FUNKISTが約2年ぶりの4thアルバム「Gypsy」を発売し、6/14(土)にライブ。 染谷(Vo)とヨシロウ(G)に直撃!
関西ウォーカー
2011年10月フルーティスト・春日井陽子の他界、2013年1月ドラムの脱退を経て、5人メンバーとなった、FUNKIST。新作『GYPSY』はそんな状況を乗り超え、“進化”した彼らの音と歌が存在する。彼らがどんな思いで制作に向かっていったのか、ボーカルの染谷西郷とギターのヨシロウに話を聞いた。
――新作『Gypsy』は“進化”という言葉がリアルに実感できる内容の濃い1枚になりましたね。去年の1月にドラムが脱退、その後5人で活動をしていく中で、いろんな思いが詰まっていると思うのですが。
染谷:陽子ちゃんのことがあって、前作『7』を出して、そのときから陽子ちゃんも含めたFUNKISTらしさを守って表現し続けたいと願ってやってたんですけど、去年の1月にドラムが抜けて、正直すごくショックで。「7人でやるんだ」ってずっと思ってたのに、「やっぱり5人でもやります」っていうのは違うんじゃないかってすごく悩んだし。「どんな顔をしてFUNKISTをやればいいんだ?」ってすごく考えて、最初はソロ活動で音楽を続けていこうと思ったんです。で、弾き語りでライブをすると思ったときに、1人でギター弾きながら歌うんだったらサポートでヨシロウを入れたら面白いだろうなって。それだったら宮田もサポートで入ったら俺ギター弾かないで歌えるとか。って考えてたら、「あれ? 俺、FUNKISTでやりたかったんだ」みたいな(笑)。いつの間にか根本を見失ってたことに気付いて、「俺、こいつらと音楽をやりたいからFUNKISTをやってるんだ」って。5人でもFUNKISTをやろうと。
ヨシロウ:で、このメンバーで何が出来るかなって考えたときに、自分が思ってたFUNKISTを1回ばらして作ったものにFUNKISTらしさが見えるんじゃないかって。これを作るときは最初の頃に戻ってというか、みんなの好きなことをやってみて…。
染谷:この5人で作れるもの、作りたいものを作ろうって。だからこそむき出しで5人の音楽を思い切り作ってみようってところでぶつかり合いながら作ったのが、今回の『GYPSY』ですね。
――曲が完成していく流れも今までと違ったんですか。
ヨシロウ:そうですね。ドラムが基本的にいないっていう状態だったんで。
染谷:今までは俺が作詞作曲をしてスタジオでみんなでセッションしながら作ってたんですが、今回は曲によっては……例えば「5 seconds」はヨシロウが作曲をして、それをオガチがプログラミングして機械の中で音を作っていって。結構その曲が8ビートなロックで疾走感のあるビート感できたんで、逆に俺は自分の得意分野に引き込んでやろうっていうのがあるので、ジャマイカンリズムとかレゲエフィールなメロディーをそこに乗せて歌詞を投げ返して。それを今度はヨシロウが、そうくるならアレンジをこっちに変えていこうみたいな…。
ヨシロウ:リフを変えたりとか。打ち込みでやってると、普段だったら使わないようなことも「これ面白いな」ってなってきて。今までのFUNKISTではないなっていうことも、「これはアリだな」みたいなのが見えてきたりして楽しかったですね(笑)。
――今回ギターも楽しそうですよね(笑)。
染谷:ジャリンジャリンしてます(笑)。
ヨシロウ:楽しくやってますね(笑)。
――しかも今回はもともと持ってるものがより強くなってるなって。
染谷:そう感じてもらえてうれしいです。僕らも1曲1曲を抜粋していくと、今まで以上に尖っていたり、いろいろ挑戦したのに全曲を聴き終わったら、「すげえFUNKISTっぽいな」って(笑)。ここまでやっても俺らなんだなって感じがすごくしました。
――ハウスっぽい曲もありますけど…。
ヨシロウ:FUNKISTっぽいですよね(笑)。
――はい(笑)。あと、メッセージにより強さを感じました。
染谷:結構2年の中で挫折じゃないですけど、2回も砕けてしまったので、今までだったら言い切れてたことが、ある意味言い切れなくなったんですね。それがもしかしたらすごくリアルだったり…例えば、「5seconds」で言えば、1年後とか10年後の未来は誰にもわからないから、5秒先に命を燃やしてみようぜっていう。でも、そういうことがあった俺らだから「諦めるな」って言葉で届くはずだよなってサビで言い切ったし。あとバラードの「Blind world」は、今までだったら「問題と向き合って」とか「壁とぶつかって」って、きっと表現してたんですけど、初めて「見なくていいよ」っていう歌詞を書いたんですよね。それはやっぱ自分達が向き合えないぐらいの現実があったときにファンの人達が「変わらずFUNKISTを応援してるよ」とか「早くライブハウスに帰ってきてよ」って言い続けてくれて。で、ライブに行ったらいつも笑顔で来てくれて。向き合えない現実があったときに、目を覆い隠してくれる存在もすげえやさしかったりしたんだなって、今だから思えたりして。だから歌詞はそういう意味では今までよりもすごく強くなった部分もあるし、弱さも含めてFUNKISTなんだなっていう感じがすごくしてる。もしかしたらそれを表現できるようになったことが強さなのかもしれないし。
――音楽に込める気持ちにも進化があったんですね。
染谷:この2年間はいろんな人に支えてもらって。続いてることが奇跡みたいなことだし。このアルバムは今まで支えてくれた人達の背中を今度は俺らが押そうっていうのが明確にあったんです。背中を押してもらいっぱなしだったから、このアルバムを出してライブに来たときはライブ会場に来た全員の背中を押してやろうぜって。
ヨシロウ:だから、結果こういうサウンドになった感じですね。
――今度はみんなの背中を押してあげようって思えるところに今しっかり立ってるんでしょうね。
染谷:そうですね。やっとそこまでこれたっていう感じですね。時間かかっちゃったけど(笑)。
――清々しい感じですか。
染谷:ワクワクしてますね。早くライブでやりたいっていう。なんか、初めて作ったときみたいな感覚でアルバムを作って。ライブ自体も初めてライブするときみたいな新曲中心のライブなんで、何が起こるか自分達でも予想出来ないですね。
ヨシロウ:背中を押します!!
【取材・文=村田圭子】
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