【その1】竹原ピストルが新アルバム「BEST BOUT」を10/22にリリース！ 再メジャーへの軌跡、松本人志への想いとは!?

太くしわがれた求心力のある歌声と、時に昂ぶらせ、時に優しく寄りそってくれるような真摯な楽曲で聴く者を惹きつけてやまないシンガー・ソングライター、竹原ピストル。09年のフォークロックユニット・野狐禅（やこぜん）解散後、“ドサ回り”と称して日本各地で年間300本近いライブをこなし、インディーズでソロ活動を展開してきた彼が、ことし野狐禅デビュー時の事務所「オフィスオーガスタ｣に再び所属し、メジャー復帰を果たした。さらに10/22にはメジャー第1弾アルバム「BEST BOUT」を発表。もがきながらも走り続けてきたインディーズ時代やニューアルバムについてなど、現在の心境について語ってもらった。

＿メジャーデビューおめでとうございます。メジャー復帰にあたっての心境の変化などはありましたか？

竹原：ありがとうございます。いやでも、心境の変化はないんですよね。「売れたい」とかは、もうずっと変わらずあって。僕が「売れたい」とか「売れるためなら何でもやる」って本気で思ってそう言ってるのに、勝手にお客さんが「んなわけねーじゃん、おまえガラじゃねぇだろ（笑）」って、勝手に何か笑いになっていくから、それを面白がって言ってた部分はあるんですけど、「いや本気だよ」と。だからひょっとしたら応援してくださってる人の中の、とある人にとっては「コイツ本気でやるつもりなんだ」って思う方もいらっしゃるかもですね。

＿約5年間の“ドサ周り”（インディーズ期間）を経て、古巣の「オフィスオーガスタ」へ戻り、再びメジャーデビューするに至った経緯を教えて下さい。

竹原：この5年間、こうやればビッグになれるんじゃないかっていう方法論みたいなのは自分なりにずっと考えてやってきたつもりなんです。「その時の最善だと思う手段を何となく見い出したらすぐ行動して」の、繰り返し繰り返しだったとは思うんですが…。「ああこれじゃまだ届かないかもしれない、じゃあこうしてみるか、いやこれでもダメかもしれない」ってブレながらも考えて考えて。でも、、この辺の言い方が難しくて、ちょっと取りようによっては角が立っちゃう部分が出てきちゃうかもしれないけど、ここだったらという環境にはまだ辿り着いてないような気がしていたんです。ずっと。でやっと今、ここじゃなきゃ嫌だっていう恵まれた環境に初めて来れたっていうのが正直あります。まあスタッフ陣ですかね。事務所も、もいっかいどっかに拾ってもらえるとしたら、俺はやっぱり、前にも所属してたこともあって、何となく気質をわかってくれているであろうオーガスタがいいなって思ったし、例えばレーベルはビクターがいいとか、高望みであることはわかってたんですけど、そこ以外じゃもうダメなんじゃないかって思ってただけに、今回は本当に嬉しいし、やっと届くか届かないかの一世一代の勝負ができる環境が整って、スタート地点になんとか立てたと思ってます。

＿10/22にはソロとして5作目であり、メジャー第1弾となるアルバム「BEST BOUT」がリリースされました。

竹原：さっきと重複になっちゃうかもだけど、やっぱりここにきて、やっと自分が届く届かないの大勝負ができる環境に辿りつくことができたという実感がものすごく強い。やっとここまできたぞって。ドシっとするというか。そんな気持ちのこもったアルバムを作りたいなと思って、作ってそういうものができたし、もちろん過去の音源たちはそれぞれ好きなんだけど、まずこれ聴いてくんねぇかなっていう。これで判断して欲しいっていう1枚ができたっていう、気持ちが強いっすね。

＿過去の音源といえば野狐禅時代の楽曲「カモメ」も収録されていますね。

竹原：えーと、やっぱ自分なりにそれなりに研究しつつ、色々勉強したり、色んな作品に影響うけつつ、自分で言ってもあれですが、なんか、向上してきてるって思ってるんですね。この詞は前には書けなかったなとか、この詞は今の俺だからこそ書けるなとか。なんだこの比喩すげえなとか（笑）。

歌詞を書くってことに関してはどんどん成長してきてるつもりであって。そうすると、過去の作品ってちょっと照れくさいような、みせたくないっていうか。なかった事にしたいとまでは言いませんが、ちょっと照れくさいんですよ。要するに今の作詞の水準には来てないというか、過去は全て汚点だじゃないですけど、そういう気持ちがあるなかで、「カモメ」は今やっても全然恥ずかしくないって思えたから、という事ですね。

※その2に続く

【取材・文＝原 偉大】