【11/1(金)発売!】曽我部恵一がニューアルバムをリリース。本人いわく、「賛否両論あるアルバム」とは!?

関西ウォーカー

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今年6月に曽我部恵一名義とサニーデイ・サービス名義のベストアルバム2枚を出して、そこから一発目のアルバム。本人は「賛否両論あるアルバム」と言うが、サニーデイ・サービス時代から十数年聴き続ける者としては“曽我部恵一果汁100%”の聴き応えあり過ぎる作品。鋭い言葉に温かいメロディーから激しいリズムまで…、聴いていると染みるし、何よりも心が躍らされる。じっくりと腰を据えて、話を聞いてきた。

―6月に曽我部恵一名義とサニーデイ・サービス名義のベストアルバム2枚を出されて、そこから、どう動かれるか気になってました。

曽我部「ベストはリセットじゃないけど、また新たな自分でやりたいと思って。たまにあるんですよ。あっ、でも、いつもそうなのかな?? 曽我部恵一バンドをやっていると形が出来てきて、こなしていく…。本当は研ぎ澄ましていかないといけないけど、実はルーティンでもある。1回ゼロという何者でもない状態になりたかった」

―解散とか休止や停止、再始動とか復活…、そんな大きな言葉を何も言わず、普通にさらりと今回のアルバムを出すのが良いなって思います。

曽我部「W浅野(温子、ゆう子)のドラマが、こないだあったじゃない? 凄いいいなって思ってさ」

―「抱きしめたい!」(88年放送のフジテレビドラマ)のスペシャル版のドラマですよね。

曽我部「はたから見たら復活なんだけど、ただ人生が続いているだけというか。変わんないというか。例えば解散と言っても、それぞれバラバラで人生は続いていくわけだからさ」

―なるほど…。今作は、どのような流れで出来上がっていったのでしょうか?

曽我部「これはツアーが終わって、ひとりで練習スタジオに機材を持っていって、デモみたいな感じで作っていて。日記というかさ、誰かに聴かせるわけでもなく。でも、これを出すべきじゃないかと思って、出すことにしたんだけど。春くらいからスタジオに入って、夏くらいに出そうと思ったのかな。気に入ってもらえんのかなと、疑問はあるんだよ。既に賛否両論あるしさ」

―賛否の否とは、どんなものですか?

曽我部「だって、いいこと言ってないから。メッセージないしさ。『6月の歌』だけは、少しあるかも知れない感じだけど。基本的には、『がんばろう』『愛おしい』とかがないのよ。俺は、この世界がクソだという想いの方が強い。そっちを歌いたかったし。でも、歌は『がんばろう』をフィーチャーして、元気づける方向にいきがちでしょ。はなはだ、疑問です。これは微妙な音楽だけど、微妙な表現にこそ本物があるのかなと。『1、2、3、4!』のカウントでやらないといけないとか、綺麗な声で歌を歌わないといけないとか…、そういうのが自由を無くしていると思う。だから、そういうことに凄く嫌になっていたのかな」

―賛否の否の意味がわかってきました。

曽我部「そうそう、つまりは『感動しない』ってことなんだ。でも、オレは感動させるつもりで作ってないから。もともとは誰にも聴かせないつもりで、個人的に作ったものだからさ。だけど、自分の魂というか…叫びに変わりはない」

―僕は長年、曽我部さんの音楽を聴いている人間だからかも知れませんが、いろいろ感じることがあるんです。この作品には曽我部さんのおっしゃるわかりやすい感動はないかも知れない。でも、言葉が全て鋭いし、温かいメロディーから激しいリズムまでが自然にある。だから、僕は染みるし、何よりも心が躍らされるんですよ。

曽我部「超わがままでエゴイスティックで個人的なのはわかっているけど、それを聴いてくれるお客さんには、爆発して返すしかない。みんなもそれをやればいいと思うし、もしかしたら、それがエンターテイメントなのかも」

―サニーデイ・サービス解散後のソロ初のシングル「ギター」(01年)を、僕は思い出したんです。

「ハルコの乗ったバギーを揺らしながら」という私的な風景や、「戦争にはちょっと反対さ」といった思想も緩やかに歌われたじゃないですか。今作も「うみちゃん、でかけようよ」「そかべさんちのカレーライス」といった私的を匂わせる楽曲から「ひとり」「バカばっかり」から「あべさんちへ行こう」まで…いろいろ感じるんです。

曽我部「『あべさんち』は唯一の社会的な揶揄がある歌かな。自分の生活とか、毎日に立って歌わないと駄目だと思う。あと、徒党を組むのがいかにつまらないかを気付いてもらうか。それは、『ひとり』で言えたと思う。ガキの頃からそうだけど、別にいじめられていたわけでもないけど孤立していた。何にも変わらない。ひとりである認識は変わらない…、また、そこに来たかなと。ロックバンドは一体感があって、それが孤立からの脱却というのは違和感があった。大前提として最初から断絶されている、それを言いたかった。何かを介して、繋がる必要はない。『ギター』を思い出すというのは…、確かにそうかも知れない。また、ゼロ地点だからね、今も」

【取材・文=鈴木淳史】

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