不況で“機能性飲料”が台頭するワケ

東京ウォーカー

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3月末に発売されたカルピスと味の素のコラボ商品「LacLac(ラクラク)」や、4月に登場したアサヒとカゴメの「Spo-Vege(スポベジ)」などの新感覚フレーバーの機能性飲料は、業界の内外から注目を浴びている。なぜ、今機能性飲料が続々登場しているのだろうか?

「今の時代は消費者が“よくばり”になっています。みんな健康・自然志向だけどストイックではないんですね(笑)」。こう分析するのは、「LacLac」開発担当のカルピス・飲料事業部の江尻昌弘さん。飲料メーカーが新しいタイプの機能性飲料を投入してくる背景には、年々高まりつつある消費者の健康・自然志向がその背景にはあるといえる。

「ここ2〜3年は、カロリーも甘味もない緑茶などが人気でした。しかし、この不景気の影響でお茶やミネラルウォーターは家で用意しようという方が増えたんです。そこで、メーカーにしかできない味が楽しめて健康的な商品をつくることにしたんです」(江尻さん)。

カルピスは、乳性飲料・炭酸飲料の売れ行き好調である点に着目し、消費者が甘みのある飲料を求めていると結論付けた。健康的で味もある飲料ということで、既存ブランドが寡占状態にある機能性飲料市場がターゲットとなった。

「カルピスと味の素のグループ会社同士でコラボ商品を出すことになり、弊社もカルピスに代表される“白い飲料”だけではない新ジャンルを切り開きたいと考えていました。今のトレンドは、機能性飲料市場にテコ入れするにはいいタイミングだったんです」(江尻さん)。

こうして共同開発で完成した「LacLac」は、“植物性乳酸菌”という言葉で消費者の自然志向に応え、カロリーも100ml中15kcal以下に抑えた“おいしくて新しくてカラダにやさしい”リンゴ味の機能性飲料となった。グレープフルーツなどの柑橘系の味が多い機能性飲料の中で、リンゴ味のものは珍しい。

「『LacLac』は今までになかったリンゴ味の“止渇飲料”として、定番化を目指しています」(江尻さん)。スポーツシーンに限らず、仕事終わりで一息つきたいときなど、日常的な水分補給にゴクゴク飲んでほしいという。

一方のアサヒ飲料がカゴメとコラボした「Spo-Vege」は、ニンジンなどの野菜汁を1.5%使用した“野菜入り”をウリにした飲料。野菜ジュース特有のドロドロとした舌触りはなく、後味はさっぱりとしいて、こちらもゴクゴクと飲める仕上がりだ。

「消費者の“ナチュラル志向”や“健康意識”の高まりを感じ、『体を動かす』『野菜を摂取する』という両方の良さを取り入れられないか、と開発しました」と商品開発を担当したアサヒ飲料の西門紀昌さんも消費者の“よくばりな要望”も意識したようだ。「LacLac」と違い、スポーツ後の使用を念頭に置き、スポーツシーンで活躍する機能性飲料として、寡占状態の市場に風穴を開ける目論見だ。

要するに機能性飲料が続々登場するワケは、不況下における消費者の“よくばりなニーズ”に応えることにありそうだ。

この“よくばりなニーズ”に企業がコラボして応える「LacLac」と「Spo-Vege」は、新しいポジションを確立できるだろうか? 今後に注目したい。【東京ウォーカー/中道圭吾】

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