東大教授が斬る!話題作「天使と悪魔」のウソ・ホント
東京ウォーカー
世界的ブームとなった「ダ・ヴィンチ・コード」の続編となる、映画「天使と悪魔」が5/15(金)、ついに全世界同時公開となる。公開前から話題の作品だが、実は内容以外にも、世界の注目を集めている問題があるという。それが原作「天使と悪魔」に出てくる“反物質”だ。
なんでも“反物質”とは、「非常に不安定で、たった1gで広島に投下された原爆と同じエネルギーを持つ物質」なんだとか。しかも、原作には、実際に存在する、スイスの科学研究機関「CERN(セルン)研究所」が大量に生成できる施設を建設したと書いてあるではないか! 果たしてコレ、本の中だけの話? それとも現実でも可能なの…? さっそく、セルンで実際に“反物質”の研究をしているという、東京大学大学院の早野教授に話を聞いてみた。
「“反物質”の製造にセルン研究所が着手しているというのは本当です。でも、“反物質”は、原作に書かれているような核爆弾の元になんかなりません。“反物質”を作るには膨大なエネルギーが必要なため、原作の“1g”を生成するなんて、夢のまた夢なんです」
そうだったんですね。とはいえ、「爆弾の元を作ってるんじゃないの?」とか、「危険なんでしょ!」という問い合わせが世界中からセルンに来ているという。なんで、みんな勘違いしちゃうの?
「それが原作『天使と悪魔』の巧妙なところなんですよ(笑)。原作では、今現在のセルンが描かれているため、それ以外の部分も“本当っぽく”見えてしまうんです。たとえば、『CERN(セルン)研究所』は、実在するので本当。『セルンが反物質を作っている』というのも本当。『反物質のエネルギー量』も計算上ではほぼ真実。でも、『反物質の大量生成』はウソです。この巧みなストーリーテリングで、読者は虚実の区別がつかなくなってしまうんですね」(早野教授)
たしかに、「ダ・ヴィンチ・コード」もどこまでが本当か分からなかったから、あんなに楽しめたのかも…。観客を巻き込んでワクワクさせてくれる、映画「天使と悪魔」は5/15(金)公開。その前に原作をチェックしておくのもオススメだ。
ちなみに、現段階では1gの“反物質”をつくるのに137億年(!)以上かかるのだとか。う〜ん、クリーンで効率のいいエネルギーを手に入れるなんて簡単じゃないんですね。 【東京ウォーカー/安藤真梨】
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