【その2：3/29(土)・30(日)上演！】満島真之介が、役者デビューを飾った傑作舞台「おそるべき親たち」に出演。役者＆作品についてロングインタビューを敢行！

※【その1】の続き

Q：役柄と作品について教えてください。

「ミシェルは真っ白な青年。真っ白だから、黒にでも白にでもなれるという、まだ色のない若者。母親の愛情を受け過ぎているんだけど、本人は気付いていなくて、それが当たり前の家族だと思って育った男の子です。ところが、ある一夜をミシェルが恋人マドレーヌの家で過ごしたことによって、ギリギリで保っていた家族が、すべてガタガタガタって崩れていく。家族が持つ愛情の深さゆえに生まれる憎しみだったり、どうしても抜けだせない家族の絆だったり…。お客さんが『あ、見ちゃった』みたいな、隣のお家の覗き見感覚で観ていただきたい」

Q：笑っている人もいたと聞きましたが。

「たくさん、いらっしゃいました。やってる方はとても大変ですけど(笑)。観てる人はいろんな感情が触発されるようです。人が真剣に人を愛そうとすればするほど、滑稽になっていくんですね。それぞれの役の言動に、クスッと笑えるような場面がけっこうあります。いろんな年齢の方に、共感を持ってもらえる芝居だと思っています。ボクらより上の世代の方たちは絶対楽しめます。家族のこと、結婚や子供のこととか、共通点がどこかしらにあると思うので。でも、特にボクらの世代の人たちにも観てほしい。自分が大人になって行く怖さと嬉しさとっていうのが今、入り混じっている状態だと思うので、その状態の若い子たちが観た時に、親との関係性の作り方とか。あ、自分はこういう愛情で育ったなっていう、もう一度自分自身の原点を見つめ直すきっかけになりそうな気がするんです。だから、まずは観に来てほしいです。劇場に足を運んでほしい。」

Q：3年たっての上演はどうですか？

「最初は怖かったですね。不安80、楽しみ20ぐらいの感じでした。でも、みんなと久しぶりに会うと、すごく安心したんです。あ、またこの人たちと一緒に、ボクが真っ白になれる時間がもう一度来るんだって。だから真逆に、ワクワク80、不安20になりました。以前とは違ってしまったものをまっすぐぶつけた時に、すべて受けとめてくれる4人がまたいてくれると思うと、もう楽しみでしょうがなくなっちゃいました（笑）。あの時間がもう一度ボクに戻って来る、次こそは自分がみんなを引っ張っていくぞと気持ちで一緒にできたらなと思っています。ずっと、いつかこの作品をもう一度やる事になったら、ちゃんと立てる自分でいたい、あの時の自分に負けない自分でいたいと思う気持ちが一番強かったんです。前の公演から3年、何かが始まって、もう一度スタートするには一番いい時間だと思っています。この公演が終わったら25歳。ボクは人生の指標を25でひとつ確立しなきゃいけないと、なぜかずっと思っていました。その時期にこのメンバーともう一度原点に帰れる。この時間を人生でもう一度体験できるっていうのは、ボクの人生にとても大きな時間になるだろうなと思っています」

Q：では、今の満島さんを見るには…

「今度の舞台が最高だと思いますね。来てほしい。目撃してほしい。これまで、テレビとか映画でボクを見ていてくれていた人たちは、まったく違うボクを目撃することになると思います。それだけでも、価値があります（笑）。ボクが出ているからではなく、この舞台を観に来た人たちは、人生とても得すると思うんですよ。自分の記憶に、常にずっと残るものになるようです。この記事を見てくれた方には、絶対にこの公演を観に来てほしいです。これもひとつの大きな縁だと思いますから」

Q大阪に来た時、必ず行く場所は？

「大阪では、吹田の“太陽の塔”に行きます。大阪には、5、6回ぐらい来てるんですけど毎回、この前の公演中も行ってます。今回だけ、日帰りなので行けなくて。ボクは岡本太郎に、というか、ずっと太陽に影響を受けていると思っているんです。この業界に入ったのもそうだし、3歳ぐらいから「ボクは太陽になりたい」と、ずっと母親に言っていたらしいんです。“太陽の塔”は、旅の最中に吹田で初めて見たんですけど、その時にとてつもないなにかを感じて、パワーをもらったような気がするんです。だから、“太陽の塔”には必ず行きますね。ボクにとって大阪の忘れられないパワーです。今度の公演中に、またぜひ行きたいと思っています」

【取材・文＝ドルフィンコミュニケーション】