自宅の水族館化が流行?アクアリウムの深世界
東京ウォーカー(全国版)
独創的な水族館が多くなり、巷ではちょっとした「水族館ブーム」。9月23日(火・祝)まで開催中の日本橋「アートアクアリウム」では、来場者累計が300万人を突破する勢いだ。そんな中「観るだけじゃ物足りない」と、自分専用の水族館=アクアリウム、を楽しむ30~40代男性が急増中。景気が上向き、趣味にお金をかける余裕が出てきたことが一因とも言われる。観賞魚として流通する種類は1000種類を優に超え、中には100万円を超えるような高価な魚も。その奥深い世界を探ってみた。
きっかけは子供にねだられたり、CMやドラマのシーンに登場する水槽や魚が気になった、という人が多いようだ。家族を喜ばせるため、インテリア感覚で導入し、やがてハマってしまうパターンが定番らしい。都内の人気ショップ「東京サンマリン」の城 剛史ゼネラルマネージャーによれば、「もともと財力に余裕のある30~40代がメイン客層だったのですが、最近では好景気からか、初めから高級魚を飼う人が増えています。定番の魚よりも、自分が飼いたい魚を突き詰めて、より“ディープに楽しむ”流れを感じますね」。
では、どのような魚がウケているのだろうか? 魚の価格にはかなり差があり、安いものは1匹数十円、高いものだと1匹100万円を超えるものまである。価格は稀少性の有無によるので、数の少ないレアな種類や、同じ種類でも色彩が変わっているものなどがより高価に。初心者へのオススメはエンゼルフィッシュやグッピーといった、いわゆる定番の種類が挙げられ、これらは数百円ほどで購入できて人気も高い。
自分の趣味にそこそこお金をかけられる人には、個性的でユニークな魚が人気。例えば日本伝統の金魚。中でも優れた血統や有名ブリーダーが育てた高級金魚は数万~数十万円と高価だが、立派な個体はオーラさえ漂うとも言われ、愛好家を魅了してやまない。より個性を求める人に人気なのが色彩変異個体。黒い色素が無いアルビノ個体や、黄色い黄化個体、全身が白銀に輝くプラチナ個体など。これらは突然変異で生まれた色彩変異個体で、種類によっては非常にレアなため高価で販売される。例えば北米原産のアリゲーターガーのプラチナ個体は、100万円以上の値が付くことも珍しくない。通常の個体とは異なる体色をした魚は、美しいだけでなく、どこか神秘的だ。
魚だけでなく水草も隠れた人気。水草というとアクアリウムを演出する“魚の引き立て役”と思っている人が多いはず。だが、この水草のレイアウトに情熱を傾ける人も多い。彼らはいろいろな水草を繁茂させてレイアウトを作り、水中風景を楽しんでいる。逆に魚はその風景を彩る味付け。いわゆる水草が主役で魚が脇役というワケ。実は毎年、世界中の水草ファンが参加する「世界水草レイアウトコンテスト」(アクアデザインアマノ主催)が開催されており、応募総数は2000点を超えるほど人気のジャンルなのだ。
上手に飼っていれば繁殖が楽しめる魚も多い。「自分で殖やした魚を仲間と分け合うなど、この趣味を積極的に楽しんでいる人も多いですね」と語る前出の城氏。難易度が高い魚を繁殖させた時の達成感は、普段の生活では味わえないもの。ツウになると、繁殖時にデータを取り、より難易度の高い魚の繁殖に応用するなど、そのハマりっぷりはまるで研究者のようだ。親が一生懸命育児をしたり、口の中で卵や稚魚を保護するという強者までいるから面白い。
自宅で自分だけの水族館を満喫できるのがアクアリウム。家族と一緒に楽しんだり、レアで個性的な魚を飼育して悦に入ったり、繁殖シーンを観察して大自然の神秘を体感したりとその楽しみ方はさまざま。定番の熱帯魚なら飼育器具込みで1~2万円ほどで飼育がスタートできる。水族館で魚を見るだけでは物足りない人は、この機会に自宅を水族館にして、アクアリウムにハマってみてはいかがだろう。【東京ウォーカー/記事提供=週刊ジョージア】
※記事の内容は、無料スマホマガジン「週刊ジョージア」から一部抜粋、再構成したものです
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