<その2>【11/16(土)ライブ!】元SPARTA LOCALSの安部が、2010年にHINTOを結成。バンドの状況と最新作について語った!
関西ウォーカー
※【その1】の続き
―さっき、安部さんが「最初から(SPARTAを)解散すんなよ」というお客さんの気持ちがわかるとおっしゃったじゃないですか。今日のお話も聞いて思うのは、個人的にですが好きなバンドって何かしらドラマがあるんですよね。で、その音楽だけでなく生き様も見届けるというか…。僕はSPARTAから聴かせてもらってますけど、今こうやってHINTOの良い状態に出逢えた事にもドラマを感じていて。
安部「うん、俺もバンドってドラマだと思っているので。プロレスにも似ているというか。お客さんに合わせ過ぎたくないというか、自分たちのやりたいようにやって、そっぽを向かれたならしょうがないというか」
―おっしゃっている意味はわかります。でも、SPARTAやHINTOのお客さんは、そういうバンドの方向性をしっかり理解されている方が多いとは思います。後、新曲「AT HOME DANCER」は先程、安部さんもおっしゃってましたけど、本当にSPARTAからのキャリア史上一番と思えるくらいの楽曲で、聴いた瞬間ガッツポーズが出ました。
安部「そう言ってもらえたなら、良かったです。SPARTAから一生懸命にやってきた事が救われている感じがします、今回の曲は。一番大きな変化はやはり光広で、彼のファンキーでパンクで硬質なベース、それが個性だと思っていて、活かせた曲ができたなと」
―歌詞に関しても伺いたいのですが、何か凄くすんなりと心地よく入ってくる言葉たちだなと思いました。
安部「HINTO初期は実感がないことをフィクションとして作り出したら、どうなるかなと思っていたんです。それはそれでおもしろいし、気持ちよかった。カラオケを歌っているみたいな感じだし、実際にカラオケって実感が入ってないのに『いい曲だな!』と思うじゃないですか。だから、それで良いのかなと思っていて。そしたら、今回実感を入れてみたら、そっちの方が楽しかった。本当に思った事が真ん中にあって歌詞を作っていくブームが、今はきていますね」
伊東「歌詞は、凄く変わったなと思いましたね。実生活に根ざしている。だから、すっと入ってくるし。音はベースの光広がでかいし、器用でないベースが武器になっている。この曲は、光広のべースがないと出来なかった」
―「AT HOME DANCER」のギターのイントロは本当に忘れられなくて…、1回聴いたら癖になるというか…。
伊東「あれは、自分でも『きた!』と感じましたね。最初は音色先行でダンスミュージックみたいな感じで考えていたんですけど、でも、ひねくれた感じも出したくなって。HIP HOPみたいなギターサンプリングにしたくて」
安部「真君のギターに関しては、『良くして』くらいしか言わないですね。ただ、ベースに関しては光広を『もっといけるやろ。もっといけるやろ』と叩いて、あのフレーズが生まれて。すぐに『それ!』と言いましたね」
―それと今回DVD付きシングルなんですが、とにかく表題曲「AT HOME DANCER」のPVが凄く良いんですよね。何回も観てしまいます。
安部「SPARTA時代から好きと言ってくれていた監督で。CMの歌を歌った事があって、その時に知り合った監督で『じゃ、PV撮って下さいよ』と言って」
―SPARTA時代のPVから思っていたんですけど、本当に良くて、ちゃんと作られている感じがするんです。メンバーとPVの距離感がしっかりしているというか。
安部「俺は、監督としっかりと話し合いますよ。嫌われてもしょうがないと思って、色々と言いまくる感じ。だって、作品じゃないですか。かっこ悪いのは、宣伝できないですから。真君とも話して、金かけるのはかっこ悪いなと思って。監督とも打ち合わせをして、ストーリーに寄りすぎるのも嫌だし、映像にリズムがないのも嫌だというのを、自分たちがかっこいいと思うPVを見せながら、説明しましたね」
伊東「単純に好きなバンドのかっこいいPVの話をしましたね。お金はかけられなくても、おもしろいアイデアがあれば、広げられるので。それは、最近の若いバンドのPVを見ても、思っていたんですけど」
―物語に寄りすぎないようにとおっしゃってましたけど、今回その物語の加減が本当に絶妙なんですよ。主役の女の子の生活感あるリアリティーが本当に良くて…。
安部「女の子を使いたいと監督に言われて、その時点で女の子のイメージを伝えました。本格過ぎない方がいいとか、薄いとか、一重とかね。だって、その女の子が全てになるわけなんで。そこが勝負だと思ったし、女の子を使うのは賭けだし、リスキーですから。あと、ヤル気がない子がいいとも言いましたね。でも、本当にリアリティーがあるかないかですよ。今回出てくれた篠田光里ちゃんは、力があるなと思います」
―シングルが本当に素晴らしかったので、アルバムを含めて、今後が本当に楽しみです。
安部「5、6曲録音したんですけど、曲も良い感じに出来てきていて。重みのある作品を作りたいので」
―大阪では11/16(土)に心斎橋CONPASSであるライブも、今どんどん味が出ている感じかなと思うんですが。
安部「ライブに関してはモチベーションが凄くて。全員30過ぎた男たちですけど、こんなにも良くなりたいと思えるんだなと。それは、素晴らしいなって。凄く清々しいので楽しみですね」
伊東「曲に関しては、今までのHINTOになかった曲があって、まぁ、光広が入っての曲も変わりましたし。こないだのレコーディングもいい感じに残せたので、驚きあるものを作りたいですね。僕自身も、まずメンバーを驚かしたいというのもありますし」
―さっき、年齢の話もありましたけど、ちょうど僕も35歳なんですが、この年代って上も詰まっているし、下からも突かれる世代じゃないですか。でも、この年代で続ける事に覚悟を決めて腹を括った人は強いと思うんです。
安部「もう、降りれないですから。降りるつもりはないですけどね、初めから。とにかく、丁寧にやりたいとは思っていて。それは人との付き合いもそうですし、それが音楽に繋がるとも思うので。若い時と比べると丁寧になっているなと、今は思います」
―今日は、洗いざらいお話が聞けて良かったです。ライブも本当に楽しみにしています。
【取材・文=鈴木淳史】
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