10/12（日）・13（月）「ホネホネサミット2014」開催！ 見方を変えるともっとよくわかる 驚きの骨格標本の世界（2）

生きた動物以上にその生き物を饒舌に物語る骨格標本。ポイントを抑えてみていけば、さらに興味深く見ることができる。「なにわホネホネ団」の団長、西澤真樹子さんに、骨格標本を見るポイントを教えてもらった。

＜生きているときの姿を思い浮かべながら＞

骨格標本を見るときには、まずは生きているときの姿を思い浮かべてみよう。図鑑などと見比べながら見ると、いままで触れているイメージと、目の前の骨とのつながりがわかって興味深く観察できる。ウマやライオン、カバといったよく知っている動物は、骨であってもいかにもその動物らしい。私たちが骨と言えばイメージしやすい恐竜は、逆に、骨でしかその姿を知らないともいえる。図鑑の絵は、発見された一部の骨格に残された情報を研究した結果から、その生前の姿を復元したものだ。新たな骨が見つかれば、まったくかたちが変わってしまう恐竜だっている。

＜ポイント1　頭骨＞

動物の頭にはものを見る目、音を聞く耳、酸素などのガスを摂取・排出する鼻と口がある。口はものを食べる役割もある。このように重要な器官が集まった場所が頭だ。情報を集約する、からだの司令塔でもある。頭骨をゆっくり見ていると、その動物の表情が見えてくるようにも思える。

中でも注目したいのが口、特に歯だ。歯は動物の住む場所や食べもの、食べ方で変化する。草食動物と、肉食動物の違いを考えるとその差がわかりやすい。肉食動物は肉を切り裂くために、鋭くとがった歯を持っている。一方、ウシやウマといった草食動物は草をすりつぶすための歯を持つ。口の長さも動物たちの食べ方に関係する。ウシやウマの顔が長いのは、たくさんの歯をならべ、口の中で植物を効率良くすりつぶして食べるからだ。危険があれば安全なところに移動し、そこでまた食事を再開する。それに対し、肉食動物であるネコは丸く平面的な顔で、あごは短く、歯も少ない。これは栄養価の高い肉を仕留め、その場で素早く食べるのに適している。

一方で歯のない動物もいる。例えばアリクイは、長い舌でアリをなめ取ってぺろぺろと食べる。従って歯は貧弱で、顎は長い。また、種子を割って食べる鳥たちのくちばしは頑丈で、非常に厚いのが特徴だ。彼らは堅い木の実をくわえて割るために、そのようなくちばしになっている。逆に川や海で魚をとってくらす鳥のくちばしは細長く、水の抵抗を減らして効率良く魚をとらえる箸のようだ。動物は食べるモノにあわせて進化し、顔の骨もそのための「道具」として特殊な形になっていく。骨を観察するときは、その動物の食性を知っておくとなぜそのような形をしているのか、きっと納得できるに違いない。

＜ポイント2　足＞

足は頭や歯と共に、動物の特徴がよくあらわれる部分だ。鳥も同様で、ダチョウの太い足は、いかにも走るために進化した鳥そのもの。ウマの足は中指一本だけを残して骨が減少し、速く走れる構造になっているが、ダチョウの足指も2本と少なく、おなじような進化を遂げて来たように見える。骨の形から、その動物の動きや速さを想像する。動物の生態と骨がリンクする様子もぜひ、見ておきたいポイントだ。

＜ポイント3　どうやって作られたか＞

その標本がどうやって作られたかについても注目したい。｢ホネホネサミット｣会場には、鶏の手羽や豚足、魚など、食卓に上った骨のある食材を標本にしたものもある。骨格標本は意外に身近なものなのだ。

＜ホネホネサミット2014で､骨格標本のあれこれを知ろう！＞

※編集部よりお知らせ：10/13（月・祝）の「ホネホネサミット」は台風19号の影響で暴風警報が出ましたので、イベントが中止になっておりますので、ご注意ください。

10/12（日）、13（月・祝）の2日間、大阪市全市博物館で開催される｢ホネホネサミット2014」は日本全国の骨格標本作製団体が集まり、骨格標本を展示したり、皮むきや骨鳥技術を紹介するほか、発表や講演が行われる。知れば知るほど身近で、興味深い骨格標本の世界に触れる絶好の機会だ。ぜひ会場を訪れてみよう！