【2013年を振り返る】映画業界の動向をシネコンウォーカー編集長に直撃!

東京ウォーカー(全国版)

X(旧Twitter)で
シェア
Facebookで
シェア

2013年も残りわずかとなった。Walkerplusでは様々なジャンルから2013年ならではのトレンドを検証、さらに2014年の展望を予測してみた。今回のジャンルは映画。シネコンウォーカーの佐藤英樹編集長に色々と話を聞いた。

――まずは2013年度を振り返り、邦画・洋画の興収ランキングをベースにどういった傾向の作品がヒットしたか?またその要因や、編集長的に「これは納得!」「これは意外!」と思われた作品があれば聞かせてください

「2013年度の11月30日時点での興収ランキングは、邦画が1位『風立ちぬ』、2位『ドラえもん のび太の秘密の道具博物館』、3位『名探偵コナン 絶海の探偵』、4位『謎解きはディナーのあとで』、5位『真夏の方程式』、洋画が1位『モンスターズ・ユニバーシティ』、2位『テッド』、3位『シュガー・ラッシュ』、4位『アイアンマン3』、5位『怪盗グルーのミニオン危機一発』でした。興行成績で見ると、2013年は例年以上にファミリー映画が強かったと言えるでしょう。そして、アニメ、CGアニメが洋邦問わず強いですね。定番のドラえもんや名探偵コナンに加え、ジブリ、PIXAR、ディズニーのビッグネームが相次いで新作を公開し、順当に成績を残しました。洋邦合わせた総合順位で8位は『ポケットモンスターベストウィッシュ 神速のゲノセクトミュウツー覚醒』、9位に入った『ドラゴンボールZ 神と神』も言わずと知れたアニメ作品です。『ドラゴンボールZ 神と神』は2012年に大ヒットした『ONE PIECE FILM Z』同様、原作者が制作に加わり、ストーリーが厚みを増し、お父さん世代も取り込んでのヒットとなりました。シリーズもののアニメが確かに強いですが、その中に『シュガー・ラッシュ』といった新しいアニメ(シリーズ化も十分可能な内容)や、最近評価の高いユニバーサル・ピクチャーズ製作のアニメである『怪盗グルーのミニオン危機一発』もきっちりランクインしている辺り、今後もこの傾向は続きそうです。ショッピングモールに入っていることが多いシネコンで、家族単位で映画館に行く流れができているので、子供のみならず、大人も鑑賞できるクオリティを兼ね備えたアニメが好調だと言えると思います。また、アニメではないですが、家族を描いた『そして父になる』や『東京家族』がヒットしたのも、そうした傾向が要因かもしれません。それにしても『テッド』の大ヒットは意外でしたね(笑)。男性はもちろん大好物っていう映画でしたが、家族では見に行けなさそうですし、デートにも一見不向きな感じでしたが、蓋を開けてみれば女性ファンもしっかり取り込んでいました。可愛さとエグさのバランスが良かったと思います。こういう作品がスマッシュヒットを出すと、映画業界が賑わいそうで良いですね」

――2013年の公開作品から、編集長が選ぶお勧め作品を挙げてもらえるでしょうか。また、その作品の見どころやお勧め理由も教えてください

「もう1点、2013年度の傾向としてIMAXの醍醐味を存分に味わえる作品が増えてきたことも挙げられます。今夏に公開された『パシフィック・リム』や現在公開中の『ゼロ・グラビティ』はその最たるものでしょう。『パシフィック・リム』は私もIMAXで見ましたが、巨大スクリーンによるダイナミズムと美麗なグラフィック再現能力で細部へのクリエイターのこだわりを存分に表現していたと思います。『ゼロ・グラビティ』は個人的には今まで体感したことのない映画で、初めて映画を見て身の危険を感じました。これは是非ともIMAXで見てほしい作品だと思います。宇宙で繰り広げられるドラマなので、スクリーンの中の宇宙の暗闇と映画館の暗闇が混じり合って、浮遊しているような感覚を味わえるんじゃないかと期待しています」

――2014年の映画業界はどのようになると思われますか?また、どんな作品がヒットすると思われますか?

「2014年はシネコンに行く映画ファン層を意識した映画や、劇場技術の発達に映画クリエイターたちが応えていく映画が増えると思っています。ちょうど、今や当たり前となった3Dに製作者たちが応えていったように。12月20日(金)公開の『ウォーキング with ダイナソー』は子供が大好きな恐竜が主人公で、かつ3Dの技術をしっかりと生かしている点でヒットしそうです。2014年で言えば、『トランスフォーマー4』(夏公開予定)は是非ともIMAXで見てみたい作品ですね。2014年の映画はこれらに当てはまりつつ、往年の映画ファンも楽しみなヒーロー映画がたくさんラインナップに加わってきています。2月1日(土)公開の『マイティ・ソー ダーク・ワールド』(IMAX上映も決定)、4月25日(金)公開の『アメイジング・スパイダーマン2』、5月公開の『キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー』、5月公開の『X-MEN:フューチャー&パスト』と目白押しです。予告編を見る限り、地球規模の戦いだったり、趣向を凝らしたアクションシーンがあったりと、どの作品も映画館の大スクリーンで見るべき要素が満載でいまから楽しみです」

宮崎駿監督が長編映画からの引退を宣言、その監督作品ラストとなった『風立ちぬ』が2013年度公開作品として唯一、興行収入100億円を突破し、宮崎駿&ジブリのブランドの圧倒的強さを示した2013年の映画業界。しばらく続く“邦高洋低”の傾向は関わらず、2014年もその傾向にほぼ変わりはないように思える。そんな中、技術進歩は目覚ましく、IMAXでのハイフレームレート3D(2月28日公開『ホビット 竜に奪われた王国』)や4DX(対応は中川コロナワールド、小倉コロナワールドの2館のみ)で五感をフルに使って楽しむ、よりエンターテインメント性の高い映画へと進んでいくのが2014年だと言えるかもしれない。【Walkerplus】

この記事の画像一覧(全19枚)

キーワード

カテゴリ:
タグ:
地域名:

テーマWalker

テーマ別特集をチェック

季節特集

季節を感じる人気のスポットやイベントを紹介

いちご狩り特集

いちご狩り特集

全国約500件のいちご狩りが楽しめるスポットを紹介。「予約なしOK」「今週末行ける」など検索機能も充実

花火特集

花火特集2025

全国約900件の花火大会を掲載。2025年の開催日、中止・延期情報や人気ランキングなどをお届け!

CHECK!全国の花火大会ランキング

CHECK!2025年全国で開催予定の花火大会

おでかけ特集

今注目のスポットや話題のアクティビティ情報をお届け

アウトドア特集

アウトドア特集

キャンプ場、グランピングからBBQ、アスレチックまで!非日常体験を存分に堪能できるアウトドアスポットを紹介

ページ上部へ戻る