【本誌連載の拡大版】格闘家 宇野 薫選手インタビュー(2)

横浜ウォーカー

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――横浜高校ではレスリング部の所属だったんですよね。

「中学の時は野球部でしたけど、その時すでにプロレスラーになりたいと思っていましたね。その基礎になるのはレスリングと自分の中で勝手に決め付けて、それじゃあレスリング部がある横浜高校だと。実際に入部したら、レスリング部のOBにパンクラスの鈴木みのるさんがいて、そういうのもあって舟木誠勝さんといった強い人たちにあこがれるようになって。ボクシング部と並んでかなり伝統のある部だったんですけど、いまは残念ながら廃部になってしましました」

――宇野さんにとって総合格闘技とは何なのでしょうか。

「自分の好きなことであって、仕事でもある。小さなころからプロレスラーに憧れていたんですけど、格闘技のリングや金網の中に立ち、その中でファンの皆さんの前で試合ができることを幸せに感じますね…。あとは、これはいつも言っていることなんですけど、総合格闘技は本当に難しいですね。もう13年目になりますけど、改めてその難しさというものを今回のアメリカでも肌で感じてきました」

――具体的に「難しさ」とは。

「単純にやることがいっぱいあるんです。寝技もやらなきゃいけない。打撃もやらなきゃいけない。レスリングみたいに組んで投げることもやらなきゃいけない。かといってスタミナがなきゃいけない。体のフィジカルが強くなきゃいけない。気持ちの部分においてもコンディションの部分においても、やることがありすぎて。総合の歴史はまだ15年から20年と浅いんですけど、日々いろいろな進歩があって、どういうふうに進めていけばいいのか、これというものがないようであるような感じなんです。ああいう小さなグローブで試合をするので、一発入ったら本当に一瞬で逆転することもある。トータルでものを考えないといけない競技。そこが難しい」

――総合格闘技の頂点が最も強い男だと。

「他に比べると考えることが多い競技だとは思いますけど、僕は別にボクシングが総合格闘技より弱いとは思わないし、陸上の十種競技をやっている友達がいるんですけど、それを見てとても僕にはできないとも思いました。だから、総合格闘技が特別に強いとか偉いとは思っていません。ただ強くなりたい、上手くなりたいということだけを自分の中で目指しているという感じでしょうか」

――宇野さんが追い求める「強さ」とは。

「打撃も寝技もトータルで、すべてが10点満点になりたい。それがなかなかならなくて難しいですね。だからこそ、やりがいがあるんですけどね。体にかなりのダメージを負う競技なので、長くやっている選手もいますけど、僕自身は1試合でも長くできたらと思っています。残された時間はそんなに多くないと、あと10年もできるとは思っていないんですけど、1戦1戦を僕なりに気持ちの伝わる試合をしていきたいと常に考えています」

――まさにゴールなきレースを走っている、という修行僧のような姿が伝わってきます。総合格闘技に出会っていなかったら、いまごろはどうなっていたでしょうか。

「わからないですね。総合格闘技が自分を育ててくれたと思っているし、いまも日々、勉強をさせてもらっているけど、ホント、難しいですね。デビューしたてのころはそんなこと考えなかったんですけど。だんだん年数を重ねていくと感じることが多くなってきました(笑)。いまは自分が総合格闘技界に対してどのぐらいの位置にいるというか、ちょっと上手く言えないんですけど、総合格闘技の今後に対して何ができるか、ということも思うようになりました」

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