06年の伝説のホラー舞台「山犬」が、オフィス鹿プロデュース公演第2弾として上演中

2014年8月12日 12:45更新

東京ウォーカー(全国版)

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劇団鹿殺しを運営するオフィス鹿。ことし一月、Coccoを主演に上演したプロデュース公演「ジルゼの事情」に続く第2弾の作品「山犬」の東京公演が上演中だ。06年に発表されたこの作品は、密室に監禁され追いつめられた人間たちの愛憎劇と不思議な世界観が話題となり、当時のWOWOWでも放送された。リクエストの多かった再演が今回ついに実現、作・演出・出演の丸尾丸一郎の作品への思いを聞いた。

「僕は劇団鹿殺しでは作家なのですが、どうしても演出をしてみたかったのです。で、06年に鹿殺しオルタナティブズというユニットを作って、『山犬』を書いて上演しました。だから、『山犬』は僕の演出したい・お芝居を作りたい願望が最も強く出ている作品です。劇団鹿殺しの座長・菜月チョビのカナダ留学で劇団が充電中の今、『山犬』を再演して、もう一度お芝居を作りたくてたまらなかった気持ちを取り戻したいと考えました」。

物語のインパクトも強いが、今回のキャストもまた個性派ぞろい。「作品の根底に流れるものは人間の歪みであったり、深い愛情です。で、その歪んだ人間を演じるのが、鳥肌実さん、森下くるみさんをはじめ、さまざまな分野で活躍していた歪んだ人ばかり。舞台上は異種格闘技のような状態になっています(笑)。実は、『山犬』の初演を上演する際、登場人物が歪んだ人間であるホラー作品ということで、参考にしたのが鳥肌さんでした。You Tubeで見て、みんなで真似していました。だから、『山犬』に鳥肌さんに出演いただくことは夢のようです。鳥肌さんは劣等感の固まりですし。森下さんは何度か劇団鹿殺しの作品を見ていただいていて、その時にお会いすると、透明感の中にもどこか影がある。『山犬』のユキという主人公そのままだと思い、狙い続けていました。初舞台だがとにかく飾り気がなく、生傷を作りながら汗をかく。スポンジのようにどんどん吸収していくので、演出しがいがあります。ISOPPさんは、世界的なブレイクダンサーですが、今回はあえて踊ることは極力封じ込めています。そうすると、何もしないISOPPさんの人間力だけが浮かんでくる。ISOPPさんは魅せ方、演技力、頭もとてもよく。とにかく本当に作品を共作する上でとても楽しかったです」と丸尾自身が大満足しているキャスティングは舞台を見れば、その強さが伝わってくる。

稽古場ではホラーならではの苦労があったようで、「ホラーなんで、工事用の電灯を灯して薄暗い中で稽古していました。稽古場の周りの人たちは気持ち悪かったと思いますよ。薄暗い部屋から、『ギャー!』とか『ウオーーー!』とかだけが聞こえてくるわけですから。あと、鳥肌さんとISOPPさんの運動能力のギャップがすごい。鳥肌さんは幼児、ISOPPさんはオリンピック選手並みといった具合に違う…(笑)」と手厳しい言葉も。

「ホラーは苦手という人もいるでしょうが、『山犬』は演劇作品としてもとても骨太でしっかりしている。キャストも異ジャンルから呼び集め、舞台セットも現代アートのよう。すべてがバラバラで、でも作品として同じところに到達しようとする。そんな得体の知れない舞台になっているはずです。是非、劇場で目撃してください!」【東京ウォーカー】

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