貢献!と言いつつ、またしても杯を傾けるわたしなのでした。
甘さ度★★★☆☆ 辛さ度★★★★☆ 女性度★★☆☆☆ 男性度★★★★☆
◆合う料理:こってりしたお刺身、牛肉のしぐれ煮、えびせんべい
◆このお酒を芸能人に例えると…引き立つ個性、円熟味のある演技、そしてさばさばとした男性らしさを感じさせてくれる本格女優「寺島しのぶ」さん!
※甘さ辛さ度、女性男性度、合う料理は、すべて高野の独断と偏見です。
【文・写真=酒女倶楽部・高野朋美】
この記事の画像一覧(全3枚)
キーワード
テーマWalker
テーマ別特集をチェック
季節特集
季節を感じる人気のスポットやイベントを紹介
おでかけ特集
今注目のスポットや話題のアクティビティ情報をお届け
キャンプ場、グランピングからBBQ、アスレチックまで!非日常体験を存分に堪能できるアウトドアスポットを紹介