【その1】6/18にメジャーデビューしたWiennersって? でんぱ組.incへの楽曲提供でも知られるVo.玉屋2060%に直撃!
関西ウォーカー
_まず、今回のトピックはやはり「メジャーフィールドへの進出」ということになると思いますが、メジャーという場所は皆さんにとってどういう意味を持っていますか?
玉屋2060%(以下、玉屋):なんか、僕らはそこ(メジャーデビュー)に対してそんなに重く受け止めてないというか。言っちゃえば「流通が変わっただけ」っていう認識くらいで(笑)。もともと自分たちがメジャーでやるなんて考えてもいなかったし、メジャーという場所に対して凄い執着があったわけでもなかったので。でも、今までより多くの人の目に触れることになって、僕らの音楽を聴いてもらえる機会が広がったという意味では、僕ら自身が気を引き締めるいいきっかけになりましたね。雰囲気的には『ハタチになりました』って感じです(笑)。しっかりしなきゃなっていう(笑)。やっぱり、一番の目的は自分がかっこいいと思うことを一番いい状態でやりたいってことなんですけど、自分が「いいな」と思ったものを、世の中のどれくらいの人が「いいね」って言ってくれるのか?という実験みたいな気分ですね。
_以前、何かのインタビューで「自分たちのようなバンドが日本のポップスシーンに認知されれば面白い」と仰っていたんですけど、確かにみなさんのようなバンドがメジャーに存在しているということはすごく面白いし、期待できるところですよね。
玉屋:そこに関してはすごく意識しているところがあって。それこそ、メジャーだろうがインディーズだろうが、バンドとして上を目指して行くという行動自体は変わらないにしても、やっぱり僕たちのような“異物的”なバンドがメジャーで音楽をやるということが、メジャーフィールドが面白くなるきっかけになればいいなとは思いますね。最近のバンドはすごく面白いバンドも多いんですけど、何ていうのかな、売れるためにとか、バンドを継続していくために、やらなきゃいけないことが決まっちゃってるような気がしてて。
_それって何だと思われますか?
玉屋:例えば多種多様なお客さんとコミュニケーションをとるために『解りやすい曲』にシフトしないといけない、とか。そもそも音楽は解りにくいものであってはいけないという暗黙のルールがあるような気がしてて。僕らはわかりやすくするっていうよりも…たぶん多くの一般層の方々は、僕らが今まで聴いてきた音楽とかやっている音楽ってなんだかよくわからないという方のほうが多いと思うんです。でも、それを自分たちのやり方でどう説明するかってことに置き換えて考えるようにしていて。理解してもらうためにやり方を変えるんじゃなくて、『これがすごいやりたくて、これがいいと思っているんです』というのを、どうやって見せていくかということを真剣に考えるようになりましたね。
_嬉しいのが、音楽的にもパフォーマンスにしてもすごく挑発的なことをしているじゃないですか。今回のアルバムでは特に『FUCK OFF』って…大丈夫だったんですか、これ(笑)?
玉屋:いや〜〜これも一悶着ありまして(笑)。あまり何も考えずにやっちゃって、そこからして、もう世間と自分の倫理観がズレまくっているっていう(笑)。ギリギリのところで逃げおおせてるんですけど(笑)。でもこの曲は対外的なものじゃなくて、この曲を作っている時の自分がほんとにどうしようもなくて、歌詞も出てこないし『こんな俺はクソだな!』と思って、自分に向かって吐いた言葉なんですけどね(笑)。
_自虐的な歌詞ですよね(笑)。「天地創造」はもう、さっき丁寧に説明してくださった「大衆の方にどう理解してもらおうか」っていう気持ちがまったく汲み取れないほどマイワールドが炸裂してますけど(笑)。まず「これ、何語?」っていうところからね(笑)。
玉屋:あ、これね!(笑)。これは、サンスクリット語で『光り輝くものたち』を並べているんですよ。生命だったり太陽だったり。この曲でサンスクリット語を使ったのは、民族的な語感が欲しかったっていうのがあって。民族音楽的な雰囲気の曲を作りたくて、意味合いよりもむしろ耳障りの良さを探してたどり着いた表現なんです。
_確認があとになりましたけど、何かの宗教に傾倒していらっしゃるなら、先に言ってしまって…
玉屋:いやいやいや、全然ないですから(笑)。でも、その感じにちょっと惹かれるところはありますね。インドがすごい好きなんですけど、ヒンズー教とか、そこで説かれている死生観なんかは、すごく精神的にもリンクするところがあったりします。おもしろいなって。自分のなかで一番大事にしていることが「音楽以外の趣味を如何に音楽に投影するか」っていうことなんですよ。
_例えばどんなご趣味があるんですか?
玉屋:天地創造の世界観にもなっている宗教民族のこともそうですし、あとはサッカーも好きです(笑)。
_あ、意外と普通(笑)。
玉屋:笑。あと、個人的な趣味だけじゃなく、記憶だったり瞬間的な感情だったりも音楽にすごく影響しますね。アルバムの最後に入っている「雪国」という曲は、僕の父の田舎が秋田なんですけど、北国なんで当然真冬は豪雪なんですよね。もの凄く雪深い景色を見た、僕のただの記憶から出来た曲なんです。そういうものをぜんぶ素直に音楽に映すことが出来たら、僕たちの音楽は、もっとパーソナルな存在に…自分たちにしか出来ないものになっていくんじゃないかなって思いますね。
※【その2】に続く
【取材・文=三好千夏】
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