【その1】安齋ワールドが炸裂! 梅田ロフトで還暦EXPOがスタート
関西ウォーカー
アートディレクター、またはテレビ「タモリ倶楽部」の人気コーナー・空耳アワーでお馴染みの“謎のソラミミスト”など、実態のつかめない肩書きと活動で、サブカル界をはじめとするさまざまなカルチャーシーンで数多の作品を生み出してきた安齋 肇氏が、還暦記念の博覧会を開催(~9/10)! その名も「anzai expo 60」。博覧会前日の8/21(水)、会場の梅田ロフトでVOWを愛読するライターがインタビューを敢行!
_私、安齋先生の絵を初めて見たのが、小学生の頃から愛読してるVOWの挿絵なんですよ。コレです(いつも持ち歩いているVOWを手渡す)。
安齋:出た〜(笑)!(VOWをパラパラめくりながら)…そうですよね、VOW BOY描いたのが確か…82年、83年あたりだったから、けっこう早い時期の絵ですよ、これは。VOWはね、当時、今で言うところのサブカル的な人が多くて。例えばみうら(じゅん)君だったり、山田五郎だったり、カーツ佐藤だったりっていう方がやっていたんですよね。
_このVOW BOYを描かれていたのが実は安齋先生だって一致したのが数年前で…
安齋:え〜!?遅ッ!(笑)
_笑。なのでこの挿絵の印象が強いので、今回の展覧会でそれ以外の作品を見て『何でも出来る方なんだ!』て感動して(笑)。
安齋:アハハハ笑。だって、こんなの(VOWBOY)だけ描いて生計立ててる人いたら相当に立派だよ(笑)。もともとはね、グラフィックデザイナーとしてやっていたんだけどね、昔はグラフックデザイナーっていっても色々な事をやらされていて(笑) ていうか当時はね、デザインもイラストも一緒にやるのが普通だったの。横尾忠則さんとか、週刊文春の表紙を描いてる和田誠さんもグラフィックデザイナーでね。タバコのパッケージとかもやるし、表紙の絵も描いたり、キャラクターなんかも作るし。グラフィックデザイナーの役割っていうのがすごく広かったんですよ。だからそういう時代にグラフィックデザイナーになったもんだから、デザインしながら絵を描くっていうのは、ごく普通のことだったんだよ。デザインの隙間が空いたら、そこに絵を入れるっていう感じでね。宝島はそういう人たち多かったですよ。
_兼業的な感じだったんですね?
安齋:そうそう。あとは、たぶん絵描きの世界では一等賞になれなかった人たちばっかりだったんだと思うよ(笑)。だから雑誌広告だけじゃなく、お芝居チラシだったりレコードジャケットだったり、いろんなジャンルの中で自分たちが出来ることをやってきただけでね。だから当時のグラフィックデザイナーは、みんな本当にいろいろなことをやってきたんですよ。
_今回の展覧会の内容は、そういう環境で安齋先生がやってこられた数多の作品が並んでいるわけですが…
安齋:うん、まあでも展示内容の中には『遅刻』とか『泥酔』てのもありますからね(笑)。いるかコレ!?ていう(笑)。これ作品か!?って(笑)。まあでも、ある意味『酔っぱらう』ことが職業みたいになっちゃってるところもありますからね(笑)。
_酔っぱらってる安齋先生を延々とYou Tubeで流してたら、何となく見ていたくなる気がしますし(笑)。
安齋:いや、それは俺は見たくない!特に家族には見せたくない(笑)。でも、みうら君とラジオやった時のがYou Tubeにあがってるんで、『泥酔』『安齋』で検索してみてください。たぶんヒットするから(笑)。もうね〜、すんごいヒドいよ(笑)。『ファ〜ン』とか言ってるよ(笑)。
_ファ〜ン(笑)。安齋先生自身が、こうして作品を通して『過去アンザイ』をご覧になってみてどうですか?
安齋:そうだね〜。自分の中ではさ、全部人生の流れの中で起こったことばかりだから、特に今まで意識してきたことはなかったんだけど、逆に今回こうやって展覧会をやったことで、自分のやってきた事を意識するようになった(笑)。ちょっとなんか…具合悪いし(笑)、気持ち悪い(笑)。
_笑!東京の展示よりもはるかに密度が濃いですよね(笑)。
安齋:そうなんだよね。なんだろう…なんでだろう。大阪という街がそうさせてるんじゃないかな(笑)。渋谷でやった時はなんか、スタッフサイドもちょっと“お洒落な”感じの心持ちだったと思うんだけど、梅田ロフトはもう『これでもか』って感じになっちゃってるよね(笑)。
_展示作品に関しては、すべて安齋先生が選ばれているんですよね?
安齋:そうそう。でもね、本当はもっと見せたかったんだよ。でも『気持ち悪いからヤメてくれ』て言われて(笑)。
_気持ち悪いって(笑)。安齋先生は関西にはよく来られるんですか?
安齋:うん、何だかんだでけっこう来てますよ。再来月も京都でイベントがあるんだよ。山田五郎とみうらじゅんと泉麻人と毎年やってる、ひっどいイベント。旅館で酔っぱらってただ喋るだけっていう(笑)。
_ユルい〜(笑)。そういえば、みうらさんとの『勝手に観光協会』の『勝手にご当地ソング』も旅館録音されたものをCDリリースされてますよね(笑)。
安齋:うん、全然CD化しちゃってる(笑)。りょか録ね。
_りょか録…。
安齋:みうら君は、まず何でも名前を付けてから仕事始めるから(笑)。
_笑。今回、こうして一気に作品を見て、安齋先生がクリエイター・アーティストさんであるという認識が固まってきました。
安齋:ええ?………そうかあ、俺が60年…59年過ぎてやっとそう感じでもらえるようになったのかあ(笑)。でも、それは自分でも思うんだけど、アーティストとかクリエイティブなところとはちょっと遠いところにいますもんね、僕は(笑)。
※【その2】に続く
【取材・文=三好千夏】
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