【その1_3/8(土)公開!】乱交パーティに集まる男女8人を描いた話題作「愛の渦」。 主演の池松×三浦監督に直撃!
関西ウォーカー
新進気鋭の三浦大輔監督が若手実力派・池松壮亮を主演に迎え、自ら主宰する演劇ユニット「ポツドール」の戯曲を映画化した「愛の渦」【3/8(土)公開】。乱交パーティに集った男女8人の交錯する人間模様が描かれ、公開前から話題を集めている。
一見、エロくて奇抜な題材だが、性欲に踊らされる男女の滑稽な姿など思わずクスッとなってしまう。そんな人間のおかしな本質も映し出された、とても奥が深い本作を池松と三浦監督が語ってくれた。
─「愛の渦」は海外でも公演されるなど、劇団にとっての代表作の一つだと思いますが、監督ご自身にとってはどんな作品だったのですか?
三浦「この作品で賞をいただいたりと、長い付き合いになります。これだけ『愛の渦』が長い付き合いになったのは、誰にでも共感できる普遍的なものが描かれているからでしょうね。もともとは人のスケベ心が露わになる瞬間を見てみたいなと思ったのがきっかけで、その後からこの作品が持つさまざまな意味を後付けして自分でも理解していきました。計算しなくても奥の深い作品になる時はなるもの。だから、映画化まで至ったのかなと思います」
─舞台を映画化するにあたって、見せ方の違いなどでこだわった点は?
三浦「舞台では乱交パーティに観客も参加しているような臨場感や空気感を味わってもらうことに重きを置いていましたが、映画では登場人物の感情に寄り添って、彼らの感情をていねいに描くことで舞台と同じテーマで見せようというねらいがありました。ただ映像は、寄りを多用したりして、観客がその場にいるような体感を味わえるようにということは心がけていました」
─池松さんは監督直々のオファーがあっての出演で親の仕送りで乱交パーティに参加するニートの青年役です。作品のどんなところに惹かれたんですか?
池松「周囲からは作品の題材が題材なだけに、“大変だったでしょう”とか“よく出演を決断したね”とよく言われるんですけど、実はそういったことはまったくないんです(笑)。実際に脚本もおもしろかったですし、僕が脱いで作品もおもしろくなるんだったらそれでいいと思ったんです。激しい濡れ場のシーンはもちろん普段にはないシチュエーションを演じているわけなので、多少の緊張はありましたけど、おもしろかったですね」
三浦「共演者の演技に反応しながらお芝居のできる役者として真摯な人が、若い人だとなかなかいないんですが、池松君はそれができる希有な役者さんだなって思っていたんです。僕は、人間って奇麗なところところと汚いところが混在している生き物だと思っていて、池松君もさわやかな人を演じていても、ちょとした瞬間に黒いところが垣間見えたりする。演技力だけではない、そういうところもいいなって」
─池松さん演じる主人公は他人に心を開かず寡黙なため、表情のお芝居が多かったように思います。演じる上でのむずかしさはありましたか?
池松「この作品に限らず“セリフがないと演じるのはむずかしい”と思われがちなんですが、僕にとってはそうでもなく、むしろラッキーかなって…(笑)」
─主人公の寡黙さは、社会における自分の居場所のないからで、現代の寂りょう感が現れているような気もします。
池松「主人公みたく人に対する恐怖心は誰だってあると思いますが、僕には自分の思いを伝える“言葉”という武器があるから、こんなふうに取材でも自分の思いも話せる。でも、彼には社会性という武器がないから、あんなふうになにを考えているのかわからない人物になったんだと思いますね」
三浦「見かけによらず池松君演じる主人公が一番性欲も強いんです(笑)。普段、内にいろいろ溜め込んでいる分、肉体的に性欲という部分で反動が出てしまう。きっと人に求めてしまう気持ちが強いんだと思います」
※【その2】に続く
【取材・文=リワークス】
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