【その1】7/17（木）～21（祝）、伝説のユニットが大阪で復活！ 15年ぶりにそろった「大田王」とは？ 3人を直撃！

その昔、「大田王」というユニットがあった。“ただただ楽しむことを目的として作られた演劇ユニット”だった。96年に川下大洋と三上市朗が、2人の名字の漢字を重ねたネーミングで「田王」を結成。大王こと後藤ひろひとが加わって「大田王」となり、97年・99年と上演したのち、姿を消した。今回、ABCホールのプロデューサー・山村啓介が、「今まで観た舞台で一番楽しかったのは『大田王』だった」と声を掛け、プロデュース公演として幻のユニット「大田王」が復活、第3弾の上演が15年ぶりに実現する。関西小劇場の演劇人たちが劇団の枠を超えて結集、本気でバカの限りを尽くす舞台。ワールドカップ開幕を控えた6月、99年8月発売の関西ウォーカーに掲載された「大田王」3人の記事を前に、久しぶり揃った3人。15年を経て、平均年齢48歳となった彼らが繰り出す“笑い”への心意気を、爆笑を交えたロングインタビューで。

Q：「大田王」の思い出は？

後藤「よくさ、途中で笑って中断なんて、全部の公演であったね」

川下「あったね」

後藤「一個もイヤな思い出がないね、これ。どっかで衝突したとか…」

三上「それは、なかったね」

後藤「一切ないよね、これに関して」

Q：これまでに3人で「大田王」をやろうという声は？

川下「特になかったですね（笑）。だって、三上は横浜に住んでるし」

後藤「仲悪くなったことはないけど、それぞれ15年もたってるうちに、やる道がちょっと変わっちゃった。ま、川下とは一緒に『Piper』やってますけど、『Piper』自体がまた公演も打たず。やりたいことがちょっとずつ変わっていって、気が付いたらいろんな距離がみんなの中に出来ていて。でもそれは距離だけであって、溝じゃなくてね。いい機会だったですね、ABCホールの館長から言われて」

川下「うん。いつでもできるやんって思ってたら、なかなかやらないっていう典型的なパターンかもしれないね」

Q：今回、復活のお話をABCホールから…

三上「ちょうどやりたいなっていう、ボクの気持ちと重なってたところもあるので。ちょうどいい感じ。そうですね、夏だし」

2人「季節の話？（笑）」

後藤「ま、でも、お祭りっぽいね」

三上「ま、だから、やるにはいいタイミングなのかなって。自分たちの気持ちと合わさって、いいんじゃないかなと」

Q：今回の内容はまだ？

3人「何もできてないです、これからです」

後藤「毎回そうだったんですけど、全員が一人ひとネタずつ提供しろっていうルールにしてたんで、まだ出演者全員が顔合わせるまでは、何をするかがわからないんですよ」

川下「写真撮影の時に集まって、感触確かめ合いはしたんですけど」

後藤「それまでに連絡取り合って、なんかやりたいこと一個用意しといてよ、っていうような言い方をして、稽古スタート、ですね。それとプラス、前のを覚えてくれてる人たちが、もしいればですけども、あれはもう一回見たいだろうなっていうようなものは、昔のものを今もう一回やってみようと思いますけど。『田王』以外はビデオが残ってるので」。

Q：テーマは？

川下「テーマは『スタートレック』、『スターウォーズ』、『ミッション・インポッシブル』ときて、今回は『バックトゥザフューチャー』なんですけれども」

後藤「でも、それしか決まってないですから、ええ。多分、時間旅行もので、みんな何かネタを書いて来たりするんでしょうね」

三上「これは前あったキャラクターみたいな、だけの話であって、別にこれをやるっていうに決まってもないし」

Q：全体的にはバラエティショー？

後藤「そういうことになるでしょうね、うん」

三上「なんかわかんないですよ、次は。次、ひょっとしたらみんなで最初から最後までプロレスやっるかもしれない」

後藤「笑　ま、わかんないもんね」

Q：全然決めてないんですか？

3人「は～い。全然決めてないで～す！」

後藤「だって、今ガッツリ決めて、この公演の時に一番の旬であろうワールドカップがまだ開幕してないわけですからね。だと、時代に乗れないヤツらになっちゃうわけじゃないですか。ギリギリまで何するかわからないし、その日その日でやることが違うってこともあると思います」

2人「うん、うん」

後藤「ガッチリした演劇をやるわけじゃないんで」

※【その2】に続く

【取材・文＝ドルフィン・コミュニケーション】