「好きなことをやって満足するだけでは終わりたくなくて…」。ハンサムケンヤが3/5に1stフルアルバム「アムネジア」をリリース。京都在住の彼が思うところとは!?
関西ウォーカー
外見や名前のポップなイメージだけでなく、楽曲が持つ癖の凄みに引き込まれるハンサムケンヤ。大学時代を過ごした京都に今も住むが、彼が他の関西のミュージシャンと違うのは、京都から抜け出せないと素直に言いつつも、京都だけ収まるつもりは毛頭ないというところ。独特なバランス感覚を持ちながらも、反骨精神を忘れない彼にじっくりと話を聞いてみた。
―メジャーデビューが2012年の秋で、そこからメジャーでは初となるフルアルバムを出すまで、意外と時間があったなとは思うんですが、いかがでしょうか?
「最初ミニアルバムをメジャーで出しているんですが、その前に配信限定も出してるし、僕自身は楽曲を書くペースは早い方なんです。だから、どんどん出したい。もう1枚ミニアルバムを出していますが、その後もシングルも出していますしね。とにかく少しでも早く曲を出したかったんです。アルバム制作決定してからも、まずは大量のストックの中から出したい曲を選んでいきました。でも、前作まではその作業だけだったんですが、今作はアルバムのために書いた曲もあるんです。普段はあまり意識していない、こういうエッセンスの曲が足りないから書いてみようという」
―今回みたいに新たに書き下ろす依頼をされるのはいかがでしたか?
「テーマを与えられたら与えられたで、僕なりのフックでそこに辿り着くだけなので、特に違和感はありませんでしたね」
―今回、特にバンドのダイナミックさを感じました。
「今回のアルバム製作も、前作と同じメンバーで、でもサポートという壁を越えてグルーヴ感がどんどん増しているように感じます。それまではデモの段階である程度の完成形を作って、それを再現してもらう感じだったんですが、今回はメンバーも色々アイデアを出してくれたりしましたね。新しいディレクターで作った曲も2曲あって、そこは自分でも予想しなかったアレンジに変わっていったり。だからこそ、おもしろかったですね」
―新しいメンバーともやるというのは良いですね。
「単純に好奇心がありました。当たり前のチャレンジ精神というか。せっかくソロでやっているんだから、新しいことも試したくなって」
―今回の前にシングルを出されていて、そこの2曲がまたアルバムでは違う聴こえ方がするのがおもしろくて。
「シングル曲という響きが、あまりしっくりこなくて。どの曲も同じような温度で作っていますし。僕からしたら、どの曲もシングルでいいので。ただシングルを出して、それがアルバムにも入るという当たり前の流れが、ようやく僕にも出来たのが嬉しかった」
―シングル曲もそうですが、基本的に癖を感じるのが凄く好きなんですね。何か、痛快なんですよ。
「僕の作る曲にはハッピーな歌もないし。曲を作るときに源になるのも、ストレスとか苛立ちですし。負の要素が多いんです。そこを歌うことに意味があるかなと。まぁ、そんな感情をしみったれた曲にしたら、ただただ落ち込むだけなんで、ロックで歌い上げると、おっしゃって頂いたみたいに痛快感があるのかもですね。それを聴いて一番報われているのは、僕じゃないかなとは思いますけど」
―京都という街との相性の良さも感じるんです。
「18まで熊本にいて、京都に来てまだ8年なんですけど、熊本以上のゆったりさを京都には感じます。メジャーにいってから、頻繁に東京に行くようになって、東京の流れる時間の早さを感じるんですね。なので、京都に帰ってくるとホームだと思いますね。熊本に帰ったときよりも、京都に帰って来たときの方がホームに帰ってきたと感じます」
―京都って、独特じゃないですか。
「悪く言うと抜け出せない街ですよね。売れる売れないに関わらず、おもしろい音楽は多いんです。でも、個人的には好きなことをやって満足するだけでは終わりたくなくて。そんな反骨精神を持ちつつも、京都からは抜け出せないんですけど(笑)。京都は右に山があるとか、場所を把握しやすいのも安心感があるんです」
―京都含め関西って、ほんまに凄い人が多いと思うんです。でも、見せ方の問題で普通に埋もれている人が多くなっちゃうんですけど…。そんな中、ケンヤ君はちゃんと多くの人に届けたいという意思を感じるんです。
「リスナーにどう見えるか、聴こえるかというのは意識して作りたいとは思っています。関西には、自分主体でおもしろい曲を作っている人が多いんですよ。でも、それをどう広げて行けばいいかとなると、あまり考えてなかったり、最初から諦め気味の人が多いんです。僕はおもしろいことはしたいけど、おもしろいだけのミュージシャンにはなりたくないので。だから、MVやアートワークにも拘りたいし、色々と考えてはいます」
―メジャーでも独自の立場を保ってる感じがします。
「今までと変わることなく、好きにやらしてもらってるなとは思いますよ。ちゃんとロックサウンドをライブハウスで聴かせていきたいし、ソロだからこそ試せることも試していきたい。何をやっても、おもしろがれますから。今の時代はメディアが多過ぎるので、こちらも何か独自に目立っていかねばなと思っています」
―色々お話が聞けました。ありがとうございました。
【取材・文=鈴木淳史】
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