【絶賛上映中！】西原理恵子の自伝的ストーリーが映画化！ 「上京ものがたり」でヒロイン演じる北乃きいが思うこととは!?

人気漫画家・西原理恵子の自伝的ストーリーを映画化した「上京ものがたり」。東京の美大に通う菜都美が挫折を味わいながらも、夢をかなえるために奮闘する姿が描かれる。ヒロインを演じる北乃きいが作品のこと、そして自身の仕事やこれからの夢について語ってくれた。

─西原理恵子さんという実在の漫画家を演じるにあたって、不安を感じることはありませんでしたか？

「私にとって実在される方を演じる機会があまりなかったんですが、これまでにも西原理恵子さんを演じられた女優さんがたくさんいるので、自分なりに演じられたらいいなと思っていました。でも、一番不安だったのは“絵”ですね。西原さんの絵のタッチをたくさん練習して、最終的には不安もなくなりました」

─西原さんも実は映画に少しだけ出演されていて、共演もされましたが印象はいかがでしたか？

「撮影現場でお話しする時間があまりなかったのですが、ずっととても気さくだしずっと関西弁で、楽観的な方なのかなという印象を受けましたね。菜都美も優しくて人懐っこさがあるので、演じる上で参考にさせていただきました。家では自分をさらけ出したりする菜都美の大ざっぱな感じは、私と似ているかもしれません（笑）」

─森岡利行監督は同じく西原理恵子さん原作で、本作の前日譚にあたる映画「女の子ものがたり」でもメガホンをとられています。それだけに、菜都美というキャラクターにも思い入れがあると思いますが、監督の演出はいかがでしたか？

「監督は菜都美に対してすごく愛があって、いろいろ考えてくださっていたんです。現場でも、私が“こんなふうに演じようと思うんです”と話すと“僕もそう思っていた”とかディスカッションをしながら演じました」

─菜都美を演じる上で心がけていたことは？

「漫画家っぽく、髪にペンをさしたりとかしましたけど、特に心がけていたことはなかったですね。むしろ“こうしないと！”とか決めちゃいけないと思っていましたし、あくまで自然体でいようと思っていました。ただ、お金があまりない菜都美の部屋のセットが、自分の想像とは違って“お金がないのにこんなところに住めるかなぁ？”って思ったんでス。でも、監督は役者を自由にさせてくださる方なので、朝に現場へ入るとセットの中でゴハンを食べたり、撮影の合間はうたた寝してみたりして、気持ちを役に馴染ませるために、セットの中で生活してみたんです。そうすることによって、違和感はなくなっていきました」

─共演者も瀬戸朝香さん、人気子役の谷花音さん、黒沢あすかさんなど実に多彩ですね。

「みなさん、本当にステキでマジメな方たちなんです。黒沢さんが花音ちゃんを引っ叩くシーンがあるんですが、テストの時から引っ叩いていました（苦笑）。花音ちゃんは泣くんじゃなくて、とにかく驚いてしまっていましたね（笑）。黒沢さんはお芝居に入ると、本当にすごい方なんです」

─本作は夢と現実の間で揺れ動く菜都美の姿を通じて、自分の好きなことを仕事にするむずかしさも描かれています。北乃さんは女優という仕事にむずかしさを感じることはありますか？

「純粋に“好きなことを仕事にすること”と“お金のために好きなことをすること”って紙一重だと思っているんです。私は13歳でこの世界に入った時から、生きていくためのお金を得るために働いているという気持ちがあって、そこは今もブレていないです。東京は家賃が高いので、本当にしっかりと働かないと払えないですからね（笑）。女優という仕事は楽しいことより、つらいことの方が多いんですが、私の場合は逆に楽しいだけだと“いい作品になるのかな？”って不安になってしまうんです。なので、私はつらいことが多いのは役者にとって正しいことなんだって思います」

─では、女優という仕事での今後の夢や目標はありますか？

「今まで趣味で台湾語を習っていたんですが、それを“特技”にして仕事に生かせるようにしたいです！」

【取材・文＝リワークス】