劇団イキウメの「関数ドミノ」完全版が上演中！

「地下室の手記」「片鱗」（ともに2013年上演）で第21回読売演劇大賞優秀演出家大賞を受賞した前川知大が主宰する劇団イキウメの「関数ドミノ」の東京公演がシアタートラムにて上演中。人間の妄想が現実社会を魔界に転じさせてしまう恐怖を描いた本作品は、2005年初演、2009年の再演を経て、今回再々演となる。

「再演される演目では最も古い作品で、荒削りなところが残るので完全版を作りたいと思いました。被害妄想全開のアンチヒーローが世界を説明する話です。見どころは、ネガティブシンキングの行き着く先を見届けていただければ」と作品をシンプルに解説する前川。3度目の上演にあたり、最新版はキャラクター設定など全般に及び変更、セリフも半分以上新しいものにしたという。

「初演から同じ役をやっている人はいません。09年版と同じなのは浜田信也だけですが、キャラクターがまったく変わりました。調子いい兄ちゃんから、意識高い系のナルシストに。みんなの実年齢と共にできる役は変わっていきます。俳優としての腕が上がり、表現の幅が広がっていると思います」。

セリフやキャラ設定変更などでアップデートした新型「関数ドミノ」は、初演、再演時とまた違った作品として楽しめるはず。東京公演は6月15日（日）まで、大阪公演は6月20日（金）～22日（日）ABCホールにて、ラストは前川の地元新潟にて、6月29日（日）りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 劇場にて上演される【東京ウォーカー】