<その2>【10/3(金)~】新作歌舞伎「GOEMON」で片岡愛之助が大阪松竹座に登場!

関西ウォーカー

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※【その1】の続き

Q:重い衣裳で走ったり、“つづら抜け”も大変でしょう?

楽なことはないですけどね(笑)。“つづら抜け”は、誰がやっても大変なことは大変ですよ、怖いですし。走るのは、しんどいですね。衣装も頭(かつら)も重いですよ。普通の衣装と違って綿入れですから、何十キロとあります。だから、通常は座って「絶景かな、絶景かな」ぐらいで、ちょん。あれを着て立ち廻りとか走り回ったりしませんよ、普通。筋肉、付きますよね(笑)。でもね、お客さんに喜んでいただけるでしょ。

Q:歌舞伎役者の方たちは、アスリート並みの体力ですねぇ。

慣れじゃないですか? 日常的にずっとそういうことをやらせていただいていると、あまり大変に感じなくなりますね。ほんとに、限界の限界を超えていくと、多少何をしてもそんなにしんどくない。それは思います。

健康にいいんじゃないですかね? 毎日動いてますから(笑)。ジムへ毎日通いますか?しんどいとき休みたいでしょ。でもボクら、しんどくても休めないんですよ(笑)。そうすると必然的に動く、絶対に走らなきゃいけない。だからある意味、健康なんじゃないかと思います。

Q:愛之助さんはフラメンコも踊って。練習されました?

五右衛門の格好して靴履いて、フラメンコ踊るって、普通はないスタイルですから、自分でもすごく新鮮ですよ(笑)。フラメンコの練習は、もちろん、しなきゃできないですね、カウントが全然違う。ひと月ぐらいお稽古しました。

でもね、実はすごい共通点があるんですよ、フラメンコとボクらが踊ってる日舞に。ヒップホップとか、ダンスは難しいんですよ。日舞には、体を縦にのばす踊りはないんですよ。でも、フラメンコは、まず足拍子。初心者は、腰を落として歩くことができない。同じ頭の位置で平行移動するのが大変で。日舞を習い始めた人もそうなんですよ。まず、歩くことが出来れば一人前。

でもボクらは、腰を落として歩くことを常にやってるから、なんてことないわけです。あとはカウントと手の動きさえ覚えれば。ただ、そのカウントの強弱をどうつけるかってことが難しいので、練習しましたけど。やらせていただいて、ダンスよりもフラメンコの方が近かったということに驚きましたね。和と洋で全然違うと思っていたのに。

Q:フラメンコのシーンは? 今回は今井翼さんが初参加されますよね。

今井さんは、五右衛門のお父さんのカルデロン神父の役で、もちろん踊ります。前回同様、佐藤浩希さんが踊るフラメンコのシーンもそのままあります。佐藤さんは今井さんのフラメンコの先生で、昨年の舞台を観に来られていた今井さんとお引き合わせくださり、今回の出演につながったんですよ。

改善点はありますし、今井さんも入られるので、ところどころ変えていきます。今井さんには、歌舞伎に出て良かったな、楽しかったなと言っていただけるようにしたいですね。

Q:「GOEMON」の中でここを見て!というところは?

やっぱり、今井さんのフラメンコとカルデロンですよ。歌舞伎役者じゃない方が洋服を着て、着物で白塗りをしている女形と芝居をするというのは、絵としてめちゃくちゃおもしろい。しかも、今井翼さんがやるんですよ。あとはやっぱり、今井さんのフラメンコ。

もうひとつは、大薩摩。三味線を、ベンベンベンベンベンベケベンって豪快に弾いて、「おぉお~」って唄う人がいる。この大薩摩とフラメンコギターのセッションがあるんですよ。最初、聴こえるかなぁ、と思って。お客さんの反応があんまり良くなかったら、どっちかやめにしようかって話してたんだけど、お客さんは大喜び。「こんなの観たことない!」って。そら、ないですよね(笑)。

フラメンコギターの人は本場スペインの方で、日本語通じないんです。だからボクら、コミュニケーション取るのも大変で(笑)。でもミュージシャン同士ですね、ギターと大薩摩弾く人と、日々うまい具合にセッションできるんですよ。これぞ新しいですね。芸術だなぁ、すごいなぁと思って、ボク、次の場に出る前に裏で聞いてるんですけど、ちょっと感動でしたね。いい方向に出て良かった、うん。

でも、この作品、見るとこいっぱいありますね、確かに。

Q:どのあたりの席で観るのが一番いいでしょうねぇ。

それ、難しいです。お客さんは今回、劇場のあっちもこっちも観ないといけない。そういうおもしろさがありますから。2階席にいても、五右衛門が目の前に現れたりしますからね。飛んで行って3階の一番前の席も目の前を通るし、花道近くもいいですよね。

どこがいいポイントか、自分で探して覚えておくという(笑)。でもね、全体的にどこにいても楽しめるようになってます、バランス良く。ただ、好きな役者がどこに出るかはわかりませんよ。それは、観ていただかないとね(笑)。 

Q:見どころの連続ですが、それが愛之助さんの「花形歌舞伎」?

こんなコラボ歌舞伎というか、新しい歌舞伎も見ていただきたいと。古典歌舞伎は、先輩に教えていただき、それを習得して後者へ伝える。これはボクたちが絶対やらなきゃいけないこと。それともうひとつは、新作歌舞伎を作ること。舞台に掛からなかったら、みなさん観られないし、ボクらも知らなくなっていくわけですから。

100年前のお芝居を復活しました、“復活狂言”ってよく銘打たれますけど、復活って、復活なんですけど新作なんですよね。100年前の芝居を観た人はいないから、今のボクらの知恵で作るから、やってることは今の新作歌舞伎とほぼ変わらないんです。

掛からないものを、ずっとそのままにしておくと、途絶えちゃうわけですね。資料も残ってないし。今の古典歌舞伎も、やらなくなると、どんどん先細りしていく。だから、新作をやることって非常に大事なことなんですよ。

今これも、新しい新しいって言われてますけど、100年後は空飛んでるかもしれません(笑)、もっと新しいことをやってるかも知れません。後世の人が引き継いでやっていく。それが歌舞伎というものの良さであり、伝統芸能だと思うんです。

※【その3】に続く

【取材・文=ドルフィン・コミュニケーション】

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