【その2】ミュージカル「おもひでぽろぽろ」が2/2(日)～大阪で上演！ タエ子役の主演・朝海ひかるにインタビュー

※【その1】の続き

Q：楽しそうですね？　前回のお客様の反応はどうでしたか？

「楽しいです。すっごく楽しい。素晴らしい作品です、ほんとに。多分、お客様もきっと同じ思いをしてくれると思います。前回の東京公演では、わざわざコメディに作ってはいないんですけれど、みなさんよく笑って、すごく楽しいっておっしゃってくださいました。私も舞台袖で見ながら、いつもゲラゲラ笑ってました。出っぱなしではありますが、着替えが2～3回しかないので。それとみなさん、テーマがアニメよりも分かりやすかったと。伝わりやすい、理解しやすいって。最後のシーンも、映画と同じような終わり方をしますが、舞台の方がもっと明確かもしれないですね。みなさん、最後のシーンで自然に泣けて来るって。温かい涙がぱぁっと流れて来るねっておっしゃる方がたくさんいらっしゃいました」

Q：タエコ役、イメージがピッタリです。

「みなさん、そうおっしゃってくださるんですけど（笑）。私の実家は福島のちょっと山へ入った方にあるので、田舎は小さい頃に知っていて、でも大人になってからは都会暮らし。タエコと同じような感覚が自分にもあるので、毎回毎回すごく新鮮にやらせて頂いたんです。だから、楽しかった。タエコは仕事に疲れて、そうだ、夏休みを取ろうって言って、山形の方に行く。仕事に疲れてる女性、都会に住んで一生懸命ほんとに頑張って生きてる独身女性の方たちなんて、まさに私今その通りっていう人、いっぱいいらっしゃると思う。私も自然に憧れがありますから、共感できますね。ほんとに、わかるわっていう感じ。私はOLをやったことはないんですが、あぁ、こういう時あるなぁって。27才って微妙じゃないですか、結婚しなきゃいけないとかいろいろ言われるし、でも仕事ではけっこう中堅どころになってきてるし、みたいな。なんかそういう微妙な女性の心理も出ていて、その気持ち、アニメなんですけどリアルだなぁって思いますね」

Q：作品を通して伝えたいことは？

「一番大事なものって、すごくシンプルなことで、人間は自然の中に生かされている、自然の中の一員だということ。そこで自分は地に足付けて生きている。そんなことを改めて考えるように仕向けてくれるミュージカルだと、私は思っています。観る方たちによって、受け取り方は違うと思いますけれど、自然と人間がどうやって向き合うか、人間と人間のシンプルな、そして一番大事な生き方をテーマにした作品だと思いますね。だから毎日感動してしまうんですよ。セリフも歌も、何もかも、タエコと同じように自分も感じてるんだと思う。だから、演じながらも毎日感動してました」

Q：じゃ、もう一回やれるのうれしいですね。

「うれしいです。すごくうれしいです。楽しみにしてます、今から。ほんとに光栄だと思いますし、わらび座さんの中に入れてもらえることも、すごくうれしくて。みなさんが一つのことにまっすぐ、純粋で。一つの作品を作るエネルギーというものが、東京でやっているよりさらに強い気がするんです。杜さんといつも言ってたんです、ここにいると心が洗われるよねって。純粋に舞台を作るっていうことに誠実になれるねって。お稽古の場所も、前回は4月だったんですけれど、まだ雪が残ってる大自然の中でした。まさに環境も手伝ってくれて、とてもステキな思い出がいっぱいありますね」

Q：「おもひでぽろぽろ」は、朝海さんの中で大事な作品に？

「状況が状況でしたし、わらび座さんという、日本の地方でミュージカルを作って頑張ってる劇団に呼んでいただいて、そこで本当に純日本製のオリジナルミュージカルを作って。なかなかないと思うんですよね。そういう日本製のミュージカルって大事にしていきたいなと思いますし、これからも、もし機会があればどんどんやっていきたいなと思っています。ミュージカルっていうと、どうしても華やかな洋もののお話になりがちですが、日本人の日本人による日本人のためのミュージカルを、もっとやって行きたいねって、スタッフさんたちと今回の『おもひでぽろぽろ』を作ってる最中に、いつも話しあっていました」

Q：舞台前にDVDを見直してから行くのはどうですか？

「DVDで先に見ておいていただけると、絶対おもしろいです。映画の舞台化って、大体ファンの人が観ると、えっ！？全然違うじゃんって思う時がありますよね。私もよくあるんですけど、でも、今回はないんですよ。ジブリファンの私が言うのだから、間違いないです（笑）。最後のシーンでは、私も毎回、浄化されるような気持ちになる、不思議な作品ですね。観ると、みんないい人になれると思いますよ（笑）。ほんとに、なんかこう力が抜けるというか、生きてる時の力みがなくなるような気がしますね。頑張らなくても前向きに生きていける、ということも教えてくれるミュージカルだと思います。だから、ジブリファンの方はぜひ、劇場にいらして頂きたいです！」

【取材・文＝ドルフィンコミュニケーション】