森高千里をフィーチャーした楽曲でメジャーデビューしたtofubeatsとは!?

関西ウォーカー

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インターネットで100曲以上の楽曲を公開しながら、一方ではYUKIやももいろクローバーなど多くのビッグアーティストのリミックスも手がけてきたトラックメーカー・tofubeatsがメジャーデビュー。

_今回リリースされた森高千里さんとのフィーチャリングである『Don't Stop The Music』ですが、このコンビネーションは意外すぎますね。tofuさんの年齢からすると…

「確かにそうですよね(笑)。僕が普通に森高さんのファンなんですよ。自分のなかでは違和感が無かったんですよね。例えばヒップホップの人なんかが、よくジャズのサンプリングなんかをやるのと一緒で、僕にとって80年代のJ-POPっていうのは、まさにその位置づけにあって。特に森高さんはご自分で作詞も作曲も手掛けられてて、当時としてはかなりセンセーショナルだったミニスカートとか、ビジュアル面でのバイアス抜きでも本当に素晴らしいアーティストさんなんですよね。それで今回のフィーチャリングのお話も快諾してくださって実現となりました」

_過去には小泉今日子さんの「艶姿ナミダ娘」のリミックスも手掛けられていましたが、80年代、90年代のJ-POPをサンプリングっていうのは、どういうきっかけで始められたんですか?

「お金がなかった頃から、ブックオフで安く買えていたのがそのあたり(80〜90年代)のCDだったっていうのもあるんですが(笑)、音楽を聴き始めた中学生くらいの頃って、新譜よりもブックオフなんかで中古CD買ったほうが安いんでね(笑)。なので、その当時の何かに強い衝撃を受けて入り込んでいったというよりは、手近にある自分にとっての新鮮な音楽が、その当時のJ-POPだったっていう感じですね。あとは、子供の頃によく『ポンキッキーズ』を見ていたんですが、そこで流れていたのが、斉藤和義さん、森高千里さん、大江千里さんという、当時のJ-POPでも屈指のアーティストさんの楽曲だったんですよね。これは今になって思うんですけど、その時に聴いていた音楽の刷り込みがあるのかなって(笑)。今でもすごい覚えていますし。大人になってスチャダラパーさんを聴いた時も『あ、これポンキッキーズの人じゃん』って思って(笑)」

_J-POPのサンプリングで、クラブミュージックとして成立させているというのが新鮮ですよね。当時の時代性にも憧れがあったりしますか?

「いま僕がやろうとしていることって『J-POP』の範疇ではわりと無茶な方向というか、そういうテイストの楽曲を持ってクラブミュージックを作ろうとしているわけなんですが、小泉今日子さんや森高千里さんは当時からそっちの匂いのするアーティストさんで。今ではちょっと考えられないような個性的な表現というか、個人的な感性をそのまま出せていたり、やりたいことが出来ていた面白い時代だったんだなって。そのあたりはすごい憧れがあります。バブルだったり、世の中に潤沢にお金があったからなのか、そういうアーティストやアイドルが生んだものを受け取る余裕が世間にもあったように思うんですよね。やっぱり、世間に余裕があると音楽が流行るので。ディスコの感じも憧れますよね。リアルタイムにその当時を遊んでいた人から話を聞いても、すごい派手で、非日常的で。今のクラブ遊びって敷居が低すぎるというか、『週末にお洒落をして遊びにいく』っていう特別感があまり感じれらないですよね。なんか『テキーラ浴びるほど飲みにいくところ』になっちゃってるというか(笑)。それはそれでいいんですけどね、いわゆる“非日常感”ていうのは希薄になっている気がしますね」

_確かにさらに過去の時代の歌謡曲もそうですが、表現の規制が今より自由でしたよね。艶っぽさとかアブない匂いが歌の世界にちゃんと存在していたというか。

「意外にそうなんですよね。今よりも表現の自由がありましたよね。僕自身は、ちょっと哀愁のある曲が好きな傾向にありますね。ポジティブなのよりは、ネガティブなのが好きなんですよ(笑)」

_笑。神聖かまってちゃんの、の子さんとのフィーチャリング曲『おしえて検索』は、インターネット世代への警告のようですが、tofuさんもドンズバでその世代ですよね?(笑)。

「この曲は、子供番組で流れたらいいなって思ってるんですけど(笑)、僕はインターネット世代とアナログ世代の狭間の年代で。パソコン使ってインターネットしてたのって、たぶん僕らの年代がギリだったんじゃないですかね。僕らより下の世代はもはやネットは携帯が主流ですから。今日も昼飯にうどん食べてたら、小さい子供が巧みにiPadを操作してて『ヤバいな』って話してて(笑)。インターネット世代の“走り”の立場として、こういう事も言っておこうかなと。そういう僕も、もう字が書けなくなってきてますけれども(笑)」

_アイドルもお好きだと伺ったんですが、アイドルは特に継続し続けている日本のポップカルチャーだと思うのですが、過去と現在の最たる違いは何でしょうか?

「やっぱり『距離感』じゃないですかね。昔だとそんなに、しょっちゅう会いに行けたりしなかったでしょうし。プライベートの模様を見せていたり。過去も今もどちらも良さがあるんですが、やっぱりアイドルとの距離が近くなったっていうのは大きいですよね。親近感というか」

_なるほど。それにしても23歳にしてその貫禄で、同世代のお友達とかいらっしゃいます??(笑)。

「いや、いないからこんなことになっちゃてるんですよ(笑)。いたらバンド組んでますよ(笑)。でも逆に言うとひとりで始めちゃったから今の状態になれたというのもあるので、結果的に良かったなと(笑)」

_今回メジャーデビューという大きな転機になりましたが、何か大きな変化はありますか?メンタル的にも、生活的にも…。今も変わらず神戸在住なんですよね?

「これまでとやってることは大差ないのに、アーティストになったからといって周りからいいように言われてしまうのは危ないなと思っていて。変わらず神戸にいたら、普段通りの日常が送れるのでね(笑)。あとは、やっぱりもともと高校生の頃からフリーで音源を配っていたんですけど、それが『楽しいから』やっていたので、状況が変わったからと言ってこれまでの『目的』と『手段』が変わるのは嫌なんです。なので自分でも『メジャーデビュー!』という特別感をあまり感じないようにしようと思って(笑)」

_今でもブックオフには行かれます?

「全然行きますよ!CDコーナーのアルファベットのAから順番にキッチリ見てます(笑)。神戸のブックオフには出没率高いですよ(笑)」

【取材・文=三好千夏】

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