自己流に育てて植物を愛する「ベランダー」とは?

東京ウォーカー(全国版)

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「植物男子」という言葉を聞いたことはあるだろうか? “草食系男子”の進化形!?いや、実はこれ、まさに字のごとく、植物との暮らしを趣味とする男性のこと。「観葉植物=女性の趣味」というイメージがあるが、現在、30、40代のミドルエイジを中心に、その奥深さにハマってしまう男性“ベランダー”が急増中なのだ。そこで、植物の魅力に迫ると共に、人間の生活にもたらす効能、そして失敗しない買い方&育て方を専門家にレクチャーしてもらった。

そもそも“ベランダー”なる言葉は、NHK BSで9月末まで放送されていたドラマ「植物男子 ベランダー」が生み出したもの。都会の片隅で暮らす中年男性が、ある日植物と出合い、悪戦苦闘しながらも育てる喜びを実感していく様子をコミカルに描いたこの作品。原作は、いとうせいこうによる実体験エッセイ「ボタニカル・ライフ 植物生活」で、いわゆる本格志向のガーデナーとは違い、ほぼ我流で、時には失敗しながら挑む姿が多くの共感を集めた。“新しい趣味として観葉植物でも育ててみたい。でも、どうすれば良いのか分からない”、そんな不安を抱えるビギナーにフィットした、まさにバイブルとも言えるドラマであり、エッセイなのだ。

とはいえ、いざ始めようにも、ビギナーには観葉植物を育てるに当たって何が必要なのかさえ分からない。そこでまずは、ドラマのロケ地にもなったプロトリーフ ガーデンアイランド玉川店の川島正明さんにスタートキットなるアイテムを幾つか教えてもらった。「育てる植物の種類や大きさにもよりますが、まず大事なのは肥料と土、それに鉢ですね」と川島さん。また、土にも色々な種類があり、こぼれても掃除のしやすい固形のものもあるので、小さな子供がいる家庭では重宝しそうだ。その他、虫が寄り付きにくい土や埃を防ぎ葉に艶を出すスプレー、活力液など多種多様なアイテムが揃う。こうした種類の多さも、こだわり好きな男性を惹きつける要因となっている。

一方、植物を育てるメリットを考えてみると、最大のポイントとしてリラックス効果が挙げられる。人間と自然との共存の重要性はかねてより叫ばれているが、緑が人の体に及ぼすプラスの影響は計り知れない。NPO法人日本園芸療法士協会によると、アメリカでは約200年前から体や心のリハビリとして園芸療法が行われてきている。土と戯れ、緑を愛で、香りを嗅いだり、食用として利用することは五感を刺激する。日本でも10年程前から園芸療法が多くの福祉・医療機関で取り入れられ、QOL(=生活の質)の向上に役立てているのだ。日々ストレスを抱えることの多い現代人にとって、心を癒やす園芸はきっと強い味方になってくれるだろう。

もちろん、植物を身近に置いておくだけでもマイナスイオンが発生し、健康的な環境を形成してくれる。そこで前出の川島さんに、ヒーリング効果の高い植物を教えてもらったところ、「お勧めはサンスベリアですね!」との回答が。調べてみると、酸素の放出量が他の植物に比べて多いとのこと。しかも、NASAが認定する「エコ・プラント」(空気清浄の能力に優れた植物50種)にも選ばれているというお墨付き。どの植物を育てるか迷ったら、こうした効果を目的に選んでみるのも良いだろう。

観葉植物の基礎知識が備わったところで、次はいよいよお店へ! プロトリーフ ガーデンアイランド玉川店には、細かい種類も含めると常時200以上の植物が揃っている。気になる価格は、「部屋のアクセントとして置く、50cm程のサイズであれば1万円前後から、ハイドロカルチャーと呼ばれるテーブルに置ける小さいものであれば500円程度から購入可能です」(川島さん)とのこと。希少種であれば、やはり高くなるものの、育てやすさと価格が比例するわけではないので、ビギナーは店員と相談しながら、お気に入りの植物を探してみよう。

しかし、ここでふとある疑問が頭をよぎる。そう、初心者ならば誰しもが不安に思う“果たして水やりは大変じゃないのだろうか?”という問題。ところが、川島さん曰く、「一般的に観葉植物は週に一度、水をあげればOKです。特にこれから冬に向かって成長が遅くなるので、ものによっては2週間に一度や月に一度でも大丈夫ですよ」という、何とも心強い言葉が! では、購入に当たっての注意点は? 「意外と盲点なのが日当たりですね。トイレなど日の当たらないところはどうしても枯れやすくなってしまいます。とはいえ、ずっと日が射す場所に置いておく必要はありません。日中のリビングや、夜でも部屋の照明程度の明るさがあればほぼ大丈夫です」。

これほどまでに手軽に育てられることが分かった観葉植物。でも、なかにはそれでも枯らしてしまう人もいる。その原因として一番多いのは、水のやりすぎによる木の腐食なんだとか。では、水やりのベストタイミングっていつ?となる。そうした方にお勧めなのが、ハイドロボールやサイフォンと呼ばれる栽培用土。これらは水分が足りなくなると土が変色し、黄色信号を出してくれるという優れもの。他にも、害虫によって葉が食べられたり、枯れることもあるが、その対処法としては「こまめに虫がついてないかをチェックするのが一番」と川島さん。「たまに霧吹きで葉に水をかけてあげたり、時々風通しの良い場所に置いてあげるだけでも、随分と予防効果がありますよ」。

以上のことを踏まえつつ、最後にズバリ、誰でも簡単に育てられる植物を伺ってみた。するとパキラやガジュマル、ゴムの木といった名が。これらに共通しているのは「水の手入れがとにかく楽」「多少暗い場所に置いていても自分の力で環境に順応してくれる」「サイズも様々で好みに合わせて選ぶことができる」といった特徴がある点だ。ちなみに記者がお勧めしたいのはステファニア ロツンダ。ずんぐりむっくりとした塊茎(かいけい)部がインパクト大で、育てていくうちに表面がひび割れたり、スベスベになったりと様々な表情を見せてくれる。しかも、冬の時期は水やり不要なので、これから始めるにはまさに最適(!?)だと言えるだろう。【東京ウォーカー/記事提供=週刊ジョージア】

※記事の内容は無料スマホマガジン「週刊ジョージア」から一部抜粋、再構成したものです

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