1年ぶりに帰ってきた尼崎出身のF1ドライバー、小林可夢偉を直撃!
関西ウォーカー
F1デビュー当時から関西ウォーカーが注目するF1ドライバー小林可夢偉が帰ってきた! チームはケータハム。参戦する11チームの中では最も新しいチームのひとつだ。ゆえに2012年日本GPで日本人として3人目となる3位表彰台を獲得した、可夢偉の実績と経験が評価された。久しぶりにレースに復帰する可夢偉に、その胸中を聞いた。
―おかえりなさい! 関西ウォーカーとしては、本当に可夢偉選手がF1に帰ってきてくれたことを喜んでいます。以前、一緒に記事を作らせていただいたみたいに、またよろしくお願いします。
小林「こちらこそ。またお世話になりますね」
―1年ぶりの復帰ですが、ケータハムに決まったのは?
小林「トニー(・フェルナンデス代表)から直接電話があったんですよ。“おまえに賭けたから”と。1月の中旬くらいでした」
―そのときの気持ちは?
小林「あっ、戦いがはじまるな、と」
―レースということ?
小林「それもあるけど、F1はすべてが戦いなんですよ。準備期間やテスト期間も含めてね。だから単にレースをするということだけじゃなく、F1のフィールドに戻るということに対して、“戦いがはじまる”と思ったんですよね。そういう気持ちに一瞬で変わりました」
―まさにスイッチが入ったんですね。そこからは具体的な話ですか?
小林「そうですね。準備はしてましたよ、もちろん。ただ、より具体的な準備にシフトしました。テストに向けて、なにをすればいいか。開幕までなにをすればいいか…とにかく時間がありませんでしたから。バタバタでしたよ。そのままの流れで、あっというまに開幕を迎えたというのが実感ですね」
―開幕戦のオーストラリアGPを迎えたときのお気持ちはいかがでしたか?
小林「もちろん、すごくワクワクしましたよ。久しぶりにF1でレースができるわけですからね。自分のいるべき場所に戻って来ることができた、と。ただ、今年はF1のルールが大きく変わっています。新しいエンジン、新しいシステム、新しい予選スケジュール…開幕前に十分な準備ができなかったために、チームと一緒になってやることがまだたくさんあるんですよ。おそらく戦いながら、いかにパフォーマンスを上げていくかが、これからのポイントになっていくと思います」
―チームとのコミュニケーションは?
小林「問題ないですし、むしろ手ごたえを感じています。ただ、とにかく開幕までは時間が足りなかったんです。できる限りのことはしているんですけどね。あとはとにかくレースを走って、データを集めていくしかない」
―その意味では序盤戦が重要ですよね? なにか御自分の中で設定している目標はありますか?
小林「とにかく完走することです。それはイコール距離を稼ぐということ。距離を走ることができれば、チームにデータが蓄積されていきますからね。そうすれば開発に向かっていける。…それをやることですね」
―まだ準備を続ける必要があるということですね。
小林「そうです。序盤から、どーんとパフォーマンスを出していける状況では正直、ちょっとありません。ですから最終的にシーズンを終えたときに、自分たちがどんな1年を過ごせたかを見た方が、いまのチームにとっては大事なことだと思っています。焦らず、しっかりと着実にやっていくことが必要。そのためにはとにかく、時間と距離を稼いでいくことなんです」
―チームメイトは新人のエリクソン選手。チームが可夢偉選手さんに期待していると感じることはありますか?
小林「直接“期待してるよ”という言葉があるわけじゃないですが…僕が話すことを信じてくれています。だからコミュニケーションも信頼関係も、テストのときから問題ないです。それを続けていくだけですね」
―最終戦まで戦っていく中で進化すれば、結果はついてくる、と。
小林「日本GPまでには14戦ありますからね。それまでにはいいクルマをつくって、日本に帰ってきたいですよね。自分としては、これまで鈴鹿ではいいレースができていますから、それを今年もできるようにしたいと思ってます」
―クルマは2年前とは違いますか?
小林「ぜんぜん違いますね。エンジンも、ギアも…本当にすごい変化。いろんなところが変わりまくってます。ちょっと驚くくらい。音も違うし、シフトアップのタイミングも違いますからね」
―慣れました?
小林「まぁ、それも時間と距離が解決してくれるものですよ。みなさん、今年のF1のフォルムに最初は慣れないかもしれないけど、シーズンが進むうちに違和感がなくなっていくと思うんです。それと同じです」
―ここでちょっと質問の傾向を変えますね。暮れにオーロラを見に行かれていますよね。なにをお願いに?
小林「その時点で、自分としてはやれることはやりきったと思ったんですよね。それで、後はなにをしようかと思ったときに、“オーロラにお願いしにいこう”と」
―なぜ、オーロラに?
小林「お願いすると叶うというじゃないですか。本当かどうかはわからないけど。でも、F1に戻れたのは確かだから。お願いしてよかったなと思っています」
―F1復帰が決まってから、地元に戻られましたか?
小林「いやいや、本当にバタバタで。全然帰れませんよ。開幕前に東京でプロモーションを少しするのが精一杯でした」
―地元に戻るのは鈴鹿までお預けですかね。地元に帰ったら、何がしたいですか?
小林「うーん…銭湯に行きたいな。僕の昔住んでいた家の隣が銭湯だったんですよ。近所のおじいちゃんやおばあちゃんが通ってくるような、普通の銭湯。実際、尼崎って銭湯だらけなんですよね。だから子どものころは、家の風呂より隣の銭湯という感じでした。それに意外に温泉よりも、昔から通っていた銭湯のほうがおもしろいんですよね。おじいちゃんやおばあちゃんしかいないですけど…それが自分にとってはアットホームな感じで。なんか、いいんですよ。風呂上りのフルーツ・オレは格別だしね。…久々に銭湯に行きたいですね」
―では、最後は関西のファンに向けてのメッセージをお願いします。
小林「F1に戻ってくることができて、自分が何をすればいいかは、わかっています。ただ、それをどれくらいのスピードでやっていけるかがポイント。できるだけ早く、しかし確実に理想に近づけられるよう、着実に進んでいきたいと思います。応援をよろしくお願いします」
【取材・文=長嶋浩巳(IGNITION)】
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